2021年8月12日 00:00
オリンピックというと皆さんはスポーツの祭典という印象が強いと思いますがオリンピック開催地へ齎される経済効果は本来なら計り知れないものがあります、今回の東京2020オリンピックの場合は約3兆円と試算されていました、ただこれはオリンピック関連の直接経済効果であり国民のマインドによる経済底上げ効果はどの機関でも試算不可能なほどの額になるのが普通です。
例えば過去日本が最も大きく経済成長したのは私が生まれた年の1956年から1973年までの「戦後の高度成長期」です、そして前回の東京オリンピックが1964年です、つまりオリンピック開催をきっかけにその前後の数年間は短期間に大きく経済成長しました。
これはどの国でも同じことです、それだけに今回も東京都の予算で行われるオリンピック誘致に安部政権が大きく関与し国をあげての絶大なる支援を行ったのです、特に大震災の復興活動も予想を超えて長期化しそうな気配の中でです、オリンピックにかける意気込みはどれほどのものだったかが伺えます。
案の定オリンピック前の2019年10月1日に予定通り消費税が上がりました、そして高度成長期、バブル期に継ぐ大きな経済成長期の到来を期待していました、ところが新型コロナウイルスパンデミックの襲来で1年延期、そして強引に開催するも無観客での限定的な開催となりました。
ではオリンピック開催国によるオリンピック特需は今回は無かったのでしょうか、いえ私はそうは考えていないのです、まず開催が決まるや否や政府は早くもオリンピック経済特需第一弾を打ち出しました、その内容とは東京を大胆な規制緩和を行う国家戦略特区に指定することを検討するというものです。
オリンピック関連のインフラや競技場を始めとした各種施設の整備に民間の資金や技術を積極的に活用するのです、つまりこれにより民間企業に大きな資金が流れ、それが順繰りに市中を回る経済循環が起きたわけです、また開催に疑心暗鬼だった国民は開催が決まるや大型テレビや録画装置を購入しました、家電量販店は大幅な売り上げ増になりました。
また売れ残りを心配していた関連グッズや応援グッズも開催と同時にネット通販では売り切れ続出です、スポーツ用品もネット通販を始め売れ行き好調だといいます、今回の緊急事態宣言下での東京2020オリンピックですが結果的には失敗だったのか成功だったのか、その結論を今出すのは少し早計だと思います。
重要なのは政府の施策などではありません、国民が新型コロナ撲滅と強い経済大国復活を信じて未来志向の行動をこの機会を逃さずに起こすことなのです、それが数年後に結果的に起こる本当の意味でのオリンピック特需だと思うのです。