2021年9月 9日 00:00
イギリスの時事経済週刊誌である「エコノミスト」の最新号の記事によると2008年のリーマンショック以降に民主主義指数が大幅に落ちている国が89カ国にものぼると報告しています、ちなみに民主主義指数が上昇した国はわずか27カ国だけです。
これらの民主主義指数が落ちている国の情勢を調査して出てきた成果が極めて興味深いのです、これを記憶に残す目的で私はこの記事を書いています、民主主義指数が下落している国の特徴は「国家危機克服を宣言したリーダーを国民が選出する傾向がある」、「これによって選ばれたリーダーは仮想敵国を作り上げて何かにつけて強引な要求や無意味な攻撃を行う」、「反目する勢力を去勢し退ける」、「メディアを掌握して世論を操作する」というものです。
こういった国状を作り上げているリーダーを「新型独裁者」という名で指摘しています、さて私にはこの4つ全てにずばりと当てはまる非常に解りやすい国が幾つも思い浮かびます、だからと言って私はその国を否定することも嫌悪することもありません、ただ国民自身がリーダーに誘導されていたと気付いた時に国家と自分に失望する時が必ず訪れると思っています。
更にはその状況を慌てて修復するにも膨れ上がった借金の山と誤った方向で築き上げてしまった社会ルールを戻すには気の遠くなるほどの時間がかかることになります、ムードを演出され盛り上がっている時には誰も近未来に訪れる不幸については考えません、感化させられていることなど疑いも無く明るい未来がすぐそこに来ることを信じてリーダーを支持し続けているのです。
先の世界大戦の際には多くの国で民衆は群衆心理を操られリーダーの意のままに地獄へと進んでいきました、歴史は面白いように繰り返します、スペイン風邪から100年後の新型コロナウイルスの出現、先の世界大戦開戦から80年、その前の第一次世界大戦開戦からは105年です。
ちょうど今の世界情勢はまさに産業革命後に起きた第一次世界大戦直後から第二次世界大戦開戦前の世界情勢に酷似していると思うのは私だけでしょうか、先の世界大戦後の混乱から約半世紀に渡る高度技術革新に支えられた平和な時代を余所に今世界は何処へ向かおうとしているのでしょうか。