2023年10月20日 11:00
国産高級シングルモルトウイスキーやスコッチシングルモルトが次々にリカーショップの店頭から消え、ついにはネット通販サイトでも在庫ゼロ状態だということをこの一ヶ月間の間にお伝えしてきましたが今後は日本国民の愛飲ウイスキーの鉄板であるサントリー角が店頭からもネット通販サイトからも消えつつあります。
高級シングルモルトウイスキーは熟成に期間がかかるため一時的な減産による原酒枯渇で生産できないという状況は解るのですが、角はブレンデッドであり日本のウイスキー規格に則り蒸留したての飲用アルコールをブレンドしてもよいウイスキーです。
何時でも量産可能な昔からのポピュラーウイスキーが消えてなくなるとは信じがたい事実であり大きな事件です、その裏には大きく2つの驚くべく理由がありました、この2つの理由の前に国産シングルモルトウイスキーの枯渇により需要が増したという3つめの理由も前提にあります。
新らしい理由の一つは新型コロナパンデミックにより家飲みが増えて1年ほど前から工場在庫がほぼゼロになったことです、家飲みにはサントリー角は最適でストレートからハイボールまで美味しく飲めるので最適なウイスキーだったわけです。
二つめの理由は家飲み需要で在庫がゼロになり増産で何とか凌いでいたところに海外旅行の解禁が加わり韓国旅行者が次々にサントリー角を買い求めていったことです、サントリー角はここ最近韓国では大人気のウイスキーで日本では1,500円で買えるのに国産ウイスキーを持たない韓国ではバランタイン12年と同クラスの4,000円以上もする高級ウイスキーです。
加えて有名なKポップシンガーが角を片手に持った動画の拡散により韓国でサントリー角が更なる大ブームを引き起こし円安も加わり韓国旅行者がお土産に爆買いしているのです、これらの理由が重なり1960年の発売以来常に売り上げトップの座を守ってきたサントリー角がなんと店頭から姿を消すという事態に陥ったのです。
居酒屋でも大人気の角ハイボール、業務用の2.7リットルや5リットルボトルまで品薄で価格上昇しているそうです、そこで居酒屋ではスコッチブレンデッドのJ&Bやバーボンのジムビームに切り替えて凌いでいるのです。
90年中期からつい数年前までほぼステイディに安定していたウイスキー状況が新型コロナパンデミックをきっかけに大きく変化しています、ショットバーでもカクテルよりもウイスキーが多く出るようになりこれまで見たこともないウイスキーが次々と輸入されています。
ウイスキーファンの私としては飲んだことのないウイスキーを海外まで行って買ってこなくても散歩がてらに近所のリカーショップで買えるようになったのは嬉しい限りですが、これまで愛飲してきたシングルモルトウイスキーの多くが2~3倍と価格が上昇しているのは何とも言えない気持ちになります。