テクノロジー分野において異種の存在や技術を組み合わせ新たなものを創造することを「ハイブリッド思考」と呼んでいます、このハイブリッド思考で物事を創造できる人が天才科学者と呼ばれる人に多いという分析結果があるのはご存知でしょうか、科学とは先人の理論を引き継いで検証や実験を繰り返し最終的に証明に値する根拠を示せた者が栄誉に輝く世界です、アインシュタイン然り野口秀雄然りです、その思考そのものがハイブリッド以外の何物でもありません。
多くの発明や理論はこれまでにないものを一瞬で閃くということはありません、同じことを継続して根気よく考えているなかである時にそれが一つにまとまり理論が完成するのです、それが本来の意味での「閃き」の本質なのです、つまり何の努力も無しでの発明や理論の創造などは有り得ないのです。
さてこのハイブリッド思考で重要なのが正確な情報を脳内に整然とマトリックス化できるというロジック展開です、物であれば構造設計そのものであり、見えない理論であればアルゴリズムということになります、得た情報を基に明確にロジック化できるのもまた一つの特殊な能力であると言っても過言ではありません。
推論や推理に長けた人はまさにこの情報からロジック展開しての分析能力に長けた人であり、知る筈もない過去に起きた事象やこの先に起こるであろう見た事も無い事象を読む能力を持ち合わせた人です、他方文章能力を示す言葉にリテラシーというのがありますが、このリテラシーも実は一つのロジック展開能力なのです。
ここで勘違いしてほしくないのは世に誤って伝わっている「思った事を文章にすることができる能力」は「リテラシー」とは呼びません、これは単純に文章が上手く書けるということに過ぎません、得た知識や自身で考えていること、これらを頭の中でロジック展開しなければ特許や論文という他者に正確に伝える文章を明確に書くことができません。
このリテラシーなどのロジック展開能力は努力で身につくものは僅かであり、多くは先天的な脳の構造によるものであるという興味深い研究結果があります、ロジック展開能力の有無はSNSやブログの文章にもそのまま出ます、思ったままに話をするように書く人はロジック展開する能力が欠如しているか共感性の強い人かのどちらかです。
ロジック展開ができる人は起承転結ではありませんが文章自体が階層的且つ入口から出口まで綿密に仕組まれた電気回路のようなロジック的文脈になっています、これは見る人が見ればロジック展開している文章なのか、それとも単なる表面意識での感性に任せた文章なのかはすぐにも理解できます、このロジック展開能力こそがビジネスで成功させる必須の能力だと科学者の多くが認めています。
またこの基本に在るのが男性脳とも言われる左右分割能そのものの物理的要因だとも考えられています、単純な文章を書く領域は左脳に在ります、しかし特許や論文などのロジック展開文章を書くのは左脳に加えて同時に右脳の能力が大きく関与しているのです、先の文章が上手い人というのは左脳が優れているという可能性があり右脳と連携して行われるロジック展開でのリテラシーが高いかどうかとは別次元なのです。
事業計画もマーケティング戦略も全てがロジック展開で構築されないと一貫性の無いとんでもない内容になってしまいます、ロジック展開されていない計画や戦略はその場の思い付きだけであり良くて「絵に描いた餅」であり悪く言えば「根拠のないデタラメな空想」でしかありません、つまり事業計画書や提案書をぱっと見ただけでその人がロジック展開できる人かを見極めることが可能なのです。
ロジック展開能力とは他の事象との相互関連性と明確な差異を細部に渡り正確に見い出せる能力でもあるのです、経営者でこの能力を持ち合わせているとしたら、おそらく今の幸福事ではなくて5年~10後に来るべく状況に焦点を当てた未来思考での事業計画を頭の中で完璧に策定していることでしょう、そして全てが予めスケジューリングされていたかのように「来るべきXデー」に向け自身で策定した成功シナリオ通りに事業推進を粛々と行っているはずです。
「1円でもお金を貰ったら必ずプロとしての責任が生まれる、ゴルゴ13はプロの刺客でありお金を貰わなかったら単なる人殺しだ」、若い頃に先輩から言われた言葉です、それが自身で経営するようになってこの言葉の意味が真に理解できるようになりました。
別の先輩からは「足し算もできない人間が八百屋を始めたら暗算で会計ができるようになる、それがお金を稼ぐということだ」とも教えられました、これもまた今になってみれば「なるほど」と思い知らされます。
他方「10万円貰ったら10万円の仕事をやる」という人もいます、しかしこういう人はどれほど頑張っても成功者にはなれません、あくまでも他者から貰うだけの立場の人で終わるでしょう、社員生活が長い人にありがちな「お金と労働」に対する庶民感覚の極みです。
プロと言うなら10万円貰ったら100万円分の仕事をやって50万円に報酬を上げてもらうくらいの結果を出してほしいものです、新しい分野の仕事に就いたら私なら徹夜を連続してでもその業界の事を必死で学びます、報酬とは労働時間に対する対価ではないのです、あくまでも結果に対する対価として報酬を考えてほしいのです。
10万円貰って10万円の仕事なら存在価値としては3~5万円がいいところです、当然支払う方は維持コストがかかるのですから、更には結果が出せないなら限りなくゼロに近づきます、これを自分で宣言し潔く自身を戒められる人がプロの仕事人としての認識ある人です、これを雇う側から言われた時点でプロの仕事人としての誇りも人生も終わりです。
結局貰うだけの人は経営者には絶対になれません、起業していても経営者ではないのです、単なるフリーの起業家で終わります、何故なら貰うだけの人には他者に報酬を払うための事業投資と雇用を行えないからです、つまり自身の報酬の前に先に他者に与えるという思考が一切できないのです。
他者の為に自らの腹を傷めてまでもお金を使えないのであれば他者から貰うだけの社員のままでいた方が幸せでしょう、定年退職後は年金支給までアルバイトで生活する方が気が楽というものです、他者の為に他者優先でお金を使う、これは経営のプロとして当たり前の必須感覚であり思考です、それが経済を自ら循環させる経営者というプロなのです。
仕事柄なのか世の中の動きにはどうしても敏感に反応してしまいます、ブログでもこの数年間は「変化の時代」だと度々書いていますが現在は2018年春頃から始まった世界規模での大変化の最終局面にあって、おそらく10年後の2027年頃には再び安定期に落ち着いてくると考えています。
このど真ん中でのイギリスのEU離脱や新型コロナウイルスパンデミック、そしてロシアのウクライナ侵攻はさすがに驚きました、それだけではありません世界規模で政治や経済のトップに期待する人物像に大きな変化が起きています、世界中でこれまでにない個性的なトップが数多く誕生しています。
ちなみにその前はというと2002年頃から始まったインターネットとスマートフォン、そしてデジタル地上波という世界規模でのデジタルインフラ革命がそれに当たります、変化期ごとに世界中で勝ち組と負け組がハッキリと二極分化してきたことは長期的に見れば大変化という時期は大きなチャンスでもあります。
ここで何が言いたいのかということですが、「成功者とは敏感に世の変化の流れに乗っている」という事実です、時の人とも言われる経済風雲児が現れるのはそのほとんどが大変化に一文無しから巨万の富を築き上げた人たちです、兵法にも「順手牽羊(じゅんしゅけんよう)」という「時代の大きな流れに乗って大小幾つもの利益を得る」という計があります。
つまり変化の流れに乗ることは成功する為には必須条件と言えるのです、ただこういう世の流れに恐ろしく鈍感な人もいることは確かです、これだけの変化が起きているということは世の中の価値観も大きく変化するのは当たり前なのですが、その変化を見逃しいつまでも古い価値観に縛られては同じことを繰り返しているのです。
最悪なケースは既に終焉した変化の時に生まれた成功事例を価値観が変わった後にやろうとしている人たちです、これはもう時間とお金の無駄遣いもいいところで結果など何も出ないばかりか新しき変化の波に乗ることすらできません、これでは上手くいくはずはありません、その人の能力不足でも努力不足でもなんでもないのです、ただ時代の流れを見極めずに新しき流れに乗れていないという事実だけなのです。
変化の後の価値観の変化を先取りするように事業や戦略を変えていく、こんな経営者として当たり前な事を逃していては成功など夢の夢で終わります、次の変化期どころか来年に何が起きるのかもさっぱり掴めないと嘆く人でも大丈夫です、自分ができない事を頑張らなくてもいいのです。
そういう変化の動きに敏感な人の近くに居るだけで充分に恩恵を享受できるのです、その人の時代に合わせて変化していく人の近くにいて、その人が行う戦略に乗って自身の事を粛々とやっていけばいいだけです、それも「順手牽羊」どおりであり、一つの成功の為の秘訣でもあるのです、ただし他者の戦略に乗るのであれば自身の身勝手な思い込みや思惑を捨てて心を開き素直に流れに乗ることが肝要です。
突然ですが、どうして同じ商品なのにガンガン売れる人とさっぱり売れない人とが存在するのでしょうか、ずばりこの疑問を自身で考え明確に正解を導きだせた人は成功します、他者から正解を教えられ解ったつもりでいる人は永遠に成功することはありません。
起業家はサービスや商品を作り販売活動を行います、でも何年経ってもさっぱり売れないという現象が起きてきた時に多くの人はサービス内容や商品に疑問を抱きます、ところで皆さんはものを買う時に何に対してお金を払っているのでしょうか、自身で買い物しているのだから解りそうなものですが意外と正解を言える人は少ないのです。
むしろ起業家100人に聞いてほぼ全員が正解をズバリと答えることはできません、ではヒントを幾つかあげてみます、お腹がすいて食べ物を買うとします、この時あなたは食べ物にお金を払っているのでしょうか、退屈なのでテレビを買うとします、この時あなたはテレビという機械にお金を払っているのでしょうか、遠くに移動する時には電車やタクシーに乗ります、この時あなたは乗り物や運転手にお金を払っているのでしょうか?
ここまで問われれば人は何に対してお金を払っているのかが見えたのではないでしょうか、少なくても人はサービスや商品自体もしくはサービスを提供する人にお金を払っているのではありません、商品やサービスを提供する人はある重要なものを提供する媒体でしかないのです、そしてその媒体を手に入れる手段がお金という、これもまた必要な物を簡単に手に入れることができるという媒体でしかないのです。
では人は何を手に入れたいのでしょうか、これを正確に解る人は自分の成功に必要な人材や環境を明確に理解しています、したがってこれを簡単に手放すことをしません、どんな事をしても何に変えても手元に置いておかなくてはならない成功するための、そして期待するお金を得るための最重要な必須媒体なのですから。
最後にあなたは成功したいとして成功する為に必要なものを正確に理解してそれに対してお金を払っているでしょうか、まさか一方的に貰ってばかりではないでしょうね、「貰う」という感覚を払拭しなければ永遠に経営者として身を立てることなどできないでしょう、経営者とは与える側の立場の人なのです、それだけは明確に言っておきましょう。
「ビジネスはマーケティングに始まりマーケティングに終わる」、それほどビジネスにマーケティングは不可欠です、その守備範囲は極めて広く何を以ってマーケティングと言うのか一言では言い現わすことは不可能に近いものがあります、また多種多様のマーケティング手法と理論が存在しており、これも一つの混乱する要因ではないかと思います。
しかし原点に立ち返ってみると使う道具が手紙から電話、そして電話からインターネットへと変わってきただけで昔からのビジネス手法そのものであり難しく考えることもないのです、マーケティングとは商品やサービスを売るための戦略なのですから、その人や企業なりの方法が有り多種多様化していることも混乱させる一因でもあります、そんなわけでマーケティングの書籍はビジネス書の大半を占めるほどの量となり一体何を読んで何を信じたらよいのか悩ましい人も多いでしょう。
それなら過去から存在する理論から最新のマーケティング手法まで徹底して研究することです、そのうえで現在そしてこれからの時代を正しく読みこの時代に必要なマーケティングは何かという結論を導き出していくことが重要です、ただし書籍をどんなに読みこんでも回答を得られることはありません、事実過去からその時代を代表する書籍を何冊も読みましたが具体的にそれをそのままビジネスに応用することはできない内容でした。
そもそもですが多くの書籍は社員数百名以上の中堅企業や大企業に照準を照らし合わせて書かれています、したがって現在のように個人もしくは社員数名の企業がほとんである時代にはコスト面でも実行する労力面でも不可能に近い内容なのです、今の時代に本格的なマーケティングを最も必要としている企業は実はベンチャー企業ではないかと思うわけです。
ところでマーケティングとは何でしょうか、マーケティングの定義は「商品やサービスを素早く消費者へ売るための活動」を指しており、そのためには消費者動向を探るところから始めていく必要があります、個人経営が主となっている現在では扱う商品やサービスも多種多様化しています、またほとんど世の中には知られていないのが事実として存在しています。
そこで告知方法が極めて重要になってきます、市場調査に始まり商品化に告知、最後に販売するための手法という一連の流れ全てがマーケティングというものです、この一連のマーケティングにおいて重要になってくるのが世の中のトレンドと価値基準の変化です、これをしっかり数年先まで読んで今を考えて行わないと今の世の中に受け入れられない手法を展開し無駄な時間とお金を使ってしまうことになります。
数年前の手法は今やろうとしても時代に合わず使えません、同じように今主流の手法は数年後には使えなくなります、今から始めるのであれば数年後にどのような状況になっているかという市場トレンドをしっかり把握していないといけません、市場トレンドを読む方法もまた無数に有ります、私がよく使う言葉の「経営はテクニック」とはこういうことも含めたうえでの意味なのです。
どんなビジネスも苦労なくして成功することなど何一つないことをしっかりと理解することです、寝食惜しんでもマーケティングの真髄を身につけて下さい、気が付けば何もしないでも相手から買ってくれる状況になっています、そしてこれからの時代はWebマーケティングの時代ではありません、ITを駆使したデジタルマーケティングの時代なのです。