2024年7月26日 07:00
テクノロジー分野において異種の存在や技術を組み合わせ新たなものを創造することを「ハイブリッド思考」と呼んでいます、このハイブリッド思考で物事を創造できる人が天才科学者と呼ばれる人に多いという分析結果があるのはご存知でしょうか、科学とは先人の理論を引き継いで検証や実験を繰り返し最終的に証明に値する根拠を示せた者が栄誉に輝く世界です、アインシュタイン然り野口秀雄然りです、その思考そのものがハイブリッド以外の何物でもありません。
多くの発明や理論はこれまでにないものを一瞬で閃くということはありません、同じことを継続して根気よく考えているなかである時にそれが一つにまとまり理論が完成するのです、それが本来の意味での「閃き」の本質なのです、つまり何の努力も無しでの発明や理論の創造などは有り得ないのです。
さてこのハイブリッド思考で重要なのが正確な情報を脳内に整然とマトリックス化できるというロジック展開です、物であれば構造設計そのものであり、見えない理論であればアルゴリズムということになります、得た情報を基に明確にロジック化できるのもまた一つの特殊な能力であると言っても過言ではありません。
推論や推理に長けた人はまさにこの情報からロジック展開しての分析能力に長けた人であり、知る筈もない過去に起きた事象やこの先に起こるであろう見た事も無い事象を読む能力を持ち合わせた人です、他方文章能力を示す言葉にリテラシーというのがありますが、このリテラシーも実は一つのロジック展開能力なのです。
ここで勘違いしてほしくないのは世に誤って伝わっている「思った事を文章にすることができる能力」は「リテラシー」とは呼びません、これは単純に文章が上手く書けるということに過ぎません、得た知識や自身で考えていること、これらを頭の中でロジック展開しなければ特許や論文という他者に正確に伝える文章を明確に書くことができません。
このリテラシーなどのロジック展開能力は努力で身につくものは僅かであり、多くは先天的な脳の構造によるものであるという興味深い研究結果があります、ロジック展開能力の有無はSNSやブログの文章にもそのまま出ます、思ったままに話をするように書く人はロジック展開する能力が欠如しているか共感性の強い人かのどちらかです。
ロジック展開ができる人は起承転結ではありませんが文章自体が階層的且つ入口から出口まで綿密に仕組まれた電気回路のようなロジック的文脈になっています、これは見る人が見ればロジック展開している文章なのか、それとも単なる表面意識での感性に任せた文章なのかはすぐにも理解できます、このロジック展開能力こそがビジネスで成功させる必須の能力だと科学者の多くが認めています。
またこの基本に在るのが男性脳とも言われる左右分割能そのものの物理的要因だとも考えられています、単純な文章を書く領域は左脳に在ります、しかし特許や論文などのロジック展開文章を書くのは左脳に加えて同時に右脳の能力が大きく関与しているのです、先の文章が上手い人というのは左脳が優れているという可能性があり右脳と連携して行われるロジック展開でのリテラシーが高いかどうかとは別次元なのです。
事業計画もマーケティング戦略も全てがロジック展開で構築されないと一貫性の無いとんでもない内容になってしまいます、ロジック展開されていない計画や戦略はその場の思い付きだけであり良くて「絵に描いた餅」であり悪く言えば「根拠のないデタラメな空想」でしかありません、つまり事業計画書や提案書をぱっと見ただけでその人がロジック展開できる人かを見極めることが可能なのです。
ロジック展開能力とは他の事象との相互関連性と明確な差異を細部に渡り正確に見い出せる能力でもあるのです、経営者でこの能力を持ち合わせているとしたら、おそらく今の幸福事ではなくて5年~10後に来るべく状況に焦点を当てた未来思考での事業計画を頭の中で完璧に策定していることでしょう、そして全てが予めスケジューリングされていたかのように「来るべきXデー」に向け自身で策定した成功シナリオ通りに事業推進を粛々と行っているはずです。