ご存知「ウサギとカメ」の話。
ノロノロ歩いていたカメにウサギは「どうしてそんなに歩くのが遅いんだい?」とイヤミたっぷりに聞きます、するとカメは「じゃ、あそこの木の根元までどちらが先に着くか競争しよう」と持ちかけます。
ウサギは笑いながらその競争を受けました。
ウサギは木の根元近くまで来て後ろを見ると、カメはまだスタート地点でノロノロしています、そこで勝ちを確信したのか寝てしまいます。
その間に、カメは木の根元にたどり着きカメがウサギに勝ったというお話です。
この物語の元々の題名は「ウサギとカメ」ではありません、正確には「油断大敵」という題名です。
これをクイズに出したテレビ番組がありました、ところが回答が実に面白いのです。
約60%の人は正解でした、ところが不正解の人の回答に私は非常に興味を持ったのです。
それは「一念発起」とか「やれば出来る」などです、そうです不正解の人はカメの立場でこの物語の題名を考えたのです、正解者はウサギの立場で考えたのでしょう。
同様に刑事ドラマではほとんどの人は主人公の刑事の目でドラマを見ていますが、犯人の目で見たらこのドラマは全く異なるドラマになってしまいます。
怖い刑事が執拗に一市民を追いまわし捕まえるや暴力行為の数々、なんて酷い刑事なのでしょう。
桃太郎のおとぎ話も鬼の立場で考えたら全く異なる物語になります、人間から離れ小さな島で平和に暮らしている鬼のところへ桃太郎という悪漢がやってきて腕力で平和を乱し宝物を奪って行ってしまったとなります。
このように同じ状況で同じ事象でも、誰の立場での視点で考えているかで「善悪が逆転」してしまいます。
そして怖いことにこれは人によって千差万別で微妙に捉え方が違います、世の中の善悪や正義とはいったい何なのでしょうか?
立場変わればもしかしてあなたの常識や正義は逆転しているのかも知れません、これは人への判断でも同じことです、誰が善人で誰が悪人なのか?
少なくても、他者から齎された情報に翻弄されずに自身で視点を変えて360度でロジカルシンキングを繰り返し、更には実際に自身の目で物事や人を観て判断することが肝要です。
つまり私が「常に他者の気持ちに敏感になれ」と口を酸っぱくして言うのはこういうことなのです、これができてはじめて成功者への道が開けるのだと思います。
特に人に関する判断ミスはビジネスでは致命傷となることが多々あります、そして如何なる状況もロジカルシンキングにおいて立場を変えて考えることで本質が見えてくるのです。
だから、ロジカルシンキングしている人は人間関係においても失敗することが無いと思うのです。
人は何を見て人となりを量っているか解らない。
周囲に誰もいないときほど振舞いに気をつけることだ。
自身の行動は誰かに必ず見られていると思うことだ。
※長いビジネス人生、多くの人と出会い、多くの善悪を学びました。
こちらから何も聞いてもいないのに、
自ら自身のことをあれこれ話す人。
相応の思惑か後ろめたいことがあるのだろう。
※長いビジネス人生、多くの人と出会い、多くの善悪を学びました。
10年ほど前から経済格差やデジタル格差などが顕著になり昨今は二極分化の時代がより鮮明になってきている感があります、事実日本の世帯資産や世帯収入もこの傾向が強まってきています、つまりお金持ちはどんどんお金持ちになっていくのです。
ちなみに日本では金融資産を含めた資産1億円以上を富裕層として捉える向きがあり、事実として保険や証券・銀行の顧客サービスでの「ウェルシークラス(富裕層)向けサービス」の目安ともなっています。
では日本には資産1億円以上の世帯はどのくらい存在しているのでしょうか、2020年の調査では約133万世帯となっています、ちなみに現在よりもはるかに景気が良かった2010年は81万世帯ですから、やはり二極分化が進んでいるという根拠がここにも見てとれます。
133万というと多いように思えますが日本の全世帯数は現在5,400万世帯ですから2.5%に満たないのです、また資産5億円を超える超富裕層の世帯数は約9万世帯で0.17%弱と極端に少なくなります、これは他の国に比べると日本には超富裕層が極めて少ないことが解ります。
ちなみにマスクラス(大衆層)と言われる資産3,000万円以下の世帯数は4,215万世帯で78%を占め、その上の資産3,000万円~5,000万円のアッパーマスクラス(上流大衆層)を含めると実に92%となります。
ただし上記はあくまでも申告されたデータでの集計です、日本人は控えめに出す傾向がありますので正確な数字は解りません、また隠し財産(タンス貯金など)は世界一だというデータもありますので正しく把握することは困難かと思います。
ここで資産というのは数字だけの問題であり、例えば相続などで得た売るに売れない自社株などの金融資産や使うに使えない山林や農地などの不動産資産も含まれます、したがって実際の裕福度とはまったく異なるということを理解しておく必要があります。
極端な話が処分できない資産だけは保有しているもののまともな生活もできずに苦しんでいる世帯が実際に多数存在していると思います、ちなみに農地は農地法によって勝手に売ることができません、また法律が変わり三世代までしか相続できません。
更に相続すれば使っていなくても固定資産税が毎年かかります、かといって農地だけを相続放棄することもできません、放棄するには全財産の放棄をしなくてはならないのです。
下手に資産が在って苦しむよりも、資産が無くてもしっかり収入を得て自由にお金を使い悠々自適に生活できているのが本当の意味でのウェルシークラス(富裕層)の人だと思うのですが如何でしょう。
「誰も一夜にして肉体を鍛えようなどとは思わないだろう。 それなのに、こと精神に関してはすぐにも効果が現れるのが当然だと考える人が多いようだ」
米国の心理学博士であり、現在でも多くの代表的著書を購入できるので知る人ぞ知る心理学の権威ウェイン・W・ダイヤーのこの一言は実に深いものがあります。
何事もステップアップするにはプロセスというものがあります、肉体もそうですが精神はそれ以上に成長させるためにはプロセスを踏まないと極度のカルチャーショックや情報混乱によりパニックすら起こしかねません。
学問なども同じことで聞いたり読んだだけでそれを理解したかのような錯覚を起こします、したがって用いようと思っても何も言葉にも出てこない、そして何も活用できずに何を学んできたのかと自失の念に陥ります。
これは当たり前です、本当にそれを理解し体得するには表面意識にある情報を無意識の記憶領域に落とし込む必要があります。
無意識の領域の記憶情報は、表面意識で考えなくもそのシーンが現れると自然に言葉や行動に出ます、これが体得という代物です。
自転車をどれだけ練習しても乗れなかったのに、一度でも乗れると今度は長年乗っていなくても身体が覚えていて何時でも乗れます、精神的なこともこれと全く同じなのです。
成功する人は学んでそれを試してみなければ価値の無い知識であることを解っています、成功も同じことで学ぶだけでは全く意味がありません、体得すればどんなトラブルでも慌てず考えることもなく次の一手が自然に打てるようになるのです。