
庭や道端、畑、代表のオフィスの庭などあらゆる場所で自生する非常に身近な雑草で、気にしていないと見過ごしてしまいますが、実は面白い植物です。
葉がハート形の小葉が3枚集まって1枚の葉を構成する複葉であることが最大の特徴です。
この形はクローバーによく似ていますが、クロバーの葉は丸型です。
葉は夜になると閉じ昼になると開くという就眠運動をします。

名前の由来にもなっている「片喰」は葉の一部が食べられたように欠けているという意味で、虫に食べられやすいことや就眠運動で葉が片方だけ閉じる様子から来ているという説があります。
葉にはシュウ酸が含まれており酸っぱく、生で大量に食べると中毒の可能性があるため注意が必要ですが、昔から解熱や利尿の目的で利用されていました。
花も晴れた日に開き、曇りや雨の日、夜間は閉じます。
花が咲いた後は細長い角のような形をしたサヤ状の果実(さく果)ができ、熟すと種子が弾け飛ぶようにして飛び散るという性質があるので、触るとパチンと音を立てて種子が勢いよく飛んでいきます。
地面を這うように広がる茎(匍匐茎)を伸ばしそこから根を出してどんどん増えていくので、弾ける種子と合わせて驚異的な繁殖力があり、根絶するのが非常に難しい雑草の一つとしても知られています。
葉の形が特徴的で美しいため古くから多くの家紋のモチーフとして使われてきました。
「片喰紋(かたばみもん)」は日本の十大紋の一つに数えられるほど有名な紋で、その強い繁殖力から家系が繁栄するという縁起の良い意味合いが込められています。
学名:Oxalis corniculata L.
分類:カタバミ科カタバミ属
開花時期:春から秋

代表のオフィスから車で数分の山にある岩(石)から美しい緑の葉が自己主張しています。
名前の由来ともなっているタバコの葉と同様に大きな葉が特徴で、画像の葉の長さは10㎝程度ですが、20〜30㎝にもなることがあります。
山地の湿った岩壁や渓谷の岩場など、湿り気のある半日陰の場所に自生します。
葉のつき方は葉が根元から直接出ているように見える根生(こんせい)で株元にまとまって生えます。
代表のオフィスの庭にはイワタバコはありませんが、育てられる日が近い気がします・・・。
学名:Conandron ramondioides Siebold et Zucc.
分類:イワタバコ科 イワタバコ属
開花時期:6〜8月

どこにでも咲いていて、誰でも知っているアジサイ。
当たり前のように代表のオフィスの庭にも咲いています。
雨との共演が梅雨の憂鬱感を晴れさせてくれます。
アジサイの特徴ですが、花のように見える部分は、実は「花びら」ではなく「装飾花(そうしょくか)」と呼ばれるガクが発達したものです。
本当の花(両性花)は装飾花の奥に小さく咲いています。
葉の付き方は茎に対生です。
葉や蕾、根など、アジサイには微量の青酸配糖体などの有毒成分が含まれており、食べると吐き気やめまいなどを引き起こす可能性があるので、注意が必要です。
また、よく知られているところでは、アジサイの多くの品種は、土壌のpH(酸性度)によって花の色が変化します。
酸性土壌では青色が強くなり、アルカリ性土壌では赤色(ピンク色)が強くなります。
散歩やドライブでアジサイを見かけたら、その土地の様相が少しわかるかもしれません。
学名:Hydrangea macrophylla
分類:アジサイ科アジサイ属
開花時期:6~7月

庭、畑、道端など外を歩いているとどこでも見かける蔓植物です。
葉が茎の同じ高さから左右対称に2枚の葉が出る対生対生で、長いハート形が特徴です。
多年草で、何年もすると茎の下の方は木質化して、藤の蔓のようになっていきます。
非常に丈夫で、一度根付くと広い範囲に広がる生命力があり、地中に根茎を伸ばして増え、茎は蔓になってあちこちに絡みつき、5mにもなります。
さらに、この絡みつき方がしっかりしているので、庭などで放っておくと花や樹木を覆い隠し、除去にとても手間がかかります。
当然のことながら、代表のオフィスの庭にも繁殖していて、除去に悪戦苦闘しています。
葉を揉んだり、茎を傷つけたりすると、ヘクソカズラ(屁糞葛)という名前の由来にもなった独特の不快な臭いを発します。
この臭いは、タマネギやニンニクの成分にも含まれる硫化メチルなどの揮発性の硫黄化合物が原因です。
学名:Paederia scandens
分類:アカネ科 ヘクソカズラ属
開花時期:7~9月

「ヒメヒマワリ」は2つの種類で使われています。
ヒマワリ属としての本来のヒメヒマワリ、
ヒマワリモドキ属としてのヒメヒマワリ。
画像の代表のオフィスの雑草の間から咲いているのは、ヒマワリモドキ属の方です。
草丈は1m〜2mで、品種によってはそれ以上になるものもあり、ヒマワリ属の小型種と比べると、かなり大きくなります。
花は、黄色で、ヒマワリと比べて、花弁(舌状花)の数が少ない傾向があり、八重咲きの品種もあります。
葉が茎の同じ高さから左右対称に2枚の葉が出る対生であることが最大の特徴で、ヒマワリ属と区別するポイントになります。
非常に丈夫な多年草でで、一度植えると毎年花を咲かせ、地下茎で増えるため繁殖力も旺盛です。
放置していても元気に育つ半面、地植えだと管理が大変!
なお、植物を観察する際に、葉のつき方に注目すると、その植物が何であるかを特定する手がかりになったり、植物の多様性や面白さをより深く感じられます
対生(たいせい):茎の同じ高さの場所(これを「節(せつ)」と呼びます)から、2枚の葉が左右対称につきます。
互生(ごせい) :茎の1つの節から1枚の葉だけがつき、次の葉は少しずれた位置につきます。
輪生(りんせい):茎の1つの節から3枚以上の葉が輪のように(放射状に)つきます。
学名:Heliopsis helianthoides
分類:キク科 ヒマワリモドキ属
開花時期:7月〜10月頃