
道端や空き地などでよく見かける日本の秋を代表する非常に身近な野草ですが、代表のオフィスの裏庭にアオジソに負けじと群生してきました。
草丈は20〜40cmほどに成長し環境が良い場所では50cmに達することもあります。
根はひげ状で地表近くに浅く広く張る性質がありそれほど強くないため手で比較的簡単に引き抜くことができます。
茎は円柱形で赤みを帯びるものが多く根元は地を這うように広がりますが、そこから立ち上がってよく枝分かれしタデ科特有の「節がふくらむ」という独特の形状をしています。
葉は茎に対して互い違いに生える互生(ごせい)で、笹の葉のような細長い披針形(ひしんけい)をしています。
表面には黒みを帯びたV字型の模様が入ることが多く茎の節にある筒状の托葉(たくよう)の縁に長い毛が生えているのも見分けるポイントです。

花は茎の先端に赤紫色(ピンク色)の小さな花を穂状に密集させて咲かせますが、実は花びらに見える部分は萼(がく)であり本来の花びらは持っていません。
花が終わると萼に包まれたまま、黒くてツヤのある小さな三角形やレンズ型の実(種子)を結びます。
刺身のツマなどに使われる辛味のあるヤナギタデに似ていますが辛味がなく食用として役に立たないという意味で「イヌ」という接頭語が付けられました。
なお、「蓼食う虫も好き好き」は、辛みのあるヤナギタデのことでイヌタデは辛くないのでこの慣用句の植物ではありません。
別名の「アカマンマ」は赤紫色の花や実を赤飯に見立てて子供たちがままごと遊びに使ったことに由来しており、古くから多くの人に親しまれています。
役に立たないという名前とは裏腹に、庭先や道端で季節の移ろいを感じさせてくれる健気な植物です。
学名:Persicaria longiseta
分類:タデ科イヌタデ属
開花時期:6〜11月

代表のオフィスの裏庭に突如群生してきました。
改修工事でフェンスを設置したので環境が変わった影響と推測します。
草丈は60〜100cmほどに成長する一年草で環境が良く花穂を摘み取り続けるとさらに大きく繁茂することもあります。
地表近くに浅く広く張るひげ根が特徴で太い根が深く伸びるタイプではないため乾燥には少し弱いという繊細な一面を持っています。
茎はシソ科特有の断面が四角形という非常にユニークな形をしており表面には細かい産毛が生え、上に向かって真っ直ぐに伸びていきます。
枝は茎の節から左右対称に2本ずつ分かれる対生(たいせい:茎に対して向かい合ってつく)で、
葉の付け根にあるわき芽から次々と新しい枝を伸ばして葉を増やし、卵円形で先端が尖り縁にはギザギザとした鋸歯(きょし)があり、裏側には腺鱗(せんりん)という香りのカプセルが隠れていて、このカプセルが触れたり刻んだりすることで潰れあの爽やかな香りを放ちます。

花は茎の先端から総状花序(そうじょうかじょ)と呼ばれる穂を伸ばし、白色やごく薄い紫色の数mm程度の小さな唇形花(しんけいか:上下に分かれた唇のような形)を下から上へ向かって多数咲かせます。
花が終わると萼(がく)の中に4粒の小さな種子を作り、この未熟な実がついた穂は穂紫蘇(ほじそ)や実紫蘇(しそのみ)と呼ばれ刺身のつまや佃煮として食卓を彩ってくれます。
日が短くなると花を咲かせる短日植物(たんじつしょくぶつ)という性質があるため、夜間に街灯の光が当たる場所では花が咲きにくくなるという面白い特徴もあります。
別名の「大葉(おおば)」は元々市場での流通名ですが、「紫蘇」の名前の由来は中国の伝説でカニの食中毒で死にかけた若者が紫色の葉で蘇った(よみがえった)ことから「紫蘇」と名付けられたことに始まります。
アオジソは赤ジソの変種ですが日本では縄文時代の遺跡から種子が見つかるほど古くから愛されてきた非常に歴史の深い植物です。
学名:Perilla frutescens var. crispa f. viridis
分類:シソ科シソ属
開花時期:8〜9月

代表の本丸の水場の近くで頭が重たそうにも力強く咲いています。
草丈は20~40cmほどで地面からスッと立ち上がりますが八重咲きの花は頭が重くなりやすいため雨風で倒れないよう支えてあげたくなる愛らしさがあります。
地中の根は鱗茎(りんけい)と呼ばれる玉ねぎのような形の球根ですが、強い毒成分が含まれているためニラなどと間違えて口にしないよう注意が必要です。
球根から直接花茎(かけい)と呼ばれる茎が伸び、中がストローのような中空状で表面は滑らかな緑色をしており枝分かれせずに先端に花を咲かせます。
葉は厚みのある細長い帯状で白っぽく粉を吹いたような緑色が美しく球根から数枚が束になって袴(はかま)を履いたような姿で立ち上がります。
一番の魅力である花は一般的な一重咲きのニホンズイセンとは異なり、花びらが幾重にも重なる華やかな見た目が大きな特徴で中心の副冠や雄しべが花びらへと変化したもので、一本の茎の先に数輪から十数輪が房状に寄り添って咲きます。
白色の花びらに中心の黄色やオレンジ色が映えるものや全体が黄色い品種もあり、非常に強く甘い芳香で楽しませてくれます。
雄しべや雌しべが花びらになっているため種ができることは稀で基本的には球根が分かれることで増えていきます。
原産地は地中海沿岸で、シルクロードを経由して平安時代末期頃には日本に渡来したと言われており、その中での突然変異や品種改良によってこの豪華な姿が生まれました。
八重咲き水仙という名前は清らかで長寿な姿を「水辺にいる仙人」に例えた中国の古典からきていて、冬から春にかけて庭を凛とした気品で彩ってくれる植物です。
学名:Narcissus tazetta var.'
分類:ヒガンバナ科スイセン属
開花時期:12~4月

代表のオフィスの庭でいつの間にか群生するような勢いで生えてきました。
草丈1〜1.5mで夏に向けて急速に成長し大人の背丈ほどになり、群生すると人が隠れてしまうほどの藪を作る草本です。
非常に生命力が強く地下茎(ちかけい)を伸ばして繁殖し一度根付くと除去するのが難しい植物で、冬になると地上部は枯れますが根は越冬し春になると再び芽を出します。
茎は直立し緑色で若い茎には短い毛があり根元は少し木質化して硬くなることがあり、靭皮(じんぴ:茎や根の表皮のすぐ内側にある組織)の部分に非常に強靭で良質な繊維を含んでいて、衣服や紙の原料として利用され古くから日本人の生活に深く関わってきました。
道端や空き地で背高く伸びているのをよく見かけ、現在は単なる雑草として見過ごされがちですがますが、実は日本の服飾文化を支えてきた重要な歴史を持った高級織物の原料になる非常に優秀な繊維植物でもあります。

葉は卵のような形の広卵形で長さは10〜15cm、縁には粗い鋸歯(きょし:ギザギザ)があり葉の裏が白く裏面に綿毛が密生していて、茎に対してて互い違いに生える互生(ごせい)です。
花は一つの株に雄花(おばな)と雌花(めばな)の両方がつく雌雄同株(しゆうどうしゅ)で、茎の上部に雌花序(めかじょ)がつき白っぽいもじゃもじゃとした糸状のものが集まり、茎の下部に雄花序(ゆうかじょ)がつき白緑色の小さな花が房状につきます。
花粉は風に乗って運ばれる風媒花(ふうばいか)です。
花が終わると倒卵形の非常に小さな実(そう果)をつけますが全体的に毛がありあまり目立ちません。
名前の由来は「カラ(殻 又は 空)」と「ムシ(蒸し)」から来ているという説が有力で、茎を蒸して皮を剥ぎ繊維を取り出す工程を指しています。
別名で「マオ(真麻)」と呼ばれますが、本物の優れた麻という意味です。
日本最古の繊維作物の一つで綿が普及する江戸時代以前は庶民の衣類(越後上布などの原料)の主要な素材であり、かつては畑で栽培されていた名残で人里周辺や河川敷で多く見られます。
学名の変種名にある「nipononivea」は「日本の雪のように白い」という意味で葉の裏が白いことに由来していると考えられます。
もしかして、化粧品のニベアは「nivea(ニベア)=雪のように白い」からきているのでは・・・。
イラクサ科ですがイラクサのように触っても痛みやかゆみが出る刺毛(トゲ)はありません。
学名:Boehmeria nivea (var. nippononivea)
分類:イラクサ科カラムシ属
開花時期:8月〜10月

代表の本丸の蔵跡周辺に品よく自生している多年生常緑草本植物です。
樹高は3~5m程度で竹の中では中型から小型の部類です。
地下茎は地中を横に這うように広がる性質があり繁殖力が旺盛で放っておくと周囲に広がっていくため注意が必要です。
最大の特徴である茎(竿)は春に出たばかりのタケノコや若竹のうちは緑色をしていますが、夏から秋にかけて徐々に黒い斑点(シミ)が現れ始め1~2年ほどかけて全体が紫がかった漆黒へと変化していきます。
この美しい黒い茎は乾燥させても色が褪せにくいため古くから建築材や家具、工芸品などの材料として重宝されてきました。
節からは2本の枝が伸び茎と同様に黒く変化して非常に風情があります。
葉は長さ6~12cmほどの細長い形状で濃い緑色をしており、黒い茎との鮮やかなコントラストが長く愛されている理由の一つで、常緑性のため冬の間もその美しい色彩を楽しむことができます。
花が咲くのは非常に稀でその周期は60~120年に一度と言われるほど珍しく、もし開花した場合は4~5月頃にイネ科特有の地味な花をつけますが開花した竹林はそのまま枯れてしまうことが多いです。
4月下旬~5月頃に顔を出す新芽(タケノコ)は少しアクがありますが食べることもできます。
中国原産で日本には古くから渡来したと言われておりそのシックな佇まいは古来より貴族や茶人に愛され、現代では和風庭園のみならずモダンな住宅の目隠しやインテリアとしても非常に人気が高い植物です。
学名:Phyllostachys nigra
分類:イネ科マダケ属
開花時期:4~5月(極めて稀)