樹高は5~10mの落葉高木ですが栽培用としては剪定により2.5~3m程度にします。
根は浅根性(せんこんせい)で比較的浅く横に広がり、水はけが良く肥沃な土壌を好みます。
幹は樹齢を重ねると樹皮が暗灰色になり縦に粗く裂けることがあります。
枝は細かく分枝して密になり新しい枝は緑色で短果枝(短い枝)に多くの実をつけます。
葉は新しい緑色の枝に互生(ごせい:互い違い)につき4~9cmほどの楕円形で、先端は急に狭くなり尖り縁には細かい鋸歯(きょし)があります。

花は直径2~3cmの一重の白い花が前年の枝に1~3個ずつまとまって、葉が出る前に咲きます。
雄しべが多く強い芳香があり、ウメの中でも花数が多く自家結実性もあるので1本でもたくさんの実をつけ花粉も多いので他のウメの受粉樹として利用されます。

実は表面にビロード状の細かい毛が密生していて直径2~3cmほどの小粒なほぼ球形の核果(果実)が6月頃に黄緑色に熟します。
小梅は核(種)が小さく果肉が厚いのが特徴で梅干しやカリカリ梅などの漬物に適しています。
ウメ全般としては極早咲き(12月~1月)から遅咲き(3月下旬)までありますが小梅品種は2月頃に咲く早咲きが多いです。
代表の本丸の梅林の小梅も点在して植樹されているので授粉用であることが推測できます。
なお、品種はわかりません。
学名:Prunus mume
分類:バラ科サクラ属
開花時期:2~3月

代表の本丸の梅畑の境目に控えめに植樹されています。
樹高は日本において2〜6m程度の落葉低木〜小高木として育ちますが原産地では15mに達することもあります。
根元から数本の幹が出て株立ち状になり枝は横にあまり広がらず箒状に直立します。
樹皮は灰白色で小さな丸い皮目が多く比較的平滑です。
葉は5〜10cm程度の円形に近いハート形で枝に互生し、花が終わるころに展開して秋には黄葉してから落葉します。

花は前年に伸びた枝の葉腋や古い枝、幹に直接密に咲きます(幹生花)。
花色は紅紫色が一般的で白花を咲かせる品種(シロバナハナズオウ)もあります。
花の形はマメ科特有の長さが1〜2cmほどの蝶形花で、葉が出る前に前年の枝の節や幹から直接小花が束になって密に咲くため木全体が紅紫色に染まったように見えます。
花柄が短く枝にへばりつくように見えるのが特徴的です。

実(豆果)は花の後に長さ5〜8cmの房状に垂れ下がったキヌサヤのような平たい莢形の豆果(マメ科の果実)ができ、始めは緑色ですが秋から冬にかけて褐黒色に熟します。

豆果の中には光沢のある濃褐色の種子が5〜8粒入っています。
暑さ寒さにも強く直立して生長するので枝が広がらないことから、手入れが簡単で比較的狭いスペースでも育てることができ、庭木の他、公園などにもよく植栽されています。
名前の由来は花の色が古くから染料として使われるマメ科のスオウ(蘇芳)の心材からとれる美しい紅色(蘇芳色)に似ていることから名付けられました。
学名:Cercis chinensis
分類:マメ科ハナズオウ属
開花時期:4~5月

代表の本丸の梅林の一角に大木があります。
種類はわかりません。
耐寒性が強く耐暑性もあり日当たりが良く、水はけの良い場所を好み、日本各地に広く分布・自生しています。
樹高は15m~20m程度まで成長し庭木として管理する場合は芯抜き・芯止め剪定で樹高を抑えます。
根は土壌への適応性が高く地表近くに広がることもあれば、深部に太い根を伸ばすこともできる柔軟性があり菌根菌と共生しやせた土地の土壌環境を改善する能力があると言われています。
樹皮は淡い黒褐色で分厚く老木になると縦に深く長い裂け目が入ります。
葉は長さ6cm~15cmの細長い長楕円形で縁には鋭い鋸歯(きょし:トゲ状のぎざぎざ)があり、表面には光沢があり裏面は色が薄くなっています。
花は雌雄同株・雌雄異花で雄花はブラシのような形の花序のクリームがかった白色で長く垂れ下がり目立ち、雌花は雄花の付け根の花序の基部に小さくて目立たない緑色の花を2~3個つけます。
雄花は独特の青臭い匂いを放ちハエやハナバチなどの昆虫を呼び寄せます(虫媒花)。

↑ 成長途中の実
自家不和合性で原則として自分の花粉では結実できない性質(ヘテロダイコガミー)を持つため、安定して実を収穫するには別の品種の栗の木を近くに植える必要があります。
実は雌花を包んでいる緑色の総苞が成長し鋭いとげに覆われたイガ(毬)となり秋にその中に堅果(栗の実)が成熟します。

↑ 栗拾いを愉しみました
秋の味覚の代表格であり古くから日本で親しまれてきた種実で栄養価が高く、縄文時代の遺跡からも出土しているほど歴史の古い食物です。
全体的に赤っぽい茶褐色で硬くて重く湿気に強く腐りにくいという優れた耐久性の材質の良さから古くから家の土台や柱、家具やフローリング材の他、明治時代には鉄道の枕木としても利用されました。
学名:Castanea crenata
分類:ブナ科クリ属
開花時期:5~7月

代表の本丸に何本も植樹されている梅の一品種。
枝が横方向や斜め下に広がるように成長する性質がある開帳型(かいちょうがた)で果樹として育てやすく収穫しやすい樹形です。
樹木としての勢い(成長力)が強く大きく育つ傾向の樹勢であり、放任すると大木になるため果実の品質や管理のために剪定が必要です。

一重咲きの大きな白い花を咲かせ観賞用としても美しくとても良い香りがします。
原種は中国が原産ですが白加賀は日本で栽培された品種です。
梅の中で最も有名な南高梅は主に和歌山県で作られているのに対し白加賀は関東を中心に広く栽培され、南高梅に次ぐ生産量です。
白加賀(シラカガ・シロカガ)という名前は品種の発見や育成に深く関わる加賀国(現在の石川県)に由来し、江戸時代に加賀藩の御用商人であった「宮崎屋」が現在の福井県から持ち帰った梅の苗木を加賀の地で栽培したのが始まりとされています。
花が白く実も大きくて品質が良かったため「加賀の白い梅」として「白加賀」と名付けられたと言われています。
白加賀は花粉が非常に少ないため一本だけ植えてもほとんど実をつけないので南高梅や鶯宿(おうしゅく)、梅郷(ばいごう)などの花粉が多い異なる品種の梅の木を近くに植える必要があります。

実は大粒で果肉が厚く種が小さいのが特徴で、梅干しや梅酒作りに広く使われています。
植え付けの適期は落葉期の12月から3月で、日当たりが良く風通しの良い場所が適しています。
剪定は花が終わった後の2月下旬から3月が適期で、不要な枝を切って全体に日が当たるようにします。
短果枝(短い結果枝)に実がつく習性があるため、短果枝が多くつくように「間引き剪定」や「切り返し剪定」を冬期に行います。
樹勢が強いので夏期にも徒長枝(とちょうし:勢いよく上へ伸びる枝)を間引くことが推奨されます。
寿命が長い樹木なので剪定しながら長期間にわたり花や実で愉しめます。
<白加賀と南高梅の特徴>
白加賀(東日本):肉質がしっかりしていて皮が厚めで梅酒・梅シロップに強い風味が出る。梅干しは昔ながらの歯ごたえがある食感となる。
南高梅(西日本):皮が薄く果肉がやわらかで種が小さく果肉歩合が高い。主に完熟させてやわらかい梅干しに加工される。
学名:Prunus mume
分類:バラ科サクラ属
開花時期:2~3月
代表の本丸の梅林の中で異彩を放つ美しい高木。

3月には白い花を咲かせ樹高が5~10mになり大きく育つとシンボルツリーとして存在感を発揮します。
自然に広卵形になる樹形ですが大木になるため広いスペースが必要で、樹皮は灰白色の平滑で老木になってもあまり裂け目はでてきません。
葉は花が散った後に芽吹いて展開(花が先、葉は後)し、倒卵形から楕円状卵形で大きく葉の裏には軟毛が多く、秋には紅葉して落葉します。

純白で直径10~15cmほどの大輪の花を咲かせ、花弁(正確には花被片)は肉厚で9枚あるように見え開花しても完全に開ききらずつぼみのような形で上向きに咲き、枝いっぱいに咲き誇る様子は圧巻です。
花が咲いている間は周囲にレモンやライムのような甘く上品な香りを漂わせます。
同じモクレン科のコブシとよく似ていますが、ハクモクレンは花が大輪で花が上を向いて咲き花びらが完全に開きませんが、コブシはガクの根元に葉が出るのとほぼ同時に開花(花と葉が同時)するという特徴があります。
春先の樹木が閑散としているころドライブなどしているとハクモクレンかコブシなのか楽しみながら運転できます。
学名:Magnolia denudata
分類:モクレン科モクレン属
開花時期:3月下旬~4月上旬