
代表の本丸に何本も植樹されている梅の一品種。
枝が横方向や斜め下に広がるように成長する性質がある開帳型(かいちょうがた)で果樹として育てやすく収穫しやすい樹形です。
樹木としての勢い(成長力)が強く大きく育つ傾向の樹勢であり、放任すると大木になるため果実の品質や管理のために剪定が必要です。

一重咲きの大きな白い花を咲かせ観賞用としても美しくとても良い香りがします。
原種は中国が原産ですが白加賀は日本で栽培された品種です。
梅の中で最も有名な南高梅は主に和歌山県で作られているのに対し白加賀は関東を中心に広く栽培され、南高梅に次ぐ生産量です。
白加賀(シラカガ・シロカガ)という名前は品種の発見や育成に深く関わる加賀国(現在の石川県)に由来し、江戸時代に加賀藩の御用商人であった「宮崎屋」が現在の福井県から持ち帰った梅の苗木を加賀の地で栽培したのが始まりとされています。
花が白く実も大きくて品質が良かったため「加賀の白い梅」として「白加賀」と名付けられたと言われています。
白加賀は花粉が非常に少ないため一本だけ植えてもほとんど実をつけないので南高梅や鶯宿(おうしゅく)、梅郷(ばいごう)などの花粉が多い異なる品種の梅の木を近くに植える必要があります。

実は大粒で果肉が厚く種が小さいのが特徴で、梅干しや梅酒作りに広く使われています。
植え付けの適期は落葉期の12月から3月で、日当たりが良く風通しの良い場所が適しています。
剪定は花が終わった後の2月下旬から3月が適期で、不要な枝を切って全体に日が当たるようにします。
短果枝(短い結果枝)に実がつく習性があるため、短果枝が多くつくように「間引き剪定」や「切り返し剪定」を冬期に行います。
樹勢が強いので夏期にも徒長枝(とちょうし:勢いよく上へ伸びる枝)を間引くことが推奨されます。
寿命が長い樹木なので剪定しながら長期間にわたり花や実で愉しめます。
<白加賀と南高梅の特徴>
白加賀(東日本):肉質がしっかりしていて皮が厚めで梅酒・梅シロップに強い風味が出る。梅干しは昔ながらの歯ごたえがある食感となる。
南高梅(西日本):皮が薄く果肉がやわらかで種が小さく果肉歩合が高い。主に完熟させてやわらかい梅干しに加工される。
学名:Prunus mume
分類:バラ科サクラ属
開花時期:2~3月
代表の本丸の梅林の中で異彩を放つ美しい高木。

3月には白い花を咲かせ樹高が5~10mになり大きく育つとシンボルツリーとして存在感を発揮します。
自然に広卵形になる樹形ですが大木になるため広いスペースが必要で、樹皮は灰白色の平滑で老木になってもあまり裂け目はでてきません。
葉は花が散った後に芽吹いて展開(花が先、葉は後)し、倒卵形から楕円状卵形で大きく葉の裏には軟毛が多く、秋には紅葉して落葉します。

純白で直径10~15cmほどの大輪の花を咲かせ、花弁(正確には花被片)は肉厚で9枚あるように見え開花しても完全に開ききらずつぼみのような形で上向きに咲き、枝いっぱいに咲き誇る様子は圧巻です。
花が咲いている間は周囲にレモンやライムのような甘く上品な香りを漂わせます。
同じモクレン科のコブシとよく似ていますが、ハクモクレンは花が大輪で花が上を向いて咲き花びらが完全に開きませんが、コブシはガクの根元に葉が出るのとほぼ同時に開花(花と葉が同時)するという特徴があります。
春先の樹木が閑散としているころドライブなどしているとハクモクレンかコブシなのか楽しみながら運転できます。
学名:Magnolia denudata
分類:モクレン科モクレン属
開花時期:3月下旬~4月上旬

春先に大きな紫色の花を咲かせることで知られる中国原産の落葉低木で樹高は3~5mほどです。
代表の本丸の庭ではしなやかな姿で我々を迎えてくれます。
一般に「モクレン」という場合、このシモクレンを指すことが多いです。

花は外側が濃い赤紫色(紅紫色)で、内側が淡い紫色または白色の大型で上品な花を咲かせ、やや筒状の鐘形で上向きに半開し、多少の芳香があります。
花被片(花びらと萼の総称)は9枚あり、外側に小さいものが3枚、内側に花弁状のものが6枚あります。
葉が展開する少し前、または同時に開花し、同じモクレン属のハクモクレン(白木蓮)よりも開花時期はやや遅めです。
主幹がなく根元から多数の小幹が増える「株立ち」になることが多いです。
葉は互生し、倒卵形または卵状楕円形で、長さは8〜20cmほどで、葉の縁が波打つのが特徴の一つです。
果実は袋果が集まった集合果で、10月頃に褐色に熟します。
元々は観賞用ではなく漢方のために植えられ、開花前の2~3月頃につぼみを採取して日干ししたものを辛夷(しんい)という生薬で蓄膿症や頭痛に効能があります。
欧米ではツバキ、ツツジとともに三大花木とされており、世界でもポピュラーな花木の一つです。
また、地球上で最古の花木といわれており、1億年以上も前の恐竜時代の白亜紀の地層からモクレンの仲間の化石が発掘されています。
学名:Magnolia liliiflora
分類:モクレン科モクレン属
開花時期:4~5月

代表の本丸の敷地の隅にある樹高がやや大きめの柿の木。
釣鐘のような形をした大きな品種で一般的なもので300g〜400g、大きいものだと500g以上になることもあります。
渋柿の一種でそのまま生で食べることはできませんが、青果用は渋を抜いてから市場へ出荷されます。
不完全渋柿なので、干し柿にすると糖度が高くなりこってりとした味わいになります。
実は10月下旬から11月にかけて収穫されます。
名前の「百目」とは「百匁(ひゃくもんめ)」からついたといわれ、その通り100匁(375g)ほどの重さがあり、大きいものでは500gほどにもなります。
百目柿は各地で古くから栽培されてきた歴史があるため、地域によって様々な名前で呼ばれていますが、これらは品種的には同じ「甲州百目」になります。
岐阜県美濃加茂市蜂屋町などの蜂屋柿(はちやがき)、干し柿の「堂上蜂屋柿」の原料としても知られます。
ヘタを下にして置いた形が富士山に似ていることから愛媛県などで呼ばれている富士柿(ふじがき)。
関西地方(奈良、京都など)での名称の江戸柿(えどがき)。
関西地方(特に京都の市場)で渋抜き処理をされたものの代白柿(だいしろがき)。
学名:Diospyros kaki
分類:カキノキ科カキノキ属
開花時期:5~6月

樹高は1~2mほどになり大きな手のひらのような葉が美しいシルエットの常緑低木で日陰でもよく育ち晩秋に花を咲かせます。

葉は光沢のある濃い緑色で直径30cmにもなり通常は7〜9裂に深く切れ込んでいて、この葉の形が天狗の羽団扇に似ていることから別名「テングノハウチワ」とも呼ばれます。
花は白い小さな粒が集まって球状になり房状に他の植物が少ない晩秋の11月から12月に咲き庭に華やかさを添えてくれるのでとても重宝されます。
花の後には黒い小さな実をつけ冬の庭のアクセントとなり野鳥の餌にもなります。
非常に丈夫で日陰や半日陰でも元気に育ち耐寒性も高いためとても育てやすい植物ですが、葉や茎にはサポニンという成分が含まれ、人間やペット(特に犬や猫)が大量に摂取すると軽い中毒症状を引き起こす可能性があります。
名前のヤツデ(八手)の由来は、葉の切れ込みが手のように深く切れ込みが本来は八つあるわけではありませんが「八つ」に分かれて見え、「八」が「数が多い」ことや日本で縁起の良い数字とされる「末広がり」の縁起の良い数字であることからのようです。

日陰にも強く半日陰や日陰の庭でも元気に育ち病害虫にも強く手間のかからないなんとも優秀な植物です。
代表の本丸の敷地入口と玄関脇には旺盛に広がっております。
学名:Fatsia japonica
分類:ウコギ科ヤツデ属
開花時期:11~12月