
日本のどの家庭の庭にもあるのではないかと思われるほどよく見かける樹木。
当然のように代表のオフィスのメインの生垣としても植栽されています。
日本に自生する落葉低木で庭木として非常に人気があり、春の花、夏の葉、秋の紅葉と、一年を通して美しい姿を楽ませてくれます。
樹高は1〜2mほどで枝が密に茂り樹形が整いやすいのが特徴ですが、代表からはしばらく放置の指示が。
なぜ放置するのかお聞きすると、このドウダンツツジの様子を観察することと自然樹形にするためとのこと。
このドウダンツツジは生垣として毎年剪定されていましたので、横に少し伸びて縦に伸びるという本来の枝ぶりではありません。
横にのびた徒長枝が道路側に伸びて近所迷惑になったこともあったとかなかったとか・・・。
当然、不自然となる形を代表は嫌います。
最終的には、樹高2mくらいまで伸ばして自然樹形になればその形を保つとのこと。
半信半疑のまま放置し自然樹形になることを愉しみに待ちます。

枝から垂れ下がるようにスズランに似た白いつぼ型の小さな花をたくさん咲かせます。
よく観ると、5枚の花びらがくっ付いて先端が外側に丸まり蜜を吸いに来た小さな虫たちの足掛かりになっていて、したたかな生き残り戦術も美しい姿です。
葉は小さく楕円形で夏は鮮やかな緑色で涼しげな印象を与えます。
秋になると鮮やかな赤色に紅葉し、特に日当たりの良い場所では見事な赤色となり庭を彩る主役となります。

↑ 11月下旬
名前の由来ですが、漢字で「灯台躑躅(ドウダンツツジ)」と書きます。
昔の照明の一つである3本の棒を組んで作られた「結び灯台」は先端が枝分かれしており、そこに油皿を載せ油で灯りをともしていました。
ドウダンツツジの枝がこの灯台の脚のように分岐する様子から名前が付けられました。
読み方は「トウダイ」が訛って「ドウダン」になったと考えられています。
学名:Enkianthus perulatus
分類:ツツジ科ドウダンツツジ属
開花時期:4〜5月

樹高が2〜6mほどになる常緑広葉樹で、庭木や生垣としてよく利用され刈り込みにも強い樹木です。

葉は濃い緑色で光沢のある革質の葉をつけ縁には細かい鋸歯があり、ツバキよりやや小さめで若枝や葉の主脈に短い毛が生えているのが特徴です。


花は、白、ピンク、赤、複色など多彩で、一重咲き、八重咲き、半八重咲きなど様々な花形があります。
花弁が1枚ずつばらばらに散るのが大きな特徴で、ツバキが花ごと首から落ちるのとは対照的で、見分ける際のポイントとなることはよく知られています。
童謡「たきび」の歌詞にも登場するように、晩秋から冬にかけて花を咲かせる冬の代表的な花木として広く親しまれている日本固有の植物で、ツバキにはない、ほのかな香りを持つ品種が多いです。
種子からは椿油と同様に油が採取され、食用や髪油などに用いられます。
サザンカは古くから園芸品種が多数作出されており、大きく3つの群(サザンカ群・カンツバキ群・ハルサザンカ群)に分けられます。
「サザンカ群」は、野生のサザンカに近い性質を持ち、秋から初冬に一重または半八重の花を咲かせます。
「カンツバキ群」は、サザンカとツバキの交配種とされ、冬に八重咲きの花を咲かせることが多いです。
「ハルサザンカ群」は、冬の終わりから春にかけて開花する系統です。
代表のオフィスの庭のものはどの群なのか分析が必要です。
名前は「さんざか(山茶花)」と呼ばれていましたが、音位転換により「サザンカ」という読み方が定着しました。
あれ?山の茶?お茶と関係があるようです。
サザンカはチャノキと同じツバキ科に属し、葉が中国から伝わったお茶の木(チャノキ)の葉と非常によく似ていたため、チャノキが山に自生している様子を「山茶」と表現し、それに花が咲くことから「山茶花」という漢字が当てられたようです。
学名:Camellia sasanqua
分類:ツバキ科ツバキ属
開花時期:10~12月

常緑針葉樹の高木で地植えでは高さ20mほどにもなり幹は一本立ちし、潮風に強いので防風林としても植えられます。
葉は細長く幅広で平たい形をしていて光沢があり一年中緑を保ちます。
若い枝は比較的柔らかく刈り込みに強いため庭木や生垣としてよく利用されます。
雌雄異株で、雄株は5〜6月頃に葉の付け根に黄色っぽい雄花を咲かせ、雌株は花の後10月頃にユニークな形の実をつけます。

代表のオフィスの庭に植樹されていたのは雄株のようです。
花托(かたく)である茎の部分が赤く肥大して多肉質になり、その先端に白い粉を吹いたような緑色の種子がつきます。
花托は甘く食べることができますが、先端の緑色の部分は毒性があるため食べられません。
耐湿性や耐蟻性に優れているため建築材として重宝され、沖縄では首里城にも使われるなど主要な建材の一つでした。
漢字で「犬槙(イヌマキ)」と書きますが、動物の犬と直接的な関係はありません。
本来、「マキ(真木)」というと特定の樹種を指すのではなく、良材となる木や優れた木の総称で「真」は「すぐれた」という意味の接頭語です。
イヌマキは、スギやヒノキ、コウヤマキなどの優秀な「真木」と比べて劣るという意味で「犬(イヌ)」という接頭語がつけられました。
植物学においては本来の種よりも劣るあるいは似て非なるものを意味する接頭語として「イヌ」がよく使われます。
なお、コウヤマキ(高野槙)はコウヤマキ科でイヌマキとは科が異なる別の種類の木です。
学名:Podocarpus macrophyllus
分類:マキ科マキ属
開花時期:5~6月

代表のオフィスの敷地の角にひっそりと植樹されています。
排水の良い酸性土壌と半日陰で最も育つ常緑低木で、高さは1~3mほどですが原産地の北アメリカ東部では10mにもなります。
長楕円形の濃い緑色で光沢のある革質の葉は、シャクナゲなどに似ていることからアメリカシャクナゲという別名ももっています。
蕾は金平糖のような五角形の蕾を付け、蕾が開くと直径2cmほどの浅いお椀のような形で開花します。
花色は白や淡いピンクが一般的で、花弁の内側には濃い色の模様が入ることが多いのが特徴です。
花弁の内側には雄しべの先端の葯(やく)が収まるくぼみがあり、昆虫が触れるとこの雄しべがバネのように飛び出して花粉を付着させるユニークな仕組みを持っています。
学名:Kalmia latifolia
分類:ツツジ科カルミア属
開花時期:5~6月

痛ぇ!!
他の植物とともに代表と剪定しようと枝を持ったところ、トゲを掴んでしまいました。
非常に成長が早く丈夫な樹木で成熟すると10〜25mにもなる高木です。
樹皮は若木の間は滑らかですが、成長すると縦に深く裂け目が入った暗褐色になり、葉は互生する奇数羽状複葉(きすううじょうふくよう)で、小さな卵形の小葉が多数集まって一枚の葉を形成し色は鮮やかな緑色です。
枝の付け根に托葉(たくよう)が変化した鋭いトゲが対になって生えるのが特徴です。

↑ これで1枚の葉
ニセアカシアの最大の魅力は、初夏に咲く甘い香りのする白い蝶形の花で、フジの花を小さくしたような形をして垂れ下がる房状(総状花序)に多数咲きます。
ミツバチにとって重要な蜜源植物であり「アカシアの蜂蜜」として流通しているものの多くはこのニセアカシアの蜜です。
知らなかった・・・。
土壌を選ばず荒れ地や痩せた土地で過酷な環境にも適応できる強靭な性質を持っています。
マメ科の植物で根粒菌と共生し空気中の窒素を土壌に固定する窒素固定能力があり、土壌を肥沃にするので砂漠の緑化などにも利用されています。
実は樹皮、葉、種子にはロビンと呼ばれる有毒成分が含まれ、人や家畜が摂取すると吐き気、嘔吐、腹痛などの症状を引き起こす可能性があります。
ただ、花には毒性がなく、天ぷらなど食用にされることもあります。
アカシアの蜂蜜の元はなぜ「ニセアカシア」なのか、「アカシア」は何なのか疑問です。
「アカシア」と「ニセアカシア」は、どちらもマメ科の植物ですが、実は全く異なる属に分類される別種の植物です。
日本でアカシアと呼ばれて親しまれているもののほとんどは実はニセアカシアで、植物学的には北米原産のハリエンジュ属の植物で別名「ハリエンジュ」とも呼ばれます。
一方、本来のアカシアはオーストラリア原産のアカシア属で「ミモザ」や「ハナアカシア」と呼ばれます。
ニセアカシアは日本に輸入された当初アカシアと呼ばれていて、その後、本来のアカシアが輸入され区別するためにニセアカシアと呼ばれるようになった! というややこしい理由があったようです。
※羽状複葉(うじょうふくよう):植物の葉の形態の一つで、葉軸(ようじく)の左右に小葉が鳥の羽のように並んでいるものを指します。葉軸の先端に小葉があるものを奇数羽状複葉、先端に小葉がないものを偶数羽状複葉と呼びます。
※托葉(たくよう):葉柄の付け根や茎の節の部分にできる葉状の付属物
学名:Robinia pseudoacacia L.
分類:マメ科ハリエンジュ属
開花時期:5月下旬~6月