2026年3月 1日 09:00
代表のオフィスの庭でいつの間にか群生するような勢いで生えてきました。
草丈1〜1.5mで夏に向けて急速に成長し大人の背丈ほどになり、群生すると人が隠れてしまうほどの藪を作る草本です。
非常に生命力が強く地下茎(ちかけい)を伸ばして繁殖し一度根付くと除去するのが難しい植物で、冬になると地上部は枯れますが根は越冬し春になると再び芽を出します。
茎は直立し緑色で若い茎には短い毛があり根元は少し木質化して硬くなることがあり、靭皮(じんぴ:茎や根の表皮のすぐ内側にある組織)の部分に非常に強靭で良質な繊維を含んでいて、衣服や紙の原料として利用され古くから日本人の生活に深く関わってきました。
道端や空き地で背高く伸びているのをよく見かけ、現在は単なる雑草として見過ごされがちですがますが、実は日本の服飾文化を支えてきた重要な歴史を持った高級織物の原料になる非常に優秀な繊維植物でもあります。
葉は卵のような形の広卵形で長さは10〜15cm、縁には粗い鋸歯(きょし:ギザギザ)があり葉の裏が白く裏面に綿毛が密生していて、茎に対してて互い違いに生える互生(ごせい)です。
花は一つの株に雄花(おばな)と雌花(めばな)の両方がつく雌雄同株(しゆうどうしゅ)で、茎の上部に雌花序(めかじょ)がつき白っぽいもじゃもじゃとした糸状のものが集まり、茎の下部に雄花序(ゆうかじょ)がつき白緑色の小さな花が房状につきます。
花粉は風に乗って運ばれる風媒花(ふうばいか)です。
花が終わると倒卵形の非常に小さな実(そう果)をつけますが全体的に毛がありあまり目立ちません。
名前の由来は「カラ(殻 又は 空)」と「ムシ(蒸し)」から来ているという説が有力で、茎を蒸して皮を剥ぎ繊維を取り出す工程を指しています。
別名で「マオ(真麻)」と呼ばれますが、本物の優れた麻という意味です。
日本最古の繊維作物の一つで綿が普及する江戸時代以前は庶民の衣類(越後上布などの原料)の主要な素材であり、かつては畑で栽培されていた名残で人里周辺や河川敷で多く見られます。
学名の変種名にある「nipononivea」は「日本の雪のように白い」という意味で葉の裏が白いことに由来していると考えられます。
もしかして、化粧品のニベアは「nivea(ニベア)=雪のように白い」からきているのでは・・・。
イラクサ科ですがイラクサのように触っても痛みやかゆみが出る刺毛(トゲ)はありません。
学名:Boehmeria nivea (var. nippononivea)
分類:イラクサ科カラムシ属
開花時期:8月〜10月