
代表の石垣の隙間から顔を出しています。
日本全国の石垣や井戸端、庭の隅などでごく普通に見られる非常に丈夫で半日陰の庭の下草(したくさ)として重宝されます。
石垣の隙間や鉢植えの根元などに勝手に生えてくることも多いのですが涼しげな見た目からあえて残して楽しまれることも多いシダ植物です。
草丈は30〜50cm程度でシダの中では中・小型で、根には短く這う根茎(こんけい)があり、複数の葉が束になって生えます。
葉を支える葉柄(ようへい)は細く硬い質感で色はわら色から緑色で、葉は直接根元から伸び翼(よく)があるのが最大の特徴です。
中心の軸に緑色のヒレのような部分があり隣の葉とつながっているように見え、形が異なり役割の違う栄養葉(えいようよう)と胞子葉(ほうしよう)の2つの葉を使い分けています。
栄養葉は光合成を主に行う葉で背が低く葉の幅がやや広くて柔らかい印象で、胞子葉は胞子をつけて子孫を残すための葉で栄養葉よりも背が高くひょろりと伸び葉の幅が極端に狭くなっています。
夏から秋にかけて葉の裏に胞子がつき、胞子嚢群(ほうしのうぐん)は葉の縁が裏側に少し巻き込んでおりその中に胞子が入った袋(胞子嚢)が並んでいます。
水道が普及する前の暮らしにおいて井戸の周りの湿った場所にこのシダがよく生えていたことから親しみを込めて「井の許(いのもと)に生える草」と名付けられました。
学名:Pteris multifida
分類:イノモトソウ科イノモトソウ属

代表のオフィスの庭の石にぴょこぴょこ自生しています。
樹木や岩、古い家屋の屋根などに着生している常緑性のシダ植物で葉の長さが10~30cmほどに成長します。
根は土の中深くへ張らず樹皮や岩肌にしっかりとしがみつくための細く丈夫なものを無数に出します。
地上を直立するような茎や幹は持たず着生面を這うように伸びる根茎(こんけい)を持っていて、やや太い針金状で表面は褐色の細かい鱗片(りんぺん)でびっしりと覆われています。
枝分かれはせず這っている根茎から1枚ずつ独立して葉を伸ばすという少し変わった構造をしています。
葉は細長い柳の葉のような形で幅は5~15mmほどあり厚みのある革質で乾燥に非常に強い性質です。
水分が不足すると葉を裏側に丸めてじっと「耐え忍ぶ」のですが、この姿が名前の由来の一つにもなっています。
葉の裏面の上半分に丸い胞子嚢群(ほうしのうぐん)という胞子の集まりが主脈を挟んで2列に並んで付き、夏から秋にかけて活発に胞子を飛ばして繁殖します。
古い家屋の軒(のき)下によく生えていることや、厳しい環境に耐える性質、あるいはシダの古称である「シノブ」にちなんで付けられました。
雨が降ると生き生きと葉を広げ乾燥すると丸まるという天候による変化を観察できるのがこの植物の面白いところです。
学名:Lepisorus thunbergianus
分類:ウラボシ科ノキシノブ属

代表のオフィスの石の間からすっすっと顔を出しています。
草丈は20~60cmほどで日本全国の林縁や少し湿った場所で見ることができる馴染み深いシダ植物で、地下には短く這う根茎(こんけい)があり、黒褐色の細い根を多数出して土に定着しています。
地上に立ち上がって茎のように見える部分は葉の一部である葉柄(ようへい)であり赤紫色や暗紫色を帯びる美しい色彩が特徴です。
葉は2回羽状複葉(にかいうじょうふくよう)という鳥の羽のように細かく切れ込んだ繊細な形をしており質感はとても柔らかです。
緑色の葉の主脈付近に白緑色の斑(ふ)が入り赤紫色の葉柄とのコントラストが実に見事で海外では「Japanese painted fern」と呼ばれシェードガーデンを彩る園芸植物として高く評価されています。
シダ植物の仲間ですので花は咲きませんが、代わりに胞子(ほうし)によって繁殖するという独自の生態を持っています。
葉の裏側を覗くと三日月形や鉤(かぎ)形をした胞子嚢群(ほうしのうぐん)が多数ついており次世代への命を育みます。
名前は春の味覚であるワラビに姿が似ているものの食用には向かないため「似て非なるもの」を意味するイヌ(犬)という言葉を冠して付けられました。
冬の間は地上の葉が枯れて休眠する夏緑性の植物ですが、春に再び美しい新芽を出し爽やかな季節の訪れを感じさせてくれます。
学名:Athyrium niponicum
分類:メシダ科メシダ属
開花時期:胞子の飛散は7~9月

代表のオフィスの庭に前住民の方が植樹されたと思われます。
樹高は通常2~8m程度の常緑小高木ですが環境が合えば10m近くにまで成長することもあります。
根は地中深く伸びる直根性で細い側根があまり発達しないため成木になってからの移植は比較的難しいというデリケートな一面を持っています。
若い茎は緑色で表面も滑らかですが、成長して木質化するにつれて灰褐色へと変化していきます。
樹皮は若いうちは滑らかですが老木になるにつれて縦に浅い裂け目が入ったりイボ状の皮目が目立ったりするようになります。
枝は上部でよく分かれて葉を茂らせますが傷つけると特有の芳香がある透明な樹液が出て、人によってはかぶれることがあるので注意が必要です。
カクレミノの最大の魅力は木の年齢や環境によって葉の形がダイナミックに変わることで、若木や日陰の枝には3~5つに深く裂けたユニークな葉がつきますが、老木や日当たりの良い枝には切れ込みのない卵形の葉がつきます。
一本の木の中に異なる形の葉が混在している様子はとても不思議で観察のしがいがあります。
夏には枝先に小さな花が数十個集まり直径2~3mmほどの淡い黄緑色の花を咲かせますが、花自体は小さく控えめで秋から冬にかけて実る直径7~8mmほどの球形の実が緑色から艶やかな黒紫色へと熟していく過程は季節の移ろいを感じさせてくれます。
若木に見られる深く裂けた葉の形が昔の雨具である「蓑(みの)」に似ていることから名付けられました。
特に天狗や鬼が着ると姿を消せるという伝説の宝物「隠れ蓑」に見立てられたという幻想的な背景があります。
学名:Dendropanaxtrifidus(Makino)MakinoexHonda
分類:ウコギ科カクレミノ属
開花時期:6~8月

代表の本丸の庭のあちこちにピョコピョコ顔を出しています。
草丈は10~30cmほどで、葉の間から花茎(かけい)と呼ばれる多肉質で円柱状の茎をまっすぐに伸ばし、この花茎には葉がつかず群生させると青い絨毯のような美しさがより一層際立ちます。
地中には薄皮に包まれた卵型の球根(鱗茎)があり、そこからひげ状の根を力強く伸ばし自然に分球していく繁殖力が非常に強い植物です。
葉は細長い線状で少し厚みのある多肉質で内側に浅い溝が入る独特の形をし、多くの品種は秋に球根から芽を出し厳しい冬の寒さをじっと堪え春まで青々と茂り続けてくれます。

一番の魅力である花は茎の先端に数ミリほどの小さな壺型や釣鐘型の花を密集させて咲かせます。
下から上に向かって咲き進んでいく様子は、まさにブドウの房を逆さまにしたようで眺めているだけで心が和みます。
花の色は深みのある青紫色が代表的ですが、最近では白や水色、ピンク、さらには黄色といった多彩な品種も楽しめるようになっているようです。
先端は実を結ばない不稔性(ふねんせい)の花であることもこの植物の面白い生態のひとつです。
花が終わると受粉した場所に蒴果(さくか)という緑色の丸い膨らみができ、初夏には中から黒くて丸い小さな種が現れます。
地中海沿岸から西アジアを原産とする耐寒性の強い秋植え球根植物で、毎年春に再会できる庭の頼もしいパートナーといえます。
現在の園芸品種は香りが控えめなものが主流ですが、元々は特定の原種が放つ香料のムスクに似た強い甘い香りからギリシャ語でムスク(麝香)を意味する「moschos」にちなんで名付けられました。
さらに、このユニークな姿から「ブドウヒアシンス」という可愛らしい別名でも親しまれています。
学名:Muscari
分類:キジカクシ科ムスカリ属
開花時期:3~5月