
石の陰に小さく可憐に咲く花、その名も
大犬の陰嚢(オオイヌノフグリ)
・・・・・・
大きい犬の睾丸!?
なぜ、そんな名前を・・・。
しかも小さいのに、なぜオオイヌ?
名前の由来は、調べてみるとなかなか面白い。
明治初期に渡来したヨーロッパ原産の帰化植物で、もともと日本に自生していた「イヌノフグリ」という植物に似ていて、それよりも大きいことから「大」が付き、果実の形が犬の陰嚢(フグリ)に似ていることから「フグリ」が付けられました。
草丈は10~30cmほどで、茎は地面を這うように広がり先端が立ち上がりますが、横に広がる性質が強いため密集して生えることもあります。
葉は卵形から円形で、縁には不揃いの鋸歯(きょし)があり、表面にはまばらに粗い毛が生えていて、下の1~2対が対生し、それより上は互生します。
花はコバルトブルーで小さく、花冠は直径約1cmで深く4裂していて下のほうが短い筒の形をし、花弁が4枚あるように見えますが基部はつながっています。
花弁には濃い青色の筋が入っていて中心部は白っぽいことが多く、花の中心には雌しべが1本、雄しべが2本あります。
花が終わるとやや扁平で幅の広いハート形の果実ができ、この実が犬の陰嚢に似ていることが名前の由来とされています。
果実の中には8~15個の小さな種子が入っていて熟すと弾けて種子を散布します。
日当たりの良い湿った場所を好みますが、非常に丈夫で耐寒性や乾燥にも比較的強く、種子だけでなく茎が地面を這って根を張ることでも増え、在来種のイヌノフグリを駆逐する勢いで広がっています。
外来種であるこのオオイヌノフグリに影響され、日本の在来種の「イヌフグリ」は数を大幅に減らし、絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。
オオイヌノフグリは、現在では日本全国の道端、畑の畦道、公園など全国いたる所で普通に見られる野草で、他の植物がまだよく伸びていないころに花を咲かせるので見つけるのはやさしく誰でも目にしたことがあると思います。
風の冷たい早春の日だまりに小さなコバルト色の花をたくさん咲かせ、太陽の光に反応して開き、日が暮れるとしぼむ「一日花」ですが、次々と新しい花が咲き続けます。
この小さく青い花が、まるで星のように見えることから『星の瞳』という美しい別名も持っています。
代表のオフィスの庭を観察していると勉強になります。
学名:Veronica persica
オオバコ科クワガタソウ属
開花時期:2~5月

代表のオフィスの敷地の角にひっそりと植樹されています。
排水の良い酸性土壌と半日陰で最も育つ常緑低木で、高さは1~3mほどですが原産地の北アメリカ東部では10mにもなります。
長楕円形の濃い緑色で光沢のある革質の葉は、シャクナゲなどに似ていることからアメリカシャクナゲという別名ももっています。
蕾は金平糖のような五角形の蕾を付け、蕾が開くと直径2cmほどの浅いお椀のような形で開花します。
花色は白や淡いピンクが一般的で、花弁の内側には濃い色の模様が入ることが多いのが特徴です。
花弁の内側には雄しべの先端の葯(やく)が収まるくぼみがあり、昆虫が触れるとこの雄しべがバネのように飛び出して花粉を付着させるユニークな仕組みを持っています。
学名:Kalmia latifolia
分類:ツツジ科カルミア属
開花時期:5~6月

痛ぇ!!
他の植物とともに代表と剪定しようと枝を持ったところ、トゲを掴んでしまいました。
非常に成長が早く丈夫な樹木で成熟すると10〜25mにもなる高木です。
樹皮は若木の間は滑らかですが、成長すると縦に深く裂け目が入った暗褐色になり、葉は互生する奇数羽状複葉(きすううじょうふくよう)で、小さな卵形の小葉が多数集まって一枚の葉を形成し色は鮮やかな緑色です。
枝の付け根に托葉(たくよう)が変化した鋭いトゲが対になって生えるのが特徴です。

↑ これで1枚の葉
ニセアカシアの最大の魅力は、初夏に咲く甘い香りのする白い蝶形の花で、フジの花を小さくしたような形をして垂れ下がる房状(総状花序)に多数咲きます。
ミツバチにとって重要な蜜源植物であり「アカシアの蜂蜜」として流通しているものの多くはこのニセアカシアの蜜です。
知らなかった・・・。
土壌を選ばず荒れ地や痩せた土地で過酷な環境にも適応できる強靭な性質を持っています。
マメ科の植物で根粒菌と共生し空気中の窒素を土壌に固定する窒素固定能力があり、土壌を肥沃にするので砂漠の緑化などにも利用されています。
実は樹皮、葉、種子にはロビンと呼ばれる有毒成分が含まれ、人や家畜が摂取すると吐き気、嘔吐、腹痛などの症状を引き起こす可能性があります。
ただ、花には毒性がなく、天ぷらなど食用にされることもあります。
アカシアの蜂蜜の元はなぜ「ニセアカシア」なのか、「アカシア」は何なのか疑問です。
「アカシア」と「ニセアカシア」は、どちらもマメ科の植物ですが、実は全く異なる属に分類される別種の植物です。
日本でアカシアと呼ばれて親しまれているもののほとんどは実はニセアカシアで、植物学的には北米原産のハリエンジュ属の植物で別名「ハリエンジュ」とも呼ばれます。
一方、本来のアカシアはオーストラリア原産のアカシア属で「ミモザ」や「ハナアカシア」と呼ばれます。
ニセアカシアは日本に輸入された当初アカシアと呼ばれていて、その後、本来のアカシアが輸入され区別するためにニセアカシアと呼ばれるようになった! というややこしい理由があったようです。
※羽状複葉(うじょうふくよう):植物の葉の形態の一つで、葉軸(ようじく)の左右に小葉が鳥の羽のように並んでいるものを指します。葉軸の先端に小葉があるものを奇数羽状複葉、先端に小葉がないものを偶数羽状複葉と呼びます。
※托葉(たくよう):葉柄の付け根や茎の節の部分にできる葉状の付属物
学名:Robinia pseudoacacia L.
分類:マメ科ハリエンジュ属
開花時期:5月下旬~6月

代表のオフィスの庭にも所々みられる常緑性多年草で日本でもおなじみの植物です。
一年を通して美しい緑を保ち、非常に丈夫で育てやすいのが特徴です。
草丈は通常10〜30cm程度と低く地下茎を伸ばして子株を作ります。
葉は細長く線形または狭披針形(きょうしんけい)で、濃い緑色で光沢があり一年中その色を保ち、株元から多数出て放射状に広がります。
花は葉の間から短い花茎を伸ばし、あまり目立ちませんがよく見ると可憐な姿で淡い紫色や白色の小さな花を数個咲かせます。
実は直径5mmほどの瑠璃色の美しい球形で冬の間も長く枝に残るので庭や鉢植えのアクセントとして観賞されます。。
地面を覆い密に生い茂ることで雑草の抑制効果も期待できるためグランドカバーとして、また、花壇や通路の縁取り石の周りなどに植える境裁(きょうさい)として景観を引き締めるなど広く利用されています。
品種によっては、葉に白い斑が入る「斑入りジャノヒゲ」などもあります。
「蛇の髭(ジャノヒゲ)」はその名の通り細長い葉が蛇の髭のように見えることから名付けられました。
ところで、蛇に髭はあった?
別名で「竜の髭(リュウノヒゲ)」や「山菅(ヤマスゲ)」とも呼ばれるようで、空想上の生物ですが竜に髭があるので言葉が統合して蛇の髭になったのでは・・・。
なお、山菅はヤブランの古名であり、形が似ているため混同して呼ばれていると思われます。
学名:Ophiopogon japonicus
分類:キジカクシ科ジャノヒゲ属
開花時期:6~8月

代表のオフィスの庭のアクセントのシダレモミジ。
樹高は比較的小さく自然に広がるように育つ品種が多く、枝が地面に向かって優雅に垂れ下がる「枝垂れ(しだれ)」の樹形の独特なフォルムが、庭に優雅さや趣を与えています。

葉は一般的なモミジと同様に手のひら状に深く切れ込んでいますが、「レースリーフ」や「チリメン葉」と呼ばれる糸のように細かく裂けた葉を持つ品種が多く繊細な美しさがあります。
葉は季節ごとに色が変化し、
春の新芽が芽吹く頃には、鮮やかな赤、オレンジ、黄緑など品種によってカラフルに色合い、
夏は落ち着いた緑色になりますが、中には夏も赤紫色を保つベニシダレなどの品種もあり、葉が密に茂り涼しげな日陰を作り、
秋は燃えるような真紅、鮮やかなオレンジ、黄金色など、息をのむような美しい紅葉がモミジの真骨頂となり、
冬の葉が落ちた後も、枝垂れる枝の骨格は美しく、庭のアクセントと、
四季折々の葉色の変化から様々な表情を見せてくれます。
優雅な樹形と表情豊かなシダレモミジは、シンボルツリーとして存在感を発揮したり、コンパクトに仕立てて鉢植えや盆栽としても楽しまれたりする魅力的な樹木です。
学名:Acer palmatum
分類:ムクロジ科カエデ属