
代表の本丸の庭のあちこちに群生して悩ましい雑草です。
草丈は30〜70cmほどに成長するヨーロッパ原産のイネ科の一年草で、秋に芽生えて冬を越し春から初夏に勢いよく伸びますが、梅雨の頃には種を残して株全体が茶色く枯れて倒れ伏すという、一風変わったライフサイクルを持っています。
根はひげ根で地表近くに放射状に広がるため引き抜くのが比較的容易なので管理はしやすいですが、数が非常に多い。
細い円柱状の茎が根元から次々と分かれる「分けつ」という働きによって多数の茎が束のように集まって群生します。
葉は長さ5〜15cm、幅はわずか1〜3mmほどと非常に細長く、内側に巻き込んだり折れ曲がったりする繊細な造形が特徴です。
茎の先端に10〜30cmほどの細長い穂を出し穂軸に沿って密集した花々が一方に流れるような独特のシルエットを描き出します。
種子の先端には1〜2cmほどの芒(のぎ)という長い針状の突起がありこれが衣服や動物に付着して運ばれることで、巧妙に次世代へと命を繋いでいきます。
黄金色に枯れて地面を覆い尽くす姿は季節の終わりを告げる情緒に溢れ自然の営みをダイレクトに感じさせてくれる植物です。
長く伸びた穂が一方に偏ってつき先端が弓なりに反り返って垂れ下がる姿を武具の薙刀(なぎなた)の刃に見立てたことに由来します。
学名:Vulpia myuros
分類:イネ科ナギナタガヤ属
開花時期:5〜6月

代表の本丸の庭の中心で力強く繁茂しています。
樹高は1〜3mほどに成長する落葉低木で、環境が良いと5mに達することもある古くから日本の山野に自生する馴染み深い植物です。
地表近くに根を張る浅根性のため水はけの悪い場所だけでなく、極端な乾燥も苦手とするややデリケートな性質を持っています。
樹皮は灰褐色で若木は滑らかですが成長とともにイボ状の突起や縦のひび割れが現れ、味わい深い質感へと変化していきます。
枝には葉の付け根に鋭いトゲが2本ずつ向かい合ってつく対生が大きな特徴ですが、トゲが退化した「朝倉山椒」などの扱いやすい品種も存在します。
葉は小さな葉が5〜19枚ほど羽のように並ぶ「奇数羽状複葉」で、光に透かすと「油点」という精油の細胞が点々と見え、ここからサンショウ特有の爽やかな芳香を放ちます。
花びらのない小さな黄緑色の花を多数咲かせますが、雄の木と雌の木が別々の「雌雄異株」という性質があるため、実の収穫を楽しむには雌株を育てる必要があります。
夏には料理に彩りを添える青い実を、秋には熟して赤褐色になった実をつけ、中から現れる光沢ある黒い種子と果皮はピリリと痺れる辛みと芳醇な香りを楽しませてくれます。
「芽出しから実まで余すところなく活用できる」と言われる通り、その香りと力強い枝ぶりで庭木としても魅力たっぷりな日本の食卓と庭を彩る名脇役といえる存在です。
山に多く自生し辛みや香りのある実をつけることが名前の由来で、古くは「ハジカミ」と呼ばれ実が弾ける様子やその辛みにちなんだ名で親しまれてきました。
学名:Zanthoxylum piperitum
分類:ミカン科サンショウ属
開花時期:4〜5月

代表の本丸の中央で好き勝手に枝を伸ばしています。
樹高は1〜3mほどで生長が比較的緩やかですが、地表近くに細い根を多く張り地際や根から蘖(ひこばえ)と呼ばれる新芽を勢いよく出す非常に強い生命力を持っています。
一本の太い主幹が立つというより根元から複数の細い幹が立ち並ぶ株立ち(かぶだち)という樹形になりやすく、黒みを帯びた樹皮は成長すると滑らかに剥がれることがあります。
枝はよく分かれて低く広がるように伸びますが、短い枝の先が変化した鋭く硬い刺(とげ)を持つのが大きな特徴です。
葉は長さ5〜10cmほどの長楕円形で枝に互い違いに付く互生(ごせい)となり、表面には硬い光沢が縁には細かく鋭いギザギザの鋸歯(きょし)が見られます。
春には短い枝の脇に丸みを帯びた5弁の花を数個まとめて咲かせ、赤や白、ピンク、あるいは一木に紅白が混ざる「咲き分け」など、その彩りは実に多彩です。
花が終わると直径3〜8cmほどの果実をつけ秋に黄色く熟すと素晴らしい香りを放ちますが、果肉は非常に硬く酸味も強いため果実酒やジャムなどの加工用として楽しまれます。
種小名の speciosa(スペキオーサ)が「美しい」を意味する通り華やかな花と芳醇な実、そして自らを彩るような鋭いトゲを併せ持つ、非常に個性豊かでタフな植物です。
中国原産で平安時代に日本へ渡来し、果実が瓜(うり)に似ていることから木に実る瓜(木瓜:もけ)と呼ばれ、それが転訛して「ボケ」という名になりました。
学名:Chaenomeles speciosa
分類:バラ科ボケ属
開花時期:3〜5月

代表の本丸の中心にしっかり根づいています。
樹高は通常3~6mほどで生育環境が良いと10mに達することもある常緑の小高木です。
根は浅根性(さんこんせい)といって、細い根が地表に近い部分へ広く横に張る特徴があります。
幹は灰褐色の樹皮にひし形の皮目(ひもく:空気を取り入れる穴)が多数ありざらざらとした質感です。
若い茎は緑色をしていますが、成長するにつれて木質化し灰褐色へと変化していきます。
基部からよく枝分かれして密に茂り芽吹く力が強いため刈り込みによって好みの樹形に仕立てやすいのが魅力です。
葉は長さ5~12cmの長楕円形で茎に対して2枚が向かい合ってつく対生(たいせい)で並びます。
表面に光沢がある革質で縁は基本的に滑らかで若い葉にはわずかに鋸歯(きょし:ギザギザ)が見られることもあります。
花は直径4~5mmの小さな十字型で鮮やかな橙黄色の花が葉の付け根に密集して咲き誇ります。
「日本の三大香木」の一つに数えられるほど非常に強く甘い香りを放ちますが花の寿命は3~7日程度と短いのが特徴です。
実は日本国内で見かける株にはつきません。
これは江戸時代に中国から渡来した際に挿し木で増やしやすい「雄株」のみが持ち込まれたためで、雌株が存在する原産地では暗紫色の実をつけます。
樹皮の質感が動物の「犀(サイ)」の皮膚に似ていることから「木犀」とされ、そこに金色の花の色を冠して「金木犀(きんもくせい)」と名付けられました。
気温が高いと開花が遅れる傾向がありますが、その年の気候によっては秋に2度開花することもあり、何度も香りを楽しめるチャンスがあるのも嬉しいです。
学名:Osmanthus fragrans var. aurantiacus
分類:モクセイ科モクセイ属
開花時期:9月~10月

代表のオフィスの庭に前住民の方が植樹されたと思われます。
樹高は通常2~8m程度の常緑小高木ですが環境が合えば10m近くにまで成長することもあります。
根は地中深く伸びる直根性で細い側根があまり発達しないため成木になってからの移植は比較的難しいというデリケートな一面を持っています。
若い茎は緑色で表面も滑らかですが、成長して木質化するにつれて灰褐色へと変化していきます。
樹皮は若いうちは滑らかですが老木になるにつれて縦に浅い裂け目が入ったりイボ状の皮目が目立ったりするようになります。
枝は上部でよく分かれて葉を茂らせますが傷つけると特有の芳香がある透明な樹液が出て、人によってはかぶれることがあるので注意が必要です。
カクレミノの最大の魅力は木の年齢や環境によって葉の形がダイナミックに変わることで、若木や日陰の枝には3~5つに深く裂けたユニークな葉がつきますが、老木や日当たりの良い枝には切れ込みのない卵形の葉がつきます。
一本の木の中に異なる形の葉が混在している様子はとても不思議で観察のしがいがあります。
夏には枝先に小さな花が数十個集まり直径2~3mmほどの淡い黄緑色の花を咲かせますが、花自体は小さく控えめで秋から冬にかけて実る直径7~8mmほどの球形の実が緑色から艶やかな黒紫色へと熟していく過程は季節の移ろいを感じさせてくれます。
若木に見られる深く裂けた葉の形が昔の雨具である「蓑(みの)」に似ていることから名付けられました。
特に天狗や鬼が着ると姿を消せるという伝説の宝物「隠れ蓑」に見立てられたという幻想的な背景があります。
学名:Dendropanaxtrifidus(Makino)MakinoexHonda
分類:ウコギ科カクレミノ属
開花時期:6~8月