
春先に大きな紫色の花を咲かせることで知られる中国原産の落葉低木で樹高は3~5mほどです。
代表の本丸の庭ではしなやかな姿で我々を迎えてくれます。
一般に「モクレン」という場合、このシモクレンを指すことが多いです。

花は外側が濃い赤紫色(紅紫色)で、内側が淡い紫色または白色の大型で上品な花を咲かせ、やや筒状の鐘形で上向きに半開し、多少の芳香があります。
花被片(花びらと萼の総称)は9枚あり、外側に小さいものが3枚、内側に花弁状のものが6枚あります。
葉が展開する少し前、または同時に開花し、同じモクレン属のハクモクレン(白木蓮)よりも開花時期はやや遅めです。
主幹がなく根元から多数の小幹が増える「株立ち」になることが多いです。
葉は互生し、倒卵形または卵状楕円形で、長さは8〜20cmほどで、葉の縁が波打つのが特徴の一つです。
果実は袋果が集まった集合果で、10月頃に褐色に熟します。
元々は観賞用ではなく漢方のために植えられ、開花前の2~3月頃につぼみを採取して日干ししたものを辛夷(しんい)という生薬で蓄膿症や頭痛に効能があります。
欧米ではツバキ、ツツジとともに三大花木とされており、世界でもポピュラーな花木の一つです。
また、地球上で最古の花木といわれており、1億年以上も前の恐竜時代の白亜紀の地層からモクレンの仲間の化石が発掘されています。
学名:Magnolia liliiflora
分類:モクレン科モクレン属
開花時期:4~5月

代表の本丸の敷地の隅にある樹高がやや大きめの柿の木。
釣鐘のような形をした大きな品種で一般的なもので300g〜400g、大きいものだと500g以上になることもあります。
渋柿の一種でそのまま生で食べることはできませんが、青果用は渋を抜いてから市場へ出荷されます。
不完全渋柿なので、干し柿にすると糖度が高くなりこってりとした味わいになります。
実は10月下旬から11月にかけて収穫されます。
名前の「百目」とは「百匁(ひゃくもんめ)」からついたといわれ、その通り100匁(375g)ほどの重さがあり、大きいものでは500gほどにもなります。
百目柿は各地で古くから栽培されてきた歴史があるため、地域によって様々な名前で呼ばれていますが、これらは品種的には同じ「甲州百目」になります。
岐阜県美濃加茂市蜂屋町などの蜂屋柿(はちやがき)、干し柿の「堂上蜂屋柿」の原料としても知られます。
ヘタを下にして置いた形が富士山に似ていることから愛媛県などで呼ばれている富士柿(ふじがき)。
関西地方(奈良、京都など)での名称の江戸柿(えどがき)。
関西地方(特に京都の市場)で渋抜き処理をされたものの代白柿(だいしろがき)。
学名:Diospyros kaki
分類:カキノキ科カキノキ属
開花時期:5~6月

樹高は1~2mほどになり大きな手のひらのような葉が美しいシルエットの常緑低木で日陰でもよく育ち晩秋に花を咲かせます。

葉は光沢のある濃い緑色で直径30cmにもなり通常は7〜9裂に深く切れ込んでいて、この葉の形が天狗の羽団扇に似ていることから別名「テングノハウチワ」とも呼ばれます。
花は白い小さな粒が集まって球状になり房状に他の植物が少ない晩秋の11月から12月に咲き庭に華やかさを添えてくれるのでとても重宝されます。
花の後には黒い小さな実をつけ冬の庭のアクセントとなり野鳥の餌にもなります。
非常に丈夫で日陰や半日陰でも元気に育ち耐寒性も高いためとても育てやすい植物ですが、葉や茎にはサポニンという成分が含まれ、人間やペット(特に犬や猫)が大量に摂取すると軽い中毒症状を引き起こす可能性があります。
名前のヤツデ(八手)の由来は、葉の切れ込みが手のように深く切れ込みが本来は八つあるわけではありませんが「八つ」に分かれて見え、「八」が「数が多い」ことや日本で縁起の良い数字とされる「末広がり」の縁起の良い数字であることからのようです。

日陰にも強く半日陰や日陰の庭でも元気に育ち病害虫にも強く手間のかからないなんとも優秀な植物です。
代表の本丸の敷地入口と玄関脇には旺盛に広がっております。
学名:Fatsia japonica
分類:ウコギ科ヤツデ属
開花時期:11~12月

樹高は5〜10mほどになり幹の樹皮は不規則に剥がれ、独特のまだら模様(鹿の子模様)になるのが大きな特徴です。
葉は楕円形で縁に細かい鋸歯があり秋には美しく紅葉します。

4月から5月にかけて直径3cmほどの淡いピンク色の花を咲かせ葉とほぼ同時に開花します。

実は楕円形または球形で10月から11月に黄色く熟し、強い芳香を放ち部屋に置いておくだけでも楽しめます。
この実は生のままでは非常に硬く渋くて食べられませんが、のどの炎症を鎮める効果があるとされるかりん酒やシロップ、ジャムなどに加工されます。
比較的丈夫で育てやすいので無農薬で栽培できます。
カリンによく似た植物に「マルメロ」があり、見分けるポイントは果皮の綿毛(うぶ毛)の有無です。
カリンは基本的に楕円形で表面がツルツルで毛が生えていませんが、マルメロは西洋梨のように少しゴツゴツして果皮に短いうぶ毛が生えています。
代表が購入した本丸の敷地には立派になった木がありますが、昨年の実がたくさん落ちていて手入れが行き届いておりません。
これから徐々に手を入れていきます。
学名:Pseudocydonia sinensis
分類:バラ科カリン属
開花時期:4~5月

樹高は2~4mほどになり、葉は互生で先端が3つに浅く裂けることが多く縁には粗い鋸歯があります。

暑さで人や植物が元気のなくなる季節に涼やかで大きな花を次々にたくさんつける貴重な存在で、色は白、ピンク、紫、赤、青など多彩で、形も一重咲きや八重咲きなど様々です。
一日でしぼんでしまう一日花ですが、新しい花が毎日咲き続けるため、長期間にわたって愉しむことができます。
南国を思わせる花ですが耐寒性が非常に強く北海道でも地植えにすることができるほどで、非常に丈夫で刈り込みにも耐えることから街路樹としても利用されます。
実は花の後にできる蒴果(さくか)で卵形や球形、熟す前は緑色で晩秋から冬にかけて茶色く乾燥し硬くなります。
熟すと先端が5つに割れて星のような形になり、中には平たくて小さな種子が多数入っていてそれぞれに毛や翼(よく)が生えているので風に乗って遠くまで運ばれる仕組みになっています。
漢字では「木槿」と書きます。
ムクゲの名の由来は、中国名の「木槿(ムージン)」の音読みから「モクキン」に変化した節や、韓国名の無窮花(ムキュウカ・ムグンファ・ムキュウゲ)が変化した節など諸説あります。
韓国では国の繁栄を意味する花として国花になっています。
栄華のはかなさに掛けたことわざで「槿花一日の栄(きんかいちじつのえい)」や「槿花一朝の夢(きんかいっちょうのゆめ)」といったムクゲの花が一日でしぼんでしまう刹那的な言葉もあります。
同じアオイ科フヨウ属のフヨウと見た目がとても似ていますが、一番簡単な見分け方は葉の形にあります。
ムクゲの葉は小さめで形は鋸歯で切れ込みが入っていて深緑、フヨウは大きな葉で手のひらのような形で明るい緑色をしています。
樹形は、ムクゲが直線的で垂直に立ち上がるので硬質な雰囲気、フヨウが放射状に広がるように伸びるので柔らかな雰囲気があります。
代表の本丸の玄関脇にあるムクゲは改修時に障害となりそうなので、少なくとも相当な剪定が必要になりそうです。
学名:Hibiscus syriacus
分類:アオイ科フヨウ属
開花時期:7~10月