レジェンド・オブ・シングルモルトの生みの親~ディアジオ社(旧UD社)・花と動物シリーズ
2024年2月 9日 11:00
スコッチウイスキーファンにとってバーなどで何かと話題に上がるUD社(ユナイテッド・ディステラリーズ=現ディアジオ社)の「花と動物シリーズ」ですが、現在では継続的にリリースしている11銘柄意外は手に入らない幻のスコッチとしてあまりにも有名です。
当時UD社はハイランドやスペイサイドを中心に多くの蒸留所を手中に収めていた最大規模を誇るウイスキーメーカーですが、そのほとんどの蒸留所はブレンデッド用に作られるウイスキーでありオフィシャルシングルモルトとしては販売していませんでした。
そこで、それぞれの蒸留所で作られたシングルモルトを世界中の人に届けようとシリーズ化し、これがスコッチファンの心をくすぐるには充分で大当たりをしたのです。
「花と動物シリーズ」は1991年に22種、2001年に4種と全26種類発売されましたが、現在でも11種だけは継続的に毎年リリースされており入手可能ですので是非とも特徴的な各蒸留所の味を楽しんでほしいと思います。
1991年発売の「花と動物シリーズ」は以下になります。
・アバフェルディ15年
・インチガワー14年 ○
・オルトモア12年
・カリラ15年
・クライゲラキ14年
・クライヌリッシュ14年
・グレンダラン12年
・グレンロッシー10年 ○
・スぺイバーン12年
・ダフタウン15年
・ダルユーイン16年 ○
・ティーニニック10年 ○
・バルメナック12年
・ピティヴァイク12年(1993年に操業停止)
・ブラッドノック10年
・ブレアアソール12年 ○
・ベンリネス15年 ○
・マノックモア12年 ○
・モートラック16年
・リンクウッド12年 ○
・ロイヤルブラックラ10年
・ローズバンク12年(1993年に操業停止)
また、2001年発売の「花と動物シリーズ」は以下になります。
・オスロスク10年 ○
・ストラスミル12年 ○
・グレンエルギン12年
・グレンスぺイ12年 ○
※銘柄の最後にある○印は現在でもリリースが継続されている銘柄で通常購入が可能です、ただしリリース年度により価格が大幅に異なるので最近リリースしたリーズナブルなものを購入することをお勧めします、目安として9,000円前後ならほぼ最近のリリース年度だと思いますのでお買い得です。
尚、「花と動物シリーズ」はその名のとおりで各蒸留所にちなんだ花か動物がラベルに描かれており、ずらっと並べると何とも言えない雰囲気があります。
当時私はショットバーの経営に参画しており、この「花と動物シリーズ」全種を並べる為に壁に穴を開けて専用のラックを作ってもらったほどです。
尚、リリースが終了した銘柄や閉鎖した蒸留所のものもプレミアムリカーショップやオークションなどでも手に入りますので、元気のある人は是非全26種をコレクションしてみるのは如何でしょうか。
私は閉鎖蒸留所銘柄や昔親しんでいた銘柄を探しては購入しています、価格は最低でも当時の10倍以上ですが、何とか無理の無い範囲で入手できて最も元気だった頃に親しんだ味を再度堪能できるのであれば幸福なことだと考えています。
ちなみに閉鎖蒸留所のローズバンクとピティヴァイクはプレミアムリカーショップで現在20万円以上です、オークションだと10万円以下で落とせるとは思いますが保存状態は保障されません。
現存のリリースが継続している銘柄もいつ終了するか解りません、終了と同時に一気に値上がりしてしまいますので、買える時に買って飲んでおくことをお薦めします、ボトルが空になっても記憶の中に味と香りはしっかりと生き続けます。
閉鎖蒸留所のローズバンクの幻のローズバンク12年
閉鎖蒸留所のピティヴァイクのピティヴァイク12年