ビジネスで最も多い争い事が「言った、言わない」の応酬です、もっとも「私はそんなことは言っていない」と言う人の多くは多分言っています、ただ名分として「そういう意味で言ったのではない」と言いたいのだと思います、こうしたトラブルを回避する方法はたった一つしかありません、それは必ず議事録を書き相手にメールなどで都度確認することです。
議事録の内容に相違あれば「こう修正してくれ」という内容が文章で残ります、要はどんなやり取りでも必ず文章(メールでも可)で残すことです、将来の為のエビデンス(証拠)はビジネスにおいて最も重要な書類となります。
メールを嫌がり電話でしか要点を話さない人は要注意人物です、これは法的にもメールはエビデンスとなる事を知っている可能性があり、あえて文章で残さないという行為とみなすことができます、実際に在ったことですがトラブルが起きた際に「その議事録、本物なの?」という人がいました、これはもう何も言えません、こういう会社はお付き合いを考え直した方が良いかもしれません。
例え一時的な損失が出たとしてもこういう会社を相手にしていたら将来もっと大きな損失や後に引けないトラブルになる可能性が大きいです、自分の言ったことに責任を持てない人と何をどのようにやっても上手くいくことはありません。
ビジネストラブルは財務・信用・社員モチベーションの低下や経営者の精神的苦痛など企業のありとあらゆるリソースにダメージを与えます、一旦トラブルが発生したらスピーディなる決断と適正なる処置が重要であり、少なくてもズルズルと長引かせるのは得策ではありません。
経営者によっては「時間が解決してくれる」と言う人もいます、しかしそれはプライベートには通用してもビジネスでは通用しません、ビジネスは現実的なものです、そういう考えの人は経営者には不向きだと言わざるを得ません、トラブルを先送りしている間に無駄なお金と時間が浪費してしまい、更には信用という企業にとって最も重要な要素にも傷が付く可能性があるからです。
幾ら考えても手を尽くしても先が全く見えないときがあります、自分が何をやっているのかも何をすべきかもお先真っ暗で頭も回転しなくなります、そんなときは原点復帰して、もう一度一番最初に起きた事をよく考えてみることです、ところで何故問題解決を行っているのに状況はどんどん別の方向に離れていくのでしょうか。
それは時が経ち双方が議論している間に周囲の状況が当所から大きく変化していくからです、その変化した中で目先の部分的な問題解決のことしか考えなくなってきているからなのです、相手の執拗な要求もあるでしょう、それらを必死に相手している間に本当のトラブルの原因が見えなくなっているのです、したがって本来の正常なる解決策も見えなくなってしまうのです。
そんなときは一旦白紙に戻して原点に立ち返り素直に自分に問いかけてみましょう、相手が納品を拒んだとか支払い拒否したなどの原因がはっきりと見えてくるはずです、見えたらそれだけを解決することです、システムの瑕疵や部品の欠損ならまずは正常に戻すことです、そして相手に納得してもらうのです。
それから今までの展開の修復をすれば良いのです、相手だってやっとこちらの損失を認めてくれたと理解を示すことになります、人間というもの状況が変化するとその状況が新たな情報として置換して考えてしまうようです、トラブル修復の要点とは決して本質を見失わないことです、そして常に原点に立ち返り冷静に原因を見極めることです。
他社訪問などでの「適切な面会時間はどのくらいだろう?」と考えたことは有りませんか、統計を取ったわけではないのですが訪問や来社で大体1時間程度というのが常識的になっているような気がします、しかし成功を意識している事業家にとっては大変無駄な慣習ではないかと思うのです。
私の場合は会議の内容で時間的目処を自分の中に決めています、もっとも話しが込んでくると途中で中座もできません、従ってスケジューリングはある程度余裕を持って組みます、プレゼンテーション(デモ、Q&A込み)で1時間、技術的な打ち合わせや商談は30分、法律相談や税務相談では15分です。
短いように思われるかもしれませんが充分すぎるくらいの話しができます、加えて茶飲み話や景気の話しなど本来のビジネス以外の話もしっかりできます、どんな内容であろうが1時間までなどと予め決めてしまうと時間が余った場合はつまらない会話や余計な会話をするはめになります、これでは本来の重要なビジネスの決め事がぼやけてしまうのです。
訪問客で凄く気になるのが本題の話は終わって「じゃ、よろしくお願いします」となっているにも関わらず時計を見ながら別の関係ない話をしだして都合1時間ほど粘って帰る人もいます、本音を言うと「こちらも忙しいんだから自分の都合や暇な時間に付きあわせないでほしい」です、必要な用件が終わったらパッと切り上げる、これが次の有益なビジネスに繋がるのです。
業績不振など現状打開策を協議する目的により営業会議や役員会などを開催する場合に留意すべきポイントがあります、それは「平時と有事の時では有効な方法が異なる」ということを経営者は理解しなければなりません。
私はオブザバーとして業績改善を目的とした会議に呼ばれることがあります、ある企業の会議で意味が全く解らないまま終了してしまったことがあります、当然社員も幹部もどっと疲れきった顔でした、その会議とは3時間にも及ぶ社長の「精神論」だったのです、本来会議の目的は業績回復というテーマのはずでした、ところが自分の成功したときの話し営業とはこういう気持ちでやるものだなど聞いているだけで疲れてしまいました。
「精神論」は全然否定はしません、ただし業績回復とか企業の緊急的状況で話しをしても逆効果です、「精神論」は新人教育や決起大会などでの挨拶程度に留めるべきです、スポーツ業界でも「根性」だの「気合」ではなく医学的に基づいた筋力トレーニングなど個人に合った具体的練習方法を実践し、陸上であれば100分の1秒という単位で凌ぎを削っているのです。
有事の時の経営に必要なのは「具体的な数値目標と行動計画」、更にその前に事業計画や方針を全社員に公表することなのです、そこには一切の精神論は不要です、大切な企業の働き手である社員に不必要な精神的負担を強いるのは今の時代は遇の骨頂と言うしかありません。
シェアハウス・シェアオフィス・シェアカー」と、これまで多くのシェアビジネスが誕生してきました、面白いところでは「シェアおじさん」という時代を反映したビジネスも派生しました、この「シェアおじさん」とは社会的信用力の低い人や外国人が家を借りるときなどに付添い人という形で様々な交渉事を行ってくれる人を派遣するビジネスです。
当初の目論みとは異なり実際の依頼は恋愛トラブルや住環境トラブル解消などの交渉事に利用されているようです、ただシェアビジネスは近年では閉塞感が出てきています、中国発祥の各種シェアビジネス会社は次々と破綻に追い込まれています、更には強引な融資での「シェアハウス」破産者も急増しており世の中からシェアビジネスは消え去ろうとしています。
しかし近年は新たなシェアビジネスが台頭してきています、その仕掛け人は時代を反映してか何とIT企業なのです、以前からあるレンタルサーバービジネスやクラウドサーバービジネスも一つの高性能サーバーのシェアビジネスの一つです、これが近年では1CPU毎の契約ではなく利用量に応じた契約に切り替わりつつあり大手企業もコストが嵩む独自サーバーから順次切り替えています。
また新たなプラットフォームとして今後期待されているのが「ブロックチェーン」などの新技術分野のシェアビジネスです、ブロックチェーンシステムを構築するのは多大なコストと運用コストが掛かります、これを1つのブロックチェーンを複数の企業でシェアすれば1社辺りの導入・運用コストは10%程度に落とすことが可能となります。
このように今後はIT分野の多くのサービスがシェア化されてくると読んでいます、温故知新よろしく古き文化を新たな分野に応用する事もまた成功するビジネス思考というものです。