企業や団体という人の集合体には有り得ないような各種の不可解な現象が存在しています、ここで業務がスムーズで目標もどんどん達成できているチームがあるとしましょう、ところが他のチームでは利益や業績がどんどん悪化し下降しているという事実が同時に起こることがあります。
多店舗展開している居酒屋やドラッグストアなどのチェーン店では立地条件と業績とは無関係に店舗単位でこういう事が多々起きるものです、これが「部分最良の全体最悪」という現象で特別珍しい事ではありません。
一つのチームだけを見ると上手くいっているが他のチームとの連携が上手くいかず組織全体で見れば足を引っ張りあっている状態なのです、人とは自分が関る極近い周囲しか見えないものです、組織全体を見て判断できる人は組織運営には不可欠でありその立場に成りえるのは経営者しかいません、経営者の視野が狭いなら組織全体の善し悪しを的確に判断することはできません。
良好なる組織運営には経営者の視野の広い思考が不可欠です、経営者の優劣で組織全体の強さが決まってしまうほどです、組織運営は規模が小さい時には経営者の視野が狭くても問題ないのですが大きくなるにつれチームの連携が極めて重要なポイントになってきます。
そこでチームリーダーに登用するのは組織全体の利益を考えられる人に限ります、自分の利益優先で思考する人は全体最悪という結果を齎すようになります、経営者と同じ方向を見ることができ視野が広く器の大きな人材をどれ程チームリーダーとして抱えることができるか、それが組織運営の根幹事項なのです。
一念発起で起業する人は今の時代には珍しくありません、しかしせっかく時間もお金も使って大いなる志を持って起業しても数年で廃業していく人もまた後を絶たないのも事実です、何故こんなにも現代の起業は上手くいかないのでしょうか、そこには当初の描いていた理想の世界と現実との埋めようもない大きなギャップがあるように思います。
それに気がついた人は立て直しの余地も充分にあるのですが、ほとんどが失意の中で廃業していくのも現実です、ここ数年で起業する人の多くは時代を反映してホームページやポータルサイトを立てます、そしてSNSを使ってアナウンスします、ここで多くの起業家はこの行為自体で「上手くいく」と勘違いしてしまいます、ここに大きな落とし穴があるのです。
ホームページやポータルサイトを立てたところで誰も見に来てはくれません、つまり見に来てくれる手法を駆使して効果的な告知をしなければ意味が無いのです、これはネットの世界はリアルの世界と全く変わらないことを意味しています、リアルな店舗を作り看板を上げても何もせずに座っているだけでお客さんが来てくれるでしょうか?
ネットでも同じことなのです、ホームページを立てることは名刺やパンフレットを作成したのと何も変わらないのです、リアルでのビジネスが上手くいく人はネットでも上手くいきます、そもそもビジネスとは誰を相手にしているのかを考えてみると解ります、ビジネスの相手はどの業種でも人間です。
そこには人間関係を上手く構築できなければならないのです、むしろ不特定多数を相手にするネットの方がはるかに難しいと言えます、リアルで上手く人間関係を構築できない人が更に不特定多数を相手にした複雑で面倒なネット上で上手くいくわけがないのです、Webを使った集客は確かに知り合うきっかけにはなりますが、その後はリアルでの関係構築が全てを決めます、これに気付きだした人は地に足を着けたリアルでの口コミ集客を重視するようになるのです。
そろそろWeb集客の限界を知るべき時代が来たのではないでしょうか、ズバリこれからの時代はみんながやっているWebマーケティング手法は通用しません、不特定多数の面倒な人間関係、会ったこともないが故のトラブル続出、そのストレスや無意味な時間とお金、これらがリアルでのビジネスの足を引っ張っていることに早期に気付くべきなのです。
株などの投資の世界では買いのタイミングはそれほど重要ではありません、投資でしっかり利益を出している人は売りのタイミングが絶妙と言えます、上がりきる前の買いがまだ続いている間に売り逃げし、損が出れば瞬間に損切りし、下がりきったところで再度買いを入れるのです、経営にもこの手法はものの見事に合致します。
経営に投資は不可欠です、物を作るのは当然開発コストがかかります、サービスを構築するにも基礎を学ぶための費用投資や調査研究などの労働投資が必要になります、事業に対しての投資によって逆に経営状況が悪化することもあります、それは上手くいかなかった場合に引くに引けないという心理状況を作り出してしまうからです、投資の世界ではこれを「コンコルド錯誤」と言います。
事業投資に慣れている人であれば上手くいかなかった場合はそれまでの投資など無かったかのように事業を潔く廃止し素早く次の事業の立ち上げを行います、しかし事業投資を心得ていない人の場合は上手くいかなくてもそれまでのコストを回収するまでは引くに引けないと悪い状況を無理やり継続させ更なる散財を継続してしまうのです、気が付けば経営破綻に追い込まれれていることなど珍しいことではありません。
投資も経営も自身の事を冷静に観ることはできません、冷静に見れないからこそ一定の判断基準を設定して基準に従って撤退か継続かを冷静に判断する必要があるのです。
そしてもう一つ、自身の会社の経営状況を見事に教えてくれるのは実は第三者なのです、売れない理由も上手くいかない理由も実によく見えています、上手くビジネスを回す経営者は一歩下がって客観的に自身の事業を眺めることを忘れません、自分にその自信が無い人は冷静に観て判断できる人を顧問として雇うことです。
近年マーケティング力強化改善に関する多くのビジネスが存在しています、集客コンサルタント・営業代行・販売支援・営業コーチングと各種各様の手法によってマーケティング力の強化改善を行おうと取り組む企業もまた多くなってきています。
確かに現在はバブル景気の時代とは異なり何もしなくても売れる時代ではありません、まして競合他社がひしめく薄利多売の商品であれば尚更のことマーケティング力が企業の存続を左右することは当然のことです。
そこで企業は必死にマーケティング力強化に取り組んでいます、そこにビジネスチャンスを見出している人もまた多くなるということになります、ここでマーケティング力強化を考えた場合メンタル面や思考を磨くことも重要なのですが特に結果を早期に出そうと思ったら具体的なマーケティングテクニックを身につけることが肝要となります。
マーケティングテクニックとは即結果を出せる行動手法です、無意識に行動が取れるように身体で覚えさせる教育が重要となります、それは多くの場を経験させ成功事例を自身で作っていくことしかありません、したがってこの時代に必要なのは知識ではなくどれだけの経験をさせるかということが重要になります。
どのように物事を捉えるのかより買ってもらう具体的手法が必須で、まずは結果に直結する手法を身をもって体験させることが重要なのです、ある程度の結果を出しているが更に質の向上を目指す段階で初めて思考の壁にぶち当たるのです、リーダーたる者は現状を把握したうえで取るべき最善の方法を間違えてはなりません。
どの企業においても営業の基本姿勢に相違はありません、事業や商品が何であっても売るのも買うのも人間なのですから人間関係という必要不可欠な要素が生まれてきます、重要なのは「物を売りたい」という次元から離れることです、「売りたい」という姿勢は自分の言いたい事や自分の都合だけが相手に伝わるだけで本来伝えなければならない内容は全く伝わりません。
ではどうすれば良いのでしょうか、それは相手にとって「今後関係を保っておいた方が良さそうだな」という気持ちにさせることです、人間とは自分が有益になる話なら何時でも聞こうとする気持ちがあります、まず相手の事業を各種情報網を駆使して調査することです、そして相手企業専用に事業再構築・利益改善・コストマネジメントなどの提案書を作成し持参することです。
パンフレットだけでは今の時代は相手にされません、単なるPR程度にしか思われません、そして成果は絶対に急がないこと、やるべきことをやってフォローしながら相手からの朗報を待つくらいが好まれます、営業と販売は次元が異なるカテゴリです、営業担当が物売り行為をしてはいけません。
営業とはこちらが売るのではないのです、相手に自分の人間性も含めて買ってもらう行為です、営業と物売り行為を混同していてはいけません。