デジタルオーディオの仕組みを理解する上で欠かせないのがDACという装置です。 これはDigital to Analog Converterの略称で、日本語ではDA変換器と呼びます。 CDで音楽を聴く際、ディスクに記録されているのはデジタルデータです。 しかし最終的にスピーカーを振動させて音として鳴らすためには、この数値を電気の波であるアナログ信号に変換しなければなりません。 この重要な役割を担っているのがDACです。
一般的なCDプレイヤーにはDACの機能が内部に組み込まれています。 そのためプレイヤーの背面にある赤と白のアナログ端子からアンプへ接続するだけで音を鳴らすことができます。 しかしオーディオの世界では外付けの単体のDACがあえて使われます。 それはデジタルデータをアナログ信号へと変換する際の精度を徹底的に高めるためです。 プレイヤーに内蔵されているDACチップに比べて、専用のDACはノイズを極限まで抑え、より緻密で正確な音の波形を作り出すことができます。 その結果音の解像度が上がり、これまで聞こえてこなかった繊細な楽器の響きや演奏会場の空気感までもが再現されるようになります。
実際の接続においてはプレイヤーとDACの間をデジタルケーブルで繋ぐことが鉄則となります。CDプレイヤーの場合、光ファイバーを用いる光デジタル接続や、同軸デジタルケーブルを用いた接続を利用するのが一般的です。 これらの接続はデータをデジタルのまま送り出すためのものです。これによりデータの読み取りはプレイヤーが行い、音質を左右する変換の工程をまるごと外付けの専用DACに任せることが可能になります。 このようにデジタルの正確さとアナログの表現力を繋ぐ心臓部がDACなのです。
スピーカーはいろいろな種類があり、サイズから用途まで様々な製品が存在しています。 以前の私は単純に大きければ大きいほど質が高いと捉えてしまっていたのですが、実際には全くそんなことはなく奥深い世界が広がっていました。
現在、私の手元には代表からお借りした3種類のスピーカーがあります。 1台目はONKYO ST-V20XM、2台目はONKYO D-SX9A、3台目はDIATONE DS-103Vです。
それぞれの外形サイズは以下の通りです。
1.ONKYO ST-V20XM:幅101x高さ169x奥行136mm
2.ONKYO D-SX9A:幅167x高さ275x奥行244mm
3.DIATONE DS-103V:幅280x高さ150x奥行160mm
ST-V20XMが一番小さくD-SX9AとDS-103Vは容積としては近いものがありますが縦長と横長で随分と形が違います。 調べてみると、ST-V20XMはデジタルホームシアターシステムのメインスピーカー、D-SX9Aはミニコンポのスピーカーとして販売されていたもののようです。 そしてDIATONE DS-103Vは店舗の天井などに設置して使われる、いわゆるPA用のスピーカーです。
これらはそれぞれ用途が違い、最適な距離があることを代表に教えていただきました。 1台目のST-V20XMは50cmから1mほどの至近距離で聴くために設計されたものです。 デスクにおいて最適な音が聞こえるように設計されています。 2台目のD-SX9Aは少し離れた2m以上の距離、リビングなどで聞くのに最適な設計がされています。 3台目のDS-103Vは広い空間で3m以上離れて聞くのが正解のようです。 このようにスピーカーにはそれぞれ最適な距離があり、それはサイズだけでは決まりません。
最適な距離を外してしまうと音をきれいに聞き取れません。 例えばヘッドホンなどは耳元で聞くように設計されているので、耳から少し離してしまうと低音が聞こえなくなったりします。 これと同じようにスピーカーも設計された距離で聞かないと、本来の音質が味わえないことになります。 これを知らずに使っていると間違った評価をしてしまうかもしれません。
まずは手元にあるこれらのスピーカーで適正距離の違いを実際に試してみたいと思います。
A級アンプの特性はその回路構造と電流の制御方法にあります。 下記の回路図はA級アンプの出力段の基本的な回路です。 上側に信号を制御するトランジスタQ1、下側に常に一定の電流を引き込む定電流源を配置したシンプルな構成です。

この回路の動作は下側の定電流源Iccが常に一定量の電流(Icc)をグラウンドへ引き込み続けている点がポイントです。 増幅動作はこの一定の引き込み量に対して、上側のトランジスタがどれだけの電流(Ie)を供給するかというバランスの変化によって行われます。
図の左側のように入力信号がプラスの場合、トランジスタは定電流源が求める以上の電流を流します。 そのあふれ出た余剰分がスピーカーへと押し出されます。 一方、図の右側のように信号がマイナスの場合、トランジスタは流量を絞ることになります。 すると定電流源への供給が不足するため、その不足分を補う形でスピーカー側から電流が引き戻されます。
つまりアンプとは、プレイヤーから届く微弱な音の波形(Vin)を司令塔とし、電源(Vcc)からの大きな電気エネルギーをその通りにコントロールして、スピーカーを駆動する流れを作っているのです。
ここでスピーカーから電流を引き戻すマイナスの局面であっても、上側のトランジスタは完全に閉じず、常に電流を流し続けているという点が特徴です。 いかなる瞬間も素子がOFFにならないため信号のつなぎ目が存在せず、原理的にスイッチング歪みが発生しません。 この「常時導通」がA級アンプの定義となっています。
オーディオ機器にはアンプと呼ばれるものがあります。 アンプはプレイヤーなどから出力された音の電気信号を増幅しスピーカーを鳴らすための信号を作る機器です。 アンプにはいくつかの種類があります。 基本的な区分として、プリアンプとパワーアンプがあります。
プリアンプは音の電気信号を調整する段階のアンプです。 入力の切り替えや音量調整、左右スピーカーのバランス調整などを行い、主に信号のレベルを整える役割を持ちます。 プリアンプは単体ではスピーカーに接続されず次のアンプへ信号を送ります。
プリアンプの次につながるのがパワーアンプです。 パワーアンプはプリアンプから送られてきた電気信号を受け取りスピーカーを駆動できるように電圧と電流を供給し、結果として電力をスピーカーに与えます。 パワーアンプからスピーカーに信号が送られ音が発せられます。 またプリメインアンプというものもあります。これはプリアンプとパワーアンプを一つの筐体にまとめたアンプです。
これらのアンプには動作クラスと呼ばれる分類があります。 A級、AB級、D級といった呼び方は主に出力時の増幅方式によるものです。
A級アンプは増幅素子を常に動作状態に保つ方式です。 信号の有無にかかわらず電流が流れるため消費電力が大きく発熱が多くなります。
B級アンプは効率を高めるためにプラス側とマイナス側を別々の素子で増幅する方式です。 ただし信号の切り替わり付近で歪みが生じやすいためオーディオ用途では単独で用いられることはあまり多くありません。
AB級アンプはプラス側とマイナス側の切り替わり付近のみをA級動作にする方式です。 これによりB級で問題になりやすい歪みを抑えつつ効率も確保します。 現在のオーディオ用アンプではこのAB級が広く使われています。
D級アンプは電力効率が高い方式のアンプです。 一般的にはPWM(パルス幅変調)などのスイッチング技術が用いられ、出力のスイッチング素子とローパスフィルタによって音声信号を取り出します。
まずはそれぞれのアンプがどのような構成で動いているのかを順に調べていきたいと思います。