「熟なれる」と書いて「こなれる」と読む。
じっくりと煮込んだ料理は美味しくなる。
じっくりと調整したITシステムは安定稼働する。
じっくりと組み合わせたオーディオは愉音を奏でる。
じっくりと計画した事業は長期に利益を齎す。
どんな事も時間をかけてじっくりと取り組むことだ。
時間をかければ自然に熟なれて成熟するのだから。
焦りから性急に事を進めても上手くは行かない。
やる事をやりつつ時間をかけて自然に熟なれるのを待つ。
一旦熟なれたものは極めて強固に安定する。
これが本当の「待て」の極意。
人の育成もまた同じ。
パラダイムシフトして熟なれるには絶対数の時間が必要。
蛹の中で成虫に変わるのをじっくり見守るしかない。
自覚も無しにマイナス言葉を使ってしまう人がいる。
本人は素直に表現しているだけなのだが、
言われた人や周囲は嫌な気分になってしまう。
悪い人ではないが一緒に居て愉しいとは思わなくなる。
そして遠ざけるようになってしまう。
結果、信頼関係を築けずに孤立してしまう。
だから何事も上手くいかないのだ。
マイナス言葉はプラス言葉で全てが言い代えできる。
マイナス言葉が放つ負のエネルギーは強力だ。
今からでも遅くはない、
不必要にマイナス言葉を使わないことだ。
Do not add anything, do not draw anything.
「何も足さない、何も引かない」
ケンブリッジオーディオのポリシーである。
アンプは入ってきた信号を質を変えずに増幅して、
スピーカーを駆動するのが使命。
優れたアンプはスピーカーを選ばない。
個性的な音がするのはスピーカーの個性。
個性をそのまま引き出すのが優れたアンプ。
アンプはアンプの使命に忠実に生きることだ。
人間も同様。
使命に忠実に生きれば自分も周囲も幸せになる。
「ポリシー」とは解りやすく言えば「使命」そのもの。
自身の生まれ持った使命に気付かずにのほほんと生きている人が、
成功したいなどと夢見るのはもっての外だ。
アルコール飲料を一切出さない喫茶店を純喫茶と呼ぶ。
その純喫茶のランチメニューは、
どの店でもほぼ同じで50年以上変わっていない。
カレーライス、ナポリタン、ピラフ、
またその店の味を出せるサンドウィッチの数々。
変化球として、ドライカレー、ミートソース、ホットサンドがある。
50年以上変わらぬメニューでも常連客が多数いる。
理由は飽きのこない味だからだ。
でも逆に無くても悔しくなる味でもない。
つまり、押し並べて無難な味だということだ。
だから喜ぶ客もいないが文句を言う客もいない。
したがって確実に利益が取れるメニューということだ。
こういうメニューを鉄板メニューと言う。
妙なプライドで素材を厳選して手間暇かけても、
利益にならなければビジネスする意味が無い。
飲食店オーナーよ、その店でしか食べられないという、
利益が確実に取れる鉄板メニューを作り上げろ!