「兎はウサギの形になりたがる」というかなり昔に出版された本があります、この本は形には必然性があるという内容で完全なるサイエンス書籍です、「こんな本を読んでいったい何になるのか?」と疑問を持つ経営者も多いでしょう。
しかし経営や事業推進上のアイディアというのはどこに転がっているのか解りません、経営者にとって経営情報や経済情報はもちろん大切ですが経営とは全く無関係な情報も同じぐらい大切なものです。
例えば食物連鎖における種の争いは企業同士ののシェア争いのヒントにもなり、小説に描かれている人間模様はそのまま社内や取引先との人間関係に応用できます。
本を読むということは自ら体験することなく頭の中で「シミュレーション(疑似体験)」ができるのです、つまり実体験したように短時間で経験値を増やすことができるのです。
経営者というものはロジカルな考え方が重要な反面、空想力や発想力といった柔軟な思考も必要なのです、読書にはあらゆるジャンルを気分で選んで読むことが楽しく拘りを持たないことが重要だと思います。
大手IT企業がAIや人型ロボットを発表し、時代の流れはロボット産業へとシフトしつつあるのは確かなところです。
ところでロボットと言えば先立つこと十数年前に「AIBO」という犬型ロボットが一世を風靡したのが記憶に久しいです、発売当初賛否両論あったとはいえソニーはこれから到来する家庭用ロボットの需要を見込んでAIBOを世に投入したのは間違いないところです。
最近話にも出ないと調べてみたところ2006年に既に製造中止になっていました、物事には確実に「タイミング」というものがあります。
如何に優れた製品・サービスであっても時代が追い付いていなければ市場の理解が得られずに自然淘汰されていきます、逆に時代の波に乗れば製品の性能を需要が追い越し一気に市場を席巻できるのです。
AIBOは充電まで自分で行うなど高機能であったにもかかわらずロボット産業からひっそりと姿を消しました、そしてAIBOを発売したソニーは皮肉にも新時代に苦しい立場に追い込まれています。
もし新しい製品やサービスを展開しようと考えるなら時代を見極め投入するタイミングを見誤らないことです、波を感じるまで動く準備をしつつじっと動かないことです、波を感じたら即動くというタイミングの感覚を磨くのが一つの成功の秘訣だと思います。
ときどき「事業スキームやサービスメニューを真似されて困る」という相談がありますが、そもそも何故すぐに真似されてしまうのでしょうか、そして真似されることはマイナスなのでしょうか。
厳しいようですがすぐ他者に真似されるということはそもそもその程度のものなのです、そして自身が行っている事もきっと何処からか持ってきたスキームに若干のアレンジを加えた程度なのではないかと推測できてしまいます。
本当にその人が独自に編み出しその人でしか価値を生み出せないスキームやメソッドであれば簡単には真似できません、すぐ真似されるというのは誰でもが簡単にできる事、つまりはそこにオリジナリティを追求できるはずもないのです。
そういうものであれば逆に多くの人が真似して参入してきた方が市場が大きくなって喜ばしいと思います、ブログも然りで真似される裏には真似する人がブログを読んでくれ表現方法や言葉に共鳴したということなのです。
真似されるということは真似するに値する人だという証明でもあるのです、つまり真似されたら本物であり喜ばしいことだと思うのです、そして事業であればオリジナリティを追及して他者には簡単には真似できない完璧なスキームやメソッドを作り上げることです、そうすれば「真似される」なんていう心配は起きません、自分しか価値を生むことが出来ない方法、これこそが本当の価値ビジネスというものです。
「レディ・ガガ」こと「ステファニー・ジョアン・アンジェリーナ・ジャーマノッタ」さんは、マドンナを凌ぐアーティストとして知らない人はいないほどです、一時期はSNSでのフォロアー数世界一位で20代でありながら総資産300億円超と世界でも有数のセレブとしても名を馳せています。
彼女は資産家の家に生まれ何一つ不自由なく育ち幼いころからピアノを習っていました、しかし転機は大学1年生の時に起こります、いわゆるお嬢さん学校に通っていましたが周りは全て古くからの名家の子孫で一代で成りあがった資産家の家柄である彼女は周囲から浮いていました、そんな価値観の違いが彼女には地獄であったようで大学を1年の途中で退学し家を飛び出し古いアパートに住み移りました。
生活の為にピアノクラブで弾き語りをして何とかその日暮らしを続けていました、今の「レディ・ガガ」スタイルはそんな弾き語りをしていたある日突如として彼女の中で何かが弾けることによって生まれました、毎日のように必死で演奏しているのに自分の演奏を誰も聞いてくれていない不満が爆発し突然服を脱ぎ捨て下着姿で弾き語りを行ったのです、その緊迫感はそこに居た客を釘付けにしたといいます。
その日を境に自分のスタイルでやりたいように生きるという強い理想を現実のものにしていくのです、その日からというもの何度も落ちたオーディションで巻き返しを図りどんな小さなチャンスでもことごとく物にして念願のプロデビュー、そしてその後僅か3年で全米ヒットチャートに躍り出ました。
その一方でマスコミなどには「マドンナのコピー」と叩かれましたが、「だって私はマドンナを理想としている、その人に近づこうとすることが何故悪いの?」と開き直り、マドンナもそんな彼女を直接フォローしてくれたといいます。
成功すると周囲は「運が良かった」と言います、しかし運は人に平等に齎されます、問題はその運をどう生かすか殺すかの努力次第なのです、運が良いだけで成功している人は皆無です、みんなが知らないところで半端ではない努力をしているのです。
資産300億円超の彼女は成功を収めた今でも「初心を忘れたくはない」と一人家を飛び出した時の狭く古いアパートに今でも住みつづけています、表面とは違う彼女の私生活と成功を収めた後の謙虚さ、彼女の姿勢に私は多くの学びを得たことは確かです。
国や地域や企業間において意識した方が確実に対象の相手に脅威を感じていると言えます、ビジネスにおいても同様で意識している相手には脅威を感じており既に弱い立場となっていると考えた方がよいでしょう。
そもそも意識するという心理的な要因を分析すればその相手は自身を脅かす可能性がある対象であるからです、脅かす対象でなければ対象の人や企業には臆することなくマイペースに接していられるのです。
問題は過度な意識からくる無意味な防衛行動です、これは必ず相手の知ることとなり不要なトラブルを起こすことにもなります。
こちらが強く意識していたとしても相手は意識していない可能性があります、そこへ相手も意識せざるを得ない事実が起こると突然意識がぶつかり合い互いに緊張が高まります、緊張した状況は正常な状況ではなく一種の興奮状態ですから些細な事がきっかけとなり大きな事件へと発展することもあります。
自身や自身の組織を平穏に保ちたいなら他者を強く意識しないことです、つまりは自身の事を粛々と行っていればよいのです、そして自身のビジネスに直接関係していない人や企業を警戒したり挑発する発言をどんな立場の人にも行わないことです。
それを話した人や企業が何時どんな状態になるかは誰にも予測できません、つまり誰にも漏らさないという保証もありません、ビジネスに重要なのは不要な争いごとを起こさないことが最も平穏にビジネス推進していけるコツなのです、「争いは百害有って一利無し」ということを覚えておくとよいでしょう。