先週も本丸の梅を収穫しました、今回で3度目の収穫ですが重さにしてこれまでの倍の約20kgを収穫しました、3回分合わせて計40kgほど収穫しましたがこれでも本丸に毎年成る梅の量の20分の1以下です、本格的に徒長枝を剪定して管理したらいったいどれほどの梅が収穫できるのでしょうか。
それはそうと本丸のリノベーションをメインでやっていただく業者さんと時々電話で打ち合わせを行っているのですが、先週末に連絡したついでに梅がたくさん成っており次回は2週間後になるのでその前に落下してしまうと思い「物件に在る梅ですがよかったら自由に収穫して使ってください」と言ったら意外な返事が返ってきたのです。
ちょうど先週大工や電気設備士と現地で打ち合わせしている際に「こんなに大きくていい梅たくさんできているのにもったいないね、良い梅酒造れるよ」という話になり私に収穫していいか聞こうと思っていたところだと言うのです。
収穫できずに自然落果で土に返すくらいならみんなに食べていただいた方が余程有益ですので大歓迎な申し入れです、毎年こうやって時期になったらリノベーションで世話になった業者さんや近所の人に分けてあげたいと思います。
梅で広がる人の輪、どうしようと思っていた梅ですが意外にも有益に活用できそうです、昔から「人が集まるところに幸多し」と言います、こうやって広がる地元の輪ってすごく大事です、田舎暮らしで最も頼りになるのは近所の人たちなのですから、それぞれが持っているものを与え合って生きる、まさに私の理想の人間関係をこの地にも築けそうです。
昨年はオフィスにある休耕畑を利用して実験的にサツマイモを植えて放置栽培してみました、これが意外や上手くいったので今年は本格的に自然農の研究を始めています、オフィスの畑の中に人口畝を意図した自然木の枠で作ったレイズドベッドを設置しジャガイモ・プチトマト・長ナスなどを植えました、また少し肌寒さが残る3月中旬にもかかわらず畑の真ん中にカボチャも4株植えました。
先日ジャガイモの葉が枯れており収穫のサインが発生していました、まさかと思ったのですが何と通常の半分以下の期間で思いのほかたくさんのジャガイモを収穫することができました、いろいろ調べて独学で編み出したレイズドベッドを使った自然農が大成功を収めたのです。
また本丸の畑には時期をずらしてのカボチャ4株に加えて唐辛子4種8株に水ナス4株を植えました、加えて水耕栽培の実験で余っていた10種ほどの種を適当に撒いておきました、自然農は育った野菜から種がこぼれ落ちで翌年自然に芽が吹いてくることを理想としています、その意味で人間が手厚く世話をしては意味が無いのです。
そういう意味では勝手にここに定着する野菜は何かを見極めるヒントになればと考えていろいろな種類の野菜の種を撒いたのです、2週間後の結果はほぼすべての野菜の芽が吹き順調に育っていますが一番定着すると思っていたルッコラが元気がなく意外な結果でした。
ルッコラは元々は野草です、なので一番放置栽培に向くと考えたのですが現在売られているルッコラの種は人工的に改良された野草そのもののルッコラとはだいぶ違っているようです、新芽は全て虫にやられて見るも無残な姿になっていました、まあこれも全てが実験です、いろいろな実験と結果を通してこの本丸の地に最適な自然農を生み出していきたいと思います。
永住の地に創設したオフィスと本丸ですが今のところ月に2回ほどしか行くことができません、したがって植えた野菜や果樹など時々心配になるのですがいざ行ってみると風で倒れないように支柱を立ててあったり紐で縛ってあったりします、また昨年はサツマイモの蔓が伸びすぎるて芋ができなくなるのを防ぐために蔓を途中でカットするのですがそれもやってありました。
これ全てオフィスのお隣さんの大工の棟梁が世話をしてくれていたのです、棟梁はオフィスの大規模リノベーション工事を仕切ってくれた人で未だに我々が来るたびに笑顔で迎えてくれいろいろな話をしてきます、先日は畑に造った花壇のようにした実験設備を興味津々にずっと見ていました、また先日は半分の期間でジャガイモを大量収穫できた時も自分の事のように夫婦で喜んでくれました。
オフィスも本丸も我々が行かないときもカギを開けっぱなしにしており業者の人には出入り自由にしています、そして何か異変があれば電話で連絡してくれるのです、昨年はオフィスの水道管が経年劣化でヒビが入ったようで地中で水漏れを起こしてしまったのですが、これに気付いたのも棟梁でした、本当にありがたいことです。
オフィスも本丸もいろいろな人に見守られているような気がします、当初は近所の人との人間関係や地方独特の文化などちょっと不安もあったのですが、みなさん快く我々を向かい入れてくれたようです、何歳になっても人の縁と輪は大切だと感じる今日この頃です。
いよいよ本丸のリノベーションが始まろうとしています、春先から何度か施工業者さんや左官業者さんと打ち合わせを重ねていますが大まかなプランが出てきました、ところがそれは驚きの結論なのです、なんと鉄筋コンクリートの外壁だけ残して内部全部をゼロから造ったらどうかというものです。
つまりマンションの内装のように好きなように部屋割りから行い冷暖房効率を最大限に考えて遮熱効果が高い家を造るという大胆プランです、そこで私的な意見としてどうせならかっこ悪く増築して造った部屋と母屋の一部とくっついている作業小屋、そして不要となるボイラー室や物置まで全部取っ払って鉄筋コンクリート部分だけの凸凹の無いすっきりした外観にしようと思います。
また太陽光温水装置が2階の屋上に設置されているのですが近代的なセントラルヒーティングを採用するのでこれも撤去し大自然と野鳥観察のための展望台にしたいと思います、また1階に増築で造った木造サンルームも撤去してサッシを使い倍以上広くして使い勝手と冷暖房効率を上げます。
更には2階の広いベランダにも10帖ほどの広さの温室を兼ねたサンルーム、また1階に増築した部屋を撤去した後に残った土台をベースに広いサンルームを造ります、これでオフィスと同様に広いサンルームが計3つになり熱帯性の果樹などを育てるのに大いに有効活用したいと思います。
合わせて1階と2階のすべての北側の窓は潰して一気通貫の壁にしてしまい冷暖房効率を極限まで高めようと考えています、まさに広いメゾネットタイプのマンションのようにしたいのです、外は大自然で中は都会という陰陽極まった生活空間を創ろうと思います、そんな感じでまたぞろ大幅なリノベーション工事が始まろうとしています。
結局ゼロから内装だけではなく電気や洗面設備、そして一軒分丸々造り直しとなります、ここを決めたときにファーストインスピレーションとして収納や壁を全部取っ払って1階部分はワンルームの広いキッチン&リビングにしたいという気持ちが湧いてきたのですが、本当にそうなりそうです、強いイメージは現実のものになるのです。
植物育成道楽は社会人になってから観葉植物に始まりアクアリウムでの水草育成など各種やってきました、また最近では盆栽樹木に野菜などあらゆる植物育成を経験してきました、そこでやってないものが果樹だったのですが本丸を手に入れてからというもの果樹園をどうにかしないといけないと思うようになり自然に果樹の知識を得るようになりました。
今では果樹園にありとあらゆる果樹を新たに植え、東京のラボではベランダでレモンやフェイジョアなど寒地では栽培が難しい果樹を育ててノウハウを得ています、観葉植物や野菜などはコツを掴めば失敗はほぼ無いのですが果樹は別物です、木を育てるのと美味しい実を採るという成長サイクルと収穫サイクルを意識しないといけません、そしてこの木を育てるのと美味しい実を採るときの水やりも肥料のタイミングも大きく異なるのです。
例えば家庭菜園で果樹を育てている人は多いと思いますが採れた実は果樹農家さんのものと比べて大きさも味も大きく異なります、路地に果樹を植えれば放置しても実を収穫することは一応は可能です、でも私は実が採れたということだけでは愉しくないのです、せっかく育てるのだったらその果樹の持つ価値を最大限に引き出してあげたいと思うのです。
美味しい実が採れる果樹を育てるには放置ではダメです、まず剪定がすごく重要だということが解りました、冬と夏に剪定するのですがそれぞれ意味が異なります、冬は樹形を整え新しい枝が出るのを邪魔しないように古い枝を落とし、夏は美味しい実が採れるように邪魔な枝や実を若いうちに厳選し余計な実は落とす必要があります、そして果樹によっては新しい枝にしか花を咲かせないものもあります、したがって果樹ごとにノウハウを得なくてはいけないのです。
最も肝要なのが果樹の多くは単独では実を付けないという他家受粉樹木になります、したがってリンゴの苗を買ってきて植えても何年経っても実が付かないということが起きます、また開花時期や時間帯が異なるので受粉苗を用意する場合でも相性を調べないと上手く受粉しません、私はリンゴ・クラブアップル・サクランボ・ブルーベリー・オリーブなどどれも相性を調べて3種以上購入して植えました、結局当初予算を組んでいたときよりも倍以上に苗代が嵩んでしまいました。
これらを一気に何種類も並行で植えて育てていると時々頭が混乱するような状況に陥るのですが解決した時の喜びはひとしおです、果樹は深いです、オーディオの愉音を求めたり素材の味を引き出す料理などとすごく似ている気がします、オーディオも料理もそして果樹も感性ではなく知識とテクニックが重要なのです、それを習得したうえでの感性の世界だと思うのです、だから果樹道楽は面白いのです。