先日のこと、安住の地でのリノベーションをお願いしている業者の1人に突然「社長、青春してますね~」と言われました、還暦を超えたら普通は終活ではありませんが身辺整理を考え始め新しいことを始める元気も無くなるのだそう、そういう意味で70歳を手前にして家を買ったと思えば自分好みに家も庭も大いに愉しんで作り変えています、このタフさが信じられないのだそうです。
更に別にもう一つ大きな物件も買って同じようにリノベーションやガーデニングなどの道楽を愉しもうとしています、そんな道楽ごとでまでアイデアを求めて相談してくる顔が元気で若々しく見えるのだそうです。
思えば26歳で外資系大企業のフリーSEになり28歳で独立起業、その後事業成長と投資家や株主への利益還元に社員の生活を優先させた責任と義務の40年間であり自分の生活とやりたい事は常に後回しになっていました、そしてようやくこの責任と義務から解放される時がきたのです、40年間に蓄積し肥大化した心理学上の鬱積概念である「es」が一気に表面化したとしてもおかしくないでしょう。
私の理想郷は完成することはありません、ずっと進化拡大させていくのです、きっと今回お世話になっている業者の人たちとは長いお付き合いになると思います、皆さん本当に親身になって相談に乗ってくれます、関西ばりのベタ突っ込みとベタボケで会話も弾みます、そんな関わり合いの中にトラブルもストレスもありません、違う方向へ行ってしまってもちゃんと最終的には目的としていた収まるところに収まってくるのです。
物件を見つけた喜びよりも安住の地で信頼できる人たちとたくさん出会え、そして善い関係が構築されつつあるのが何よりも嬉しいことです、この地に安住の場所を見つけたことで広がる新たな人脈と縁、理想郷の拡大と共に大きく育てていきたいと思います、私にとっての理想郷は物理的な物事だけではありません、仲間やその地での縁もすべて含めての理想郷なのです。
20歳代から観葉植物の世話を行うようになってから植物育成の虜になってしまった私が常に思い描いてきたのがガーデニングです、つまり自分の世界観で自由に造る庭です、この50数年間は街を歩けば街路樹や道路脇の植え込み、そして一戸建ての家の庭を観察し続けて自分なりの好みのスタイルが頭の中に出来上がっています、庭のスタイルもこの50年で大きく変わってきています。
現在のブームはどちらかというと全ての樹木が自然形で剪定されている造り込まれていない庭です、その意味からいうと安住の地で最初に購入した物件にある庭は4ヶ所あるのですがどれもプロの剪定士による盆栽や盆景のような樹形で植わっている全ての植物が自然界には絶対に存在しない樹形になっています。
ということで自分流の庭を造るためのガーデニングを行うにあたり全てを一旦リセットすることにしました、毎年2回プロの剪定士が入っていたそうで年間の維持費も結構な額になっていたそうです、お金を払って自分の好みの庭を維持できるのであれば幾ら払ってもよいのですが自分の好みではない庭に費用をかける気になりません。
そしてなによりもガーデニングとは自分で剪定するからの愉しい道楽なのです、他者に頼らなければできないことであればそれはガーデニングではなくて家の一部となってしまい賃貸マンションの花壇と何も変わりません、それは私にとって耐えがたい状況となります、自由にできるのにできないという意味においてです。
ということで大きな樹木はプロにお任せすることにして低灌木や宿根草などの伐根を夏から開始しています、もう大小100本近く抜いたとおもいますが半年経ってやっと2番目に大きな庭のリセットが完了しました、とにかく大きな石で作られた庭なので何かをするにしても石が邪魔して自由に抜けないのです。
まあ少しづつ動かせる範囲で石も動かして理想の庭を目指して大いに愉しんでいきましょう、そしてガーデニングに完成は無いのです、先のプロにやってもらうと一旦完成後はどんどん退化しますが自分でガーデニングすれば常に進化し続ける庭となるのです、ということでガーデニングに関しては別に立てたブログの方で順次記録を残していきたいと思います。
人口に対する65歳以上の高齢者率は年々増加し全国平均で40%に迫る勢いですが地方都市はこの比ではなく既に50%以上のところもあります、ここ安住の地でも約50%となっており事実周辺は高齢者家族ばかりです。
リノベーションを依頼している各種業者もほとんどが60歳以上で最高齢は工事の指揮を執っている棟梁で現役の84歳です、でも肌艶はいいし健康そのものです、また皆さんアイデアも豊富で話を聞いている以上は若々しいしゃべり方で年齢をまったく感じさせません。
街の中心部を歩いてみても若者は都会に出て行ってしまうようで20歳代から40歳代の人をほとんど見ることがありません、多くの地方都市がこんな感じなんだろうと推測できます。
そんな高齢者社会においてのスローライフを思い描くのですが高齢者の世話を高齢者が行うような社会になっていくのだろうと思います、まあそれはそれである意味においてはパラダイスなのかもしれません、同じ年代というのは何故か親近感が沸き話も合いますから争いも少ないのだと思います。
そして地方の良いところは与え合う文化が定着しているところです、それぞれの持っているものを持っていない人に分け与える文化は故郷で経験しているので本当に素晴らしい世界だと思います、まだここに住んでいないのですが既に野菜やフルーツなど多くのものを頂きました、だから私もレストランで作ってもらったグリルや地方では手に入らないようなものをお土産に持ってきます。
ここに安住しスローライフが始まったらいったいどんな世界が広がるのでしょう、少なくても周囲は高齢者ばかりですが不思議と不安はありません、地方の高齢者は本当に皆さん元気で逞しく頼りになるのです。
今日は午後から東京ラボ1号で身内の新年会です、毎年5~6名での身内新年会はコレクションのビンテージワインやアンティークウイスキーを飲みながら手料理で飲み明かします、今年のビンテージワインは2010年のイタリアワインでスペシャルウイスキーは昨年初出荷したアイラで現存する9番目の蒸留所であるアードナッホーのファーストリリース限定版です。
アードナッホー・ファーストリリースは5年熟成ながらアイラファンが買い占めて初期入荷版が1万4,000円なのに現在では2万円を超えています、また秋田の高級大吟醸銘酒「鹿鳴之宴(ろくめいのえん)」も大奮発します、手料理は本丸の地で捕れたジビエである鹿肉を使った薬膳煮がメインです、その他にチキンの丸焼きなど2日の朝から仕込みました。
毎年恒例となったラボ1号での新年会はおそらく今年が最後となるでしょう、その意味は来年からは安住の地に先日確立した本丸で行うようになるかもしれないからです、ということで最後となるかもしれない東京ラボ1号新年会は大いに盛り上がるでしょう。
来年の新年ということは安住の地に拠点を探しに訪れてから丸2年ということになります、今春には拠点のオフィス化のリノベーションが終わり本丸のリノベーション工事が始まります、理想としていた安住の環境が整いつつある昨今、感慨もひとしおながらもどこかで探し求めるものを失った寂しさもあり複雑な心境です、でもきっと近いうちに次の探しものが見つかるような気がしています、何かを得ようと探し求めているときが一番元気で自分らしいと思うのです。
本丸や地方拠点のある私の第二の故郷となるこの地ですが最初に内見をするために訪れてちょうど1年が経ちました、つまりすべての季節を経験したわけです、そこで改めて驚いたのがこの地の湿度です、なんと年間を通して40~80%という肌にも植物育成にも安定的な理想の湿度なのです、対して東京の夏は90%近くにもなる蒸し暑さで冬は20%以下という乾燥した空っ風が吹き寒さが肌に刺さりますます。
この地の湿度が年間を通して安定しているのは四方八方に湧水地と河川が存在しているからです、また理想的な地形で霧雲が発生する上限である海抜600メートル前後で山間に見られるような盆地ではないので空気の通りもよく淀んだ空気溜まりが一つもありません、工業地帯も近くになく年間を通して爽やかで綺麗な空気が流れています。
夏と冬の気温差や1日の気温差は東京よりも大きいです、つまり年間を通して昼間と夜の気温差が高いので野菜や果物が元気に美味しく育ちます、ただ夏の昼間直射日光が当たるところはかなり暑いし冬も東京の平均気温よりも5度低いので寒いですが家の中に居ればまったく苦にならない程度です。
安住の地の四季を知ることは非常に重要だと思います、データを調べて数字上は理解できても実際の肌で感じる感覚はかなり違います、四季を感じながら3つのサンルームの増築や閉じた空間を無くすようにリノベーション内容を変更してきました、安住の地の気候は最高でも住居がそれに適合していなければ本末転倒です、四季を知って四季穏やかに暮らせる空間を作り上げることが快適なスローライフの必須事項だと思う今日この頃。