知り合いの社長さんはパートで雇っている事務員から「子どもが高校に入るので時給を100円上げて下さい」と言われたそうです、そんな要求を本当にするのかと思われるかもしれませんが事実こういういことは少なくありません、雇われている人の感覚というのはこれに代表されることなのかもしれません。
逆に雇う側の経営者はたまったものではありません、他の社員の生活も会社の他の経費にも響いてきます、一人の時給が100円のアップでもあらゆる事を考えなくてはならない場合は多々あるのです、それは資金の問題以上に人間関係も絡んでくるからに他なりません。
同様に「社員の気が利かない」とか「行ったとおりに動いてくれない」などというボヤキを聞きます、それはある意味ではしかたないことで理解するまで教えるしかないし期待通りに動くように社内のシステムを変えるしかありません。
経営者と雇われる者の利害関係は常に真逆です、その真逆の人間関係によって経営者は会社という組織を運営していかなくてはならないのです。
経営者は社員の立場を社員は経営者の立場を相互に理解し合う組織は強いです、ただしそれを構築するのは経営者の器次第です、真逆の心理は相互に理解できないかもしれません、ここで重要なのは理解できるかどうかではありません、互いに理解したいと思う心の問題が重要だと思うのです。
人口の推移はまさにビジネスに直結する大きな要素の一つです、今後の日本の人口の推移を統計から読むと現在約1億3000万人ですが出生率から計算すると今後急速に減少傾向に入ります。
2030年には1億1600万人となり2045年ごろには1億人、2048年には9900万人となり1億人を割ります、更には2070年ごろには8500万人と現在の3分の2になってしまいます。
人口減少が進む中で逆に高齢者人口比率は逆に上昇してきます、高齢者人口は現在の3600万人から2040年には約4000万人となり、その後は急上昇して40%近くまで伸び続けます。
これらから景気やビジネス環境をどのように読みどのようなビジネス思考するかが成功への重要な要素となります、これから20年間は特にあらゆる統計を読んで時代に合わせて自分やビジネスを変化させていく必要があります。
昨夜までの価値観が一夜にして別のものになってしまう、これから先はこんなことが何時起きてもおかしくない時代になるのです、総人口が減ってくると何か起きるのか、高齢者比率が上昇してくると何か起きるのか?
少なくても少子高齢化時代に重要なことはサービスの対象こそ子供と高齢者かもしれませんがビジネスの対象には成りえないということです、物事を安直に思考するととんでもない過ちを起こしてしまうのです。
日本は大航海時代には「ジパング」と呼ばれていました、その意味は「金の島」です、当時日本は豊富な金の産出国で皇族の装飾品などに多用されていました、戦国時代になると貨幣や栄華を示すために仏像や建造物にも多用され発掘や製錬技術も極まっていきました。
話しは変わりますが現在中国と北朝鮮にかけての一帯は世界でも有数のレアメタルの宝庫です、まだ採掘は本格的に進められていませんが本格化すれば両国の経済状況は一変します、それだけに政治的な絡みを見せながら世界中がこの地域に注目しています。
ここでレアメタルはどんなものなのかというとモリブデンをはじめとした金属の一部でその特殊性から特に近年では電子素子として大変貴重な金属類なのです、例えば携帯電話や液晶パネルなどには欠かせない部品の原料となり多くは金よりもグラム単価が高いとされます。
ここで何が言いたいかというと日本は金や銀が豊富にあったことでその製錬技術の高さから発掘は世界的にも早期に始まりました、そして金鉱山があるということはその地にはモリブデン・インジウム・ゲルマニウムなどのレアメタルも豊富に存在した可能性が高いということです。
つまり当時金や銀を製錬するために多くのこういった同時に発掘されていたであろうレアメタルが製錬によって消失した可能性が極めて高いのです、早くから発達した技術によってその後に発見された貴重な財産が奪われる事実、これはなにも金だけではありません、現在捨てられている多くの埋蔵物も近未来に新発見などによって一夜にして宝となる可能性が否定できないということなのです。
そしてもう一つ、これは見える物だけではありません、知的財産や人的財産も同じことです、今は不要なものでも将来それが極めて重要なものになるかもしれません。
世の中に何一つ不要なものなどないのです、「不要」と思っているのは現在の自分の価値観の判断基準が違うだけです、失って初めてその存在の大きさを知ったところで手遅れです、これは物も文化もそして人にも言える共通事項なのです。
世の中には面白い英語の造語があります、その一つに「フォーリンシュマー」という言葉があります、外国人を表す「フォリナー」と消費者を表す「コンシュマー」を掛け合わせたもので、「外国人消費者」という意味で使われています、そしてインバウンドが注目され始めた頃から「フォーリンシュマー」が将来大きなビジネスに成長すると期待されている分野でもあるのです。
私が海外に行って一番困るのが薬や嗜好品の買い物です、それは日本で何時も愛用しているものと違うからです、日本のメーカのものでも現地法人によって製造されその国独自の仕様に変更されているのです。
例えばスナック菓子類などはその国で売っている物の味が判りません、特にASEAN諸国においては味の違いが極まっています、また薬ではもっと深刻で特に痛み止めや風邪薬などでは現地語での成分表示しかないと特にアレルギー持ちは怖くて買うことができません。
そういう味加減や成分などを自国の同等品と対比できるような情報サイトや世界の嗜好品などのデリバリーサービスなどが注目されています、いわゆるアイデアはニッチビジネスですがターゲット層が人口比10%ともなれば既に市場はニッチではなくメガマーケットといえます、ビジネスの原点をこういう世界の情報から教えられるのです、「ニッチなビジネスをメガマーケットで行うこと」、これが革新的な「ニューニッチ戦略」ではないかと思います。
「アイデアビジネスをニッチなマーケットで行うこと」、これは今までの誰もが考える極有りふれたニッチ戦略です、「誰もが手軽にできることをニッチなマーケットで行うこと」、これは取りあえず食うためだけの手段に過ぎず、とてもビジネスとは呼べないものです。
成功とは無縁の人が考えるニッチビジネスとは「食う為の手段」と呼べるようなものなのです、そして「ニッチビジネス」とは利益を産まないことへの「逃げ」の為に造られた言葉ではないということを理解すべきです。
断られた時がビジネスセンスの真価が問われる。
断られた理由を修正すれば新たなチャンスが生まれる。
コメント:
本物のプロは一度横に振った首を次の瞬間に縦に振らせる、断る事項を解消すれば断る理由がなくなるから。