カスクとはウイスキーの熟成に使用する木製の樽のことを指します。 蒸留されたばかりのウイスキーの原酒は無色透明ですが、カスクの中で年月をかけて熟成することで琥珀色になり、香りや味わいが形成されていきます。 「ウイスキーはカスクで決まる」と言われることもあり、それくらい樽は重要な要素のようです。
スコッチウイスキーやアイリッシュウイスキーでは熟成に使う樽を「カスク」と呼びます。 一方、アメリカンウイスキーやカナディアンウイスキーでは、標準的なサイズの熟成樽(約53ガロン=約200リットルのアメリカンホワイトオーク樽)を「バレル」と呼ぶのが一般的で、その呼び方が定着しています。
樽の材料となる木は、現在はオーク(ナラ)が主流です。 オークは硬くて密度が高く液体をしっかり保持できるうえ、香りや風味の素になる成分も豊富とされています。 長期熟成にも耐えられることからウイスキーの熟成用としてオーク樽が選ばれてきたようです。 オークにもいくつか種類があり、代表的なものとしてアメリカンオーク、ヨーロピアンオーク、ジャパニーズオーク(ミズナラ)などがあります。
アメリカンウイスキーの一種であるバーボンは、法律で「内側を焦がした新しいオーク樽」を使うことが定められています。 一方、スコッチやアイリッシュ、ジャパニーズウイスキーでは新樽を使う例はごく一部で、多くは一度別のお酒を熟成させた"中古樽"を再利用します。 典型的なのが「バーボンカスク」です。 まず新樽でバーボンを一定期間熟成させ、その役目を終えた樽をスコッチやアイリッシュの熟成に使います。 もう一つ代表的なのが「シェリーカスク」です。 かつてはシェリー酒の輸送に使われた樽がスコッチの熟成に再利用されてきたそうです。 現在ではウイスキー向けに新しく組んだ樽にシェリーを一定期間入れて"ならし"(シーズニング)、その後ウイスキー熟成に用いる方法が主流になっているとされています。 シェリーにもオロロソやペドロ・ヒメネス(PX)などさまざまなタイプがあり、それぞれのシェリーカスクがウイスキーに異なる個性を与えます。
ごく概要に触れただけですが、カスクの種類や使い方の組み合わせはほぼ無限にあり奥の深さを感じます。 今後も少しずつ調べながらカスクの世界も掘り下げていきたいと思います。
世界五大ウイスキーは、スコッチウイスキー、アイリッシュウイスキー、アメリカンウイスキー、カナディアンウイスキー、ジャパニーズウイスキーの5つです。 その中からアイルランドのウイスキーであるアイリッシュウイスキーについて書いてみます。
アイリッシュウイスキーは、アイルランド島(アイルランド共和国+北アイルランド)内で蒸留・熟成され、かつ、容量700リットル以下の木製樽で3年以上熟成させたもので、その条件を満たすものだけがアイリッシュウイスキーを名乗ることができます。 タイプとしてはスコッチと同様にシングルモルト、グレーン、ブレンデッドがあり、これに加えてアイリッシュ特有の「シングルポットスチル」が存在します。 シングルポットスチルは、モルト(大麦麦芽)と未発芽大麦を組み合わせて仕込み、単式蒸留器(ポットスチル)で蒸留するアイリッシュ独自のタイプで、単一の蒸留所で造られたものを指します。
アイリッシュウイスキーは、20世紀では蒸留所が3か所まで減少しましたが、21世紀に入ってから大きく復活しており、現在は50前後の蒸留所が稼働しています。 近年はインド市場での伸びが著しく、世界全体では年間1,500万ケース以上が出荷されています。 そのうち約1,000万ケースを占めるのがミドルトン蒸留所のジェムソンで、世界で最も多く飲まれているアイリッシュウイスキーです。
一方日本市場では、ロイヤル・オーク蒸留所のバスカーが近年販売数量を大きく伸ばしています。 発売してわずか数年で日本における販売数No.1アイリッシュウイスキーになりました。 そして1608年のライセンスにさかのぼる世界最古クラスのライセンスを持つウイスキー蒸留所として知られるオールド・ブッシュミルズ蒸留所、その銘柄であるブッシュミルズもあります。 オリジナル、ブラックブッシュ、レッドブッシュといったブレンデッドに加え、10年、12年、16年、21年といったシングルモルトまで幅広いラインナップを展開しています。
アイリッシュウイスキーは、スコッチと比べると非常に手に取りやすい価格帯のものが多いです。 まずは自分でジェムソン、バスカー、ブッシュミルズあたりを飲み比べて、その飲みやすさとそれぞれの個性をじっくり味わってみようと思います。
ジョニーウォーカー12年ブラックラベルは代表が「今も昔も、私の中でのスコッチ・ブレンデッド・ウイスキーのNo.1」とおっしゃっているウイスキーです。 あらためてこの一本についてきちんと学び直してみたいと思います。
まずはジョニーウォーカーという名前の由来や、どのようなメーカーとして成長してきたのか、そしていつ頃から大きな企業グループの傘下に入ったのかといった歴史を整理していくつもりです。 そのうえでレッドラベル、ブラックラベル、ダブルブラック、グリーン、ゴールド、ブルーなどのラインナップについても調べ、ジョニーウォーカーというブランド全体がどのようなシリーズとして構成されているのかを理解していきたいと考えています。
その中でもジョニーウォーカー12年ブラックラベルについては重点的に深掘りしていきたいです。 代表のブログではキーモルトとしてラガヴーリン、タリスカー、カーデュの名が挙げられており、これらの蒸溜所や個性についても学んでいくつもりです。 またブレンデッドウイスキーそのものに関する知識もあらためて蓄えたいと思っています。 ブレンデッドはどのような考え方と工程でつくられているのか、そしてブラックラベルはどのように仕上げられているのか。
一つのお酒とじっくり向き合い、その背景を知ることで「一杯」をこれまで以上に大切に味わえるようになりたいと考えています。
ウイスキーは代表に教えていただいたお酒です。 代表は50年以上飲み続けており昔は関税の影響で驚くほど高価だったこと、そして古いボトルから最新リリースまで幅広く把握されていることなどを語ってくださいます。 お酒全般に造詣が深いなかでもウイスキーへの情熱は格別でブログに書き切れないほどの知識と体験をお持ちです。
私自身もウイスキーを飲むようになりましたが、当初は「おいしい」以外の言葉が出てこず代表からは「まずいウイスキーがあるか」とよく叱られました。 最初のウイスキーをアイラの個性の強い「アードベッグ」で迎えたこともあり他に興味が向きにくかったです。 そこで代表から「ブレンデッドからやり直してみろ」と助言をいただきリーズナブルな価格帯のブレンデッドをいくつも試すうちに「ウイスキーはすべてうまい」という言葉の意味が少しずつ腑に落ちてきました。
大きかったのはアルコール自体の味と香りを体験したことです。 以前は無味無臭だと思い込んでいましたが実際には甘みや刺激、うまさなどがあり、私が感じていた"甘さや強さ"の一部はアルコール由来だったのかもしれないと気づきました。 これまで私は肝心の要素を捉え切れていなかったのではという疑念がわき今の学び直しに至ります。 今の課題は味をきちんと感じ分けることです。 そのためには「引き算」(アルコールの味を消す等)が必要ですし、微妙な違いを拾える舌を育てるには経験が欠かせません。 その先にはこれまでとは違う愉しみ方ができるようになるそうです。
代表は銘柄だけでなく蒸留所にも明るく規模の大小や近年の再稼働まで詳しいです。 本場スコットランドだけでも152か所(2025年6月時点、SWA)あり、ほかにアイルランド、アメリカ、カナダ、日本が"5大"として有名で、近年はインド、台湾、イスラエルなども注目されています。 少なくともアイラ島の主要蒸留所である、ボウモア、ラフロイグ、アードベッグ、ラガヴーリン、カリラ、ブルックラディ、ブナハーブン、キルホーマン、アードナッホー、ポートエレンは押さえておきたい。 新設や復活の動きも続いており、せめて今の時代の知識だけは備えておきたいと思います。
愉しみ方は人それぞれだそうです。 自分に合った飲み方を選べばよいそうです。 それをできるようになるためにもまずは基本をしっかり押さえ少しずつ範囲を広げていこうと思います。