2022年9月10日 08:00
「日本人ほどデータにうるさい人種はいない」と言われます、例えばオーディオ製品や自動車を購入するときに各社のパンフレットを集めてはデータを参考にする人を見かけます、また詳細に記載していないとメーカから取り寄せる人もいます。
はたしてこれらのデータはどれ程の信頼性があるのでしょうか、「当社比」などはどの製品との比較なのかも判りません、また他社製品との比較ではありませんから第3者機関で測定したら極端な話が全メーカ中最も劣るのかも知れません。
他のデータも同様に各社各様の環境と測定器を使っています、これは環境が最も影響しますし測定器との電気的特性からの相性というのもあります、A社の測定では業界トップでもB社の測定では中間以下ということも普通に起こりえるのです。
オーディオアンプなどの機器や自動車のエンジンようなアナログ系のデータは本当に曖昧で測定方法によっても大きく異なるし入力ソースやオイルなどによっても当然異なります、またテスト用に接続する他のリファレンス機器(参考機器)や装置との相性まで出てきてしまいます。
デジタル系とアナログ系の大きな違いは、アナログ系の諸性能は同じ回路や同じ部品を使っていても大きくデータに違いが出ます、つまり部品などの個体差が大きい(バラツキ)ことが特徴です、これはデジタル系では殆どありません。
オーディオ製品でいう極論ですが、パンフレットに出ている各種データの差を耳で聞いてはっきり解る人は殆どいません、何故ならそもそも人間の耳はアナログですから人によって聞こえ方がかなり違うのです。
何が言いたいのかと言うと、与えられたデータに頼るのではなくて自分で確認する体感が最も信頼できるデータだということです。
人やビジネスに関してもそうです、他者から与えられた評価や情報を信用するのではなくてあくまでも自分で体感してその人を信頼できるかどうかを判断すべきです。
そもそも情報が正しいかどうか、情報を与えた人が信頼できるのかどうか、まずは与えられた情報は疑ってかかるくらいの気持ちが重要です。
そして目に見えるものだけが真実ではないということ、これが真に理解できるようになるにはそれなりの他者を通した経験を積む必要があります。