2023年11月 8日 08:00
「それは、社長さんが望まれたことなのではないでしょうか?」
この一言は、倒産の危機に直面している状況を長い付き合いのある社長さんから聞いた際に私が思わず発した言葉です。
その会社は大手取引先に対する売り上げが90%を超えており、その売り上げの殆どが受注開発でした。
以前から、その社長は私と会う度に1社に売り上げが集中していることを大変危惧し、業務内容も受託開発からオリジナルのパッケージソフトを手がける企業への転身を望んでいました。
それを聞いていただけに大手取引先が倒産し倒産の危機を迎えた状況を私が冒頭のように表現したのでした、つまり大手取引先の倒産はその企業の経営改革そのものを自ら手を下すことなく自然の流れの中で行えるように行動した結果と言うことではないでしょうか?
仮に社長本人が経営改革を行いたいと常日頃から考えていなければ、おそらくその大手取引先の経営悪化に対して何も対応しなかったというのは疑問が残ります、支払い遅延要請や現金振込みから120日サイトの手形支払いに変わるなど明らかなる予兆はあったのですから。
何故この社長はもっと早く他の取引先の確保やソフトランディングでの撤退を行わなかったのでしょうか、それはおそらくスムースなる企業変革を望んでいたことが無意識のうちにそういう行動を拒んだのではないでしょうか?
事実はどうかは判りません、しかし私は自分の経験に照らし合わせて考えるに確実に自分が望んでいることは遅かれ早かれ実際に起こることになります。
それは無意識の領域に入った「強い欲求」は、自分の思考や行動までもが無意識のうちにコントロールされてしまうからです。
私がよく口にする「一事が万事」、これは無意識の領域に入った思考は意識することなく自然に行動を起こしてしまうことを指しています、したがって何気ない言動や行動を見れば確実にその人の本性を見極めることができるのです。
「夢や大きな目標は諦めなければ何時かは実現する」、おそらく強い欲求が無意識の記憶へと移り本人が意識しないうちに行動や言動を行っているのです。
それに呼応して周囲に様々な変化が起きるのです、達成の障害となる者が自然に消え必要な人材や企業が寄ってきます。
このような一見不可思議な現象は明らかに本人が無意識に望んでいたことが表面化した結果です、そしてそのきっかけは自らの無意識なる行動に他ならないのです。