2023年11月 7日 08:00
「どんなに儲かりそうな話でも、自分が解らないことはやったら駄目だね」
これは30年以上もお付き合いのある中堅商社の社長の口癖です、商社という業種柄いろいろな儲け話が連日のように飛び込んでくるようです、しかしこの社長は絶対にそういう話には一切乗らないことで有名です。
社長曰く、「本当に上手くいきそうな話も中には有るが、例え誰かがやって上手くいったとしても自分の世界と違うことは自分がやったらまず上手くいかないものだ、これはもう何回も経験してきて解ったことだから」と言います。
更に「業界に5年居てようやくその業界を知る、その世界で本当に成功を収めるには更に5年、そして肌で感じるような感覚にならなくては絶対に上手くはいかない、上手くいくと思うのは業界をまだ知らない素人だからだ」とも。
私は今ではこの言葉を自分に対しての言葉のように考えるようになっています、私もまたいろいろな話が連日のように飛び込んできます、聞けば儲かりそうな話ばかり、しかもIT業界ですから裏の裏までよく知った世界です。
でも自分が長年この世界にいて経験してきている肌感覚を信じることにしています、その肌感覚はほぼ100%的中しています。
どうしても気持ちの乗りが悪いときは一時的に伸びそうな気配も見せますが最終的にはやはり廃れていく事業や人ばかりです、本当に儲かる話なんて世の中にそうそう存在しているものではありません。
自発的に創出した事業ならまだしも本当に儲かる事業なら既に多くの人が手を出しています、そして話を持ってきた本人がとっくにやっているでしょう。
他者に話を持っていくということは、現状上手くいっておらず何かの新しい方策を必要としているか停滞事業そのものの売却を目論んでいるか、正直そんなところなのではないでしょうか?