2021年6月 7日 08:00
「いざというときに、必要なお金を期限までに集められるか?」
これは、事業を営む者や人の上に立つ者全てに言える最も最高位の重要不可欠な事項です。
金策を行った瞬間にその人の姿勢や覚悟、ビジネスマインド、有益な人脈の有無、そしてこれまで生きてきた証としての社会的信用力や心許せる人の有無が露骨にも白昼の下に曝け出されます。
つまり今の状況はこれまでの生き方の集大成であり、集められる金額は現在のその人の社会的価値の額とも言えるのです。
厳しいようですが、多くの成功者を見てきて確信を持って言えるのがこの事項です。
言葉や身なりは立派でも、金策をさせたらあっという間に化けの皮が剥がれます。
更には自分の生活の為ではないのです、事業や従業員の為にどれだけの犠牲を払う事ができるのかという姿勢を問い質されるのです。
融資やローンであろうが人から借りようが方法は何でも構いません、期日までに必要なお金を集める事ができなければ信用を失い事実上の経営破綻状況となるのです。
たった数万円足りなくても約束の債務履行ができなくなります、このシビアな問題に本気で取り組むことができるか否か、極めて過酷な自分の価値を知らされる瞬間です。
そして、その人の絶対的危機回避能力が露見するのもこの金策なのです。
社員を抱え何十年も経営している人であれば、何度も何度も期日に間に合うように金策しては重大な危機的局面を乗り越えてきているのです。
最後の最後まで諦めずに知恵を絞り這いずり回っても必要資金をかき集める、これができなければどんな苦境さえも乗り越えることはできません。
そして、金策意識と能力の低い人に重要任務を任せることはできるはずもありません。
生きてきた足跡、生き方を表像させるもの、それがこの金策という事項なのです。
この結果においては、どんな指導を行おうとも意味の無いものになります。
この金策という事項、後継者に相応しいかどうかを確認するに最も短期間でその人の「人となり」を測れる事項は他にはありません。
どんな奇麗な言葉も振る舞いも、どんな立派なスキルや資格も、金策の結果の前では何の根拠も示すことはできません。
それらは、単なる表面的なポーズや表示でしかないことを証明されてしまうのです。
過去、私は必ず役員など重要なポジションを与えた人、もしくは与えようと考えている人には後が無い状況を作り出して必ずこの金策を命じます。
この結果において多くの人が自然に去って行きます、隠しようのない自身の存在価値を曝け出されるのですから当然と言えば当然かもしれません。
そして、共通する最後の言葉が「自分の生活は自分で守る」というものです、本末転倒発言もいいところで言い訳にもなりません。
自身のお金を叩いて事業を構築し、社員を雇った事もない人というのは何時の時代も根拠のないプライドだけは何をおいても立派なようです。