紆余曲折ありで手に入れた理想郷ですが、私がここに来るようになる前から先住者がいたことが判明したのです、その先住者とは1匹のオスのキジです、私が行くたびにどこからともなく飛んできては大きな声で鳴き誇ります。
キジはキジ目キジ科キジ属キジのみの独立種で知られており単独行動を取ることから非常に気位が高い鳥だと思います、オスは縄張りを持ち互いに大きな鳴き声で威嚇し合います、メスはオスの縄張りを巡ることで気に入れば巣作りして繁殖します、つまりこのオスのキジは私の理想郷を縄張りにしていて私を外来者として威嚇しているようなのです。
頭には鶏と同じような赤い肉垂があり全身光り輝く青緑色で翼はスカイシルバーという何とも言えない上品な姿です、一時期は食用や剝製にするために乱獲され数を減らしましたが今では絶滅危惧の指定にもなっておらず種を保存できているようです。
ところで辞書などではキジの鳴き声として「ケーン、ケーン」と二度鳴くと書かれていますが、実際は2度ではなく「クェックェーン」と二度鳴きに聞こえる一度鳴きです、オーディオ好きの私の耳感覚では400Hz前後の最も遠くまで届く周波数帯域であることが解ります。
頭の赤い肉垂が鶏のようだと思って調べてみたら鶏がキジ目キジ科キジ亜科ヤケイ属で各種の種の交配によって生まれていたことが解りました、つまりキジは鶏の祖鳥と言っても過言ではありません。
なるほど肉垂といい鳴き声の周波数帯域といいキジと鶏はよく似ています、大きさもほぼ同じです、野生動物もいろいろ調べると極めて興味深い事実が解り本当に面白いです。
キジが先住者であることは認めて仲良く暮らしたいと思うのですが一つ心配事ができました、それはここで鶏が飼えるのだろうかということです、つまり縄張りを持つキジと近縁属の鶏が喧嘩し傷つけあうのではないかという不安です、仲良く共存できることを祈りつつ近未来の鶏の放し飼い計画を進めることにしましょう。
理想郷本丸の住居建物は圃場内のロッジとして活用することになりました、つまりこの住居は誰も住むこともなく農業法人の食品加工と各種事業の施設として使います、更には農業イベントを開催した際には利用者の食事処や簡易宿泊所として活用します。
車も敷地内に優に10台以上駐車できる空間を作りました、これで将来的に様々な農業イベントを開催することが可能になります、きっとこんなことをやっていると愉しさで病気になるのも身体の疲れも忘れてしまうかもしれません。
人生の最期にこんな愉しいことが次々と実現しようとしているとは本当に幸せです、若い頃から何となく各種の考えはあったもののまさか本当に実現しようとしているとは自分でも驚きます、夢はやはり諦めさえしなければいつかは実現するのです。
ところでロッジの内装工事がついに完成しました、思った以上に広く感じるので大変気持ちがいいです、1Fはリビング・キッチン・トイレ・シャワールーム・洗面所が仕切り無しの一体となった約50帖のワンルームで2Fは何もない20帖の空間です、木造と違い柱が空間の中に無いのでより広く感じます。
室内は床も壁も天井もロンドンのホテルのようなブリティッシュ風にしました、床は最も白いホワイトオークを使い壁と天井は塗り壁調にしたので昼間は採光が2面だけにしたのにかなり明るいです。
オフィスが自然木を生かした全面ログハウス風でロッジはホテルのような洋風、用途と建物仕様が逆なのではないかと思えるこのアンバランスなコントラストが気分転換には最高です。
また2Fには30帖の広いベランダがあります、夏場にビアガーデンのように自然の涼しい夜風を感じながら屋外飲みを愉しめます、またフルーツを乾燥させたりといろいろ使い勝手がよいです、また景色も大自然を見渡せ実に気持ちがいいです。
残るは広いオープンデッキと外装工事の完了を待つのみとなりました、こちらもちょっと拘った仕様にしてみました、今から完成が待ち遠しいです、オフィスの完成時のように足場が外されたときの達成感が最高なのです。
FIFAワールドカップで日本の2戦目はチュニジアとの対戦で4-0のアジア地域国の記録を更新する大勝でしたね、これで決勝トーナメント進出にぐっと近づき楽しみが更に増大しました。
さてかれこれ13年間に渡り毎年新年にラボで新年会を行っています、今年も総勢8名という過去最大人数での開催となりました、そして先週末に初となる夏の季節に飲兵衛な男衆だけでの開催となりました。
これには私なりの意味がありますが参加者はあまり意味を理解していなかったかもしれません、私は意味が無いことも理由が無いことも行わないのです、行うからには当然に意味も理由もあるのです。
一つは年初に創出した大手企業を何社も巻き込んでの壮大な規模の新事業の契約や組織作りが終わり、いよいよ来月から更に多くの企業を参加させた事業新年度を迎えるということ、つまりその新事業のキックオフ会ということです。
また愛弟子がその新事業の代表を務めるので就任祝い、更には別のスタッフは本業会社の社長に来月から就任するので就任祝い、他様々な事由と時期が重なったことにより開催することを決めたわけです、スタッフには一言も言ってませんが休日だというのに声をかけた者全員が参加したので一応は気配を感じたのかもしれません。
こういうことがきっかけで年1回のラボ飲み会が年2回になるかもしれません、あるスタッフは毎月でもいいのではと言いますが、さすがに身内の飲み会だとはいえ大人数の料理はいい加減なことはできない私にとっては事前の準備も含め結構な労力となります。
ラボ飲みとは言えほぼ私の道楽空間ですから家飲みみたいなものです、私の父親もよく社員を呼んで家飲みを深夜まで行っていました、居酒屋で行うのとはまるで違います、時間を気にせずそれぞれが自由に飲食し、話もプライベートなことまで及び親交が深まることは言うまでもありません、これも私の理想郷の一部なのです。
今年に入り早々に動き出した理想郷拡大計画第一弾は隣接する130坪の宅地でした、しかしその後の調査の結果上下水道問題と約半分ほどの部分を他者に駐車場として貸している約束事を維持するという条件などを考慮し4月に一旦購入を見送り中断させました。
その合間を縫って浮上してきた第二弾の農地拡大計画が同月にあっという間に先に実現してしまいました、本丸の裏に広がる9筆2100坪の購入契約を締結し理想郷の地は一気に3倍となり約3000坪となりました。
この間に果樹園や広い庭の各種探索と点検を行っていてある問題に直面しました、それは第一弾での隣接する宅地に植えられている4本の古い樹木のすべての枝や根が理想郷の宅地に越境しており根で宅地境界の石垣が浮いているのが見つかったのです、仲介の不動産屋を介して早期の対処をお願いしていました。
6月上旬に不動産屋から連絡が入り駐車場を現使用者に貸すのを承諾してくれれば前回打診した価格の半額でよいので購入を再度検討してくれないかというのです、先日裏の広い農地を購入したばかりであり更には予想を上回る建物の工事代金が圧し掛かってきています、半額とはいえ現状では即答出来かねる状況です。
天の与えたチャンスに機を逃さず素直に応じるのが私の信条です、経済的な問題だけであれば常に解決し実行してきました、そんな私ですが今回は様々な要素を検討しなければなりません、それはこの土地を手に入れた後に勃発する整地問題です。
1年間広い土地を3人がかりで整地してきてどれほど重労働で大変になるかは身を以て解っています、再度大きな木を何本も伐採したり何かに使われていただろうと思われる石やブロックなどの残置物を廃棄したりと整地の費用も相応額がかかります。
大きな樹木を伐採して廃棄するだけで業者に頼めば1本で20万円以上となります、ましては本件の大きさだと確実に重機の投入となりますので幾らかかるかわかりません、更に近年は瓦礫やコンクリート塊を引き取ってくれるところが無く自身の土地に大きな穴を掘って埋めるしか手がないようです。
こういった処分方法も検討しなくてはいけないのです、本当に自身がやりたい事であれば必然的にその状況になっていくものです、天の声を味方につけてここはじっくりと各種熟考することにしましょう、他に買い手はいませんから時間はたっぷりあるのです。
昨秋の内装や作業小屋などの不要部分や付帯設備のぶち壊しに始まった本丸建物(今後、「本丸ロッジ」と呼びます)の工事ですが床や壁の工事が終わりシャワールームやトイレなどの設備も設置され始めています、残すところは2Fベランダの鉄製手摺の撤去と外装工事です、屋上は徹底的な防水加工を施して浸水による老化を防ぐ仕様にしました。
本丸ロッジの工事はゴールが見えてきましたが並行して1年前からスタッフと共に庭や果樹園の整備を行っておりこれまでに優に100本を超える木を伐採しました、放置された枯れ木や鬱蒼と枝が暴れた木と雑草に覆われていた空間が見通し良い爽やかな空間に変わりました、とはいえ出来るだけ自然を生かすことを意識しているので極端な人工的空間は創らない方針で進めています。
そんななかで今現在行っている作業はガーデニングが中心です、畑や果樹園は木の伐採と処理で大変でしたが今度は大きな石の移動です、これが思いのほか重労働です、もう何個の石を撤去したり置き換えたりしたでしょうか、そして筋肉痛と引き換えに広い何も無い空間がどんどん出来上がっていきます。
何も無い広い空間は私の感性ともマッチしており気持ちがいいです、もう一つの意味は未来への準備のためです、この圃場は農業法人でいろいろな事業を展開するための重要拠点になります、果樹や野菜作りをして販売するだけが農業法人の収益事業ではありません、法人としたからには農家にはできない新たな農業関連事業を幾つも興したいと考えているのです。
地方で人が集まる場所を想定するなら駐車スペースが最も重要になります、そこで市道に繋がる私道を限界まで広げ車がすれ違えるようにしました、この結果市道よりも広い私道が理想郷に誕生しました、並木通りのように植えてあった木を伐採し大きな石を数十個も移動させました。
また意味のなさなかった空間を形成していた庭木や石を排除して東屋も自然に溶け込む位置に移動させました、重労働の土木工事により理想的な空間の完成が近づいています、まだ途中ではありますがどんどん景観が変わっていきます、購入当初の写真と見比べるとまるで別の場所のようになっています。
意味のなさない空間はデッドスペースと呼びます、つまり極めて気の流れがよろしくないわけです、「理想郷に一つとしてデッドスペースが無いようにする」、これが私のガーデニング思想です、デッドスペースだった場所に手を加えることで有意義な空間に代わります、これが本当に気持ちが良いのです。
私の中には強い空間意識があります、狭い空間に所狭しとあらゆるものが詰め込まれた場所が大嫌いなのです、住居も庭も何もないぽっかり空いた空間が無いと落ち着かないのです、そんな意味でガーデニングも徹底して妥協せず一から作り直す気持ちで行っているのです。