
敷地内の土を掘ったり枝を剪定したりした土や枝をまとめておいたところからひょっこり出てきた可憐な黄色い花。
はて?
昨年は、このような花は見かけなかったような・・・。
まだ、観察力が足りないようです。
草丈は10~20cmほどの多年草で、葉は地面に張り付くように広がるロゼット状で冬を越します。
花は淡いクリーム色や黄色が基本ですが、園芸品種では白、青、ピンクなど多様な色があり5枚の花弁が平たく開く形が特徴で、中心部には濃い黄色やオレンジ色の模様が入ることが多いです。
湿り気のある草原や林床に自生し、日当たりが良く、水はけの良い場所を好みます。
繁殖力は強く、こぼれ種でも増えるほど丈夫で育てやすい植物です。
「プリムローズ(primrose)」の語源は、ラテン語で「最初のバラ」を意味する「prima rosa」に由来します。春先にいち早く咲くことからこの名がつきました。
学名:Primula vulgaris
分類:サクラソウ科 サクラソウ属
開花時期:2~5月

常緑針葉樹の高木で地植えでは高さ20mほどにもなり幹は一本立ちし、潮風に強いので防風林としても植えられます。
葉は細長く幅広で平たい形をしていて光沢があり一年中緑を保ちます。
若い枝は比較的柔らかく刈り込みに強いため庭木や生垣としてよく利用されます。
雌雄異株で、雄株は5〜6月頃に葉の付け根に黄色っぽい雄花を咲かせ、雌株は花の後10月頃にユニークな形の実をつけます。

代表のオフィスの庭に植樹されていたのは雄株のようです。
花托(かたく)である茎の部分が赤く肥大して多肉質になり、その先端に白い粉を吹いたような緑色の種子がつきます。
花托は甘く食べることができますが、先端の緑色の部分は毒性があるため食べられません。
耐湿性や耐蟻性に優れているため建築材として重宝され、沖縄では首里城にも使われるなど主要な建材の一つでした。
漢字で「犬槙(イヌマキ)」と書きますが、動物の犬と直接的な関係はありません。
本来、「マキ(真木)」というと特定の樹種を指すのではなく、良材となる木や優れた木の総称で「真」は「すぐれた」という意味の接頭語です。
イヌマキは、スギやヒノキ、コウヤマキなどの優秀な「真木」と比べて劣るという意味で「犬(イヌ)」という接頭語がつけられました。
植物学においては本来の種よりも劣るあるいは似て非なるものを意味する接頭語として「イヌ」がよく使われます。
なお、コウヤマキ(高野槙)はコウヤマキ科でイヌマキとは科が異なる別の種類の木です。
学名:Podocarpus macrophyllus
分類:マキ科マキ属
開花時期:5~6月

石の陰に小さく可憐に咲く花、その名も
大犬の陰嚢(オオイヌノフグリ)
・・・・・・
大きい犬の睾丸!?
なぜ、そんな名前を・・・。
しかも小さいのに、なぜオオイヌ?
名前の由来は、調べてみるとなかなか面白い。
明治初期に渡来したヨーロッパ原産の帰化植物で、もともと日本に自生していた「イヌノフグリ」という植物に似ていて、それよりも大きいことから「大」が付き、果実の形が犬の陰嚢(フグリ)に似ていることから「フグリ」が付けられました。
草丈は10~30cmほどで、茎は地面を這うように広がり先端が立ち上がりますが、横に広がる性質が強いため密集して生えることもあります。
葉は卵形から円形で、縁には不揃いの鋸歯(きょし)があり、表面にはまばらに粗い毛が生えていて、下の1~2対が対生し、それより上は互生します。
花はコバルトブルーで小さく、花冠は直径約1cmで深く4裂していて下のほうが短い筒の形をし、花弁が4枚あるように見えますが基部はつながっています。
花弁には濃い青色の筋が入っていて中心部は白っぽいことが多く、花の中心には雌しべが1本、雄しべが2本あります。
花が終わるとやや扁平で幅の広いハート形の果実ができ、この実が犬の陰嚢に似ていることが名前の由来とされています。
果実の中には8~15個の小さな種子が入っていて熟すと弾けて種子を散布します。
日当たりの良い湿った場所を好みますが、非常に丈夫で耐寒性や乾燥にも比較的強く、種子だけでなく茎が地面を這って根を張ることでも増え、在来種のイヌノフグリを駆逐する勢いで広がっています。
外来種であるこのオオイヌノフグリに影響され、日本の在来種の「イヌフグリ」は数を大幅に減らし、絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。
オオイヌノフグリは、現在では日本全国の道端、畑の畦道、公園など全国いたる所で普通に見られる野草で、他の植物がまだよく伸びていないころに花を咲かせるので見つけるのはやさしく誰でも目にしたことがあると思います。
風の冷たい早春の日だまりに小さなコバルト色の花をたくさん咲かせ、太陽の光に反応して開き、日が暮れるとしぼむ「一日花」ですが、次々と新しい花が咲き続けます。
この小さく青い花が、まるで星のように見えることから『星の瞳』という美しい別名も持っています。
代表のオフィスの庭を観察していると勉強になります。
学名:Veronica persica
オオバコ科クワガタソウ属
開花時期:2~5月

代表のオフィスの敷地の角にひっそりと植樹されています。
排水の良い酸性土壌と半日陰で最も育つ常緑低木で、高さは1~3mほどですが原産地の北アメリカ東部では10mにもなります。
長楕円形の濃い緑色で光沢のある革質の葉は、シャクナゲなどに似ていることからアメリカシャクナゲという別名ももっています。
蕾は金平糖のような五角形の蕾を付け、蕾が開くと直径2cmほどの浅いお椀のような形で開花します。
花色は白や淡いピンクが一般的で、花弁の内側には濃い色の模様が入ることが多いのが特徴です。
花弁の内側には雄しべの先端の葯(やく)が収まるくぼみがあり、昆虫が触れるとこの雄しべがバネのように飛び出して花粉を付着させるユニークな仕組みを持っています。
学名:Kalmia latifolia
分類:ツツジ科カルミア属
開花時期:5~6月

痛ぇ!!
他の植物とともに代表と剪定しようと枝を持ったところ、トゲを掴んでしまいました。
非常に成長が早く丈夫な樹木で成熟すると10〜25mにもなる高木です。
樹皮は若木の間は滑らかですが、成長すると縦に深く裂け目が入った暗褐色になり、葉は互生する奇数羽状複葉(きすううじょうふくよう)で、小さな卵形の小葉が多数集まって一枚の葉を形成し色は鮮やかな緑色です。
枝の付け根に托葉(たくよう)が変化した鋭いトゲが対になって生えるのが特徴です。

↑ これで1枚の葉
ニセアカシアの最大の魅力は、初夏に咲く甘い香りのする白い蝶形の花で、フジの花を小さくしたような形をして垂れ下がる房状(総状花序)に多数咲きます。
ミツバチにとって重要な蜜源植物であり「アカシアの蜂蜜」として流通しているものの多くはこのニセアカシアの蜜です。
知らなかった・・・。
土壌を選ばず荒れ地や痩せた土地で過酷な環境にも適応できる強靭な性質を持っています。
マメ科の植物で根粒菌と共生し空気中の窒素を土壌に固定する窒素固定能力があり、土壌を肥沃にするので砂漠の緑化などにも利用されています。
実は樹皮、葉、種子にはロビンと呼ばれる有毒成分が含まれ、人や家畜が摂取すると吐き気、嘔吐、腹痛などの症状を引き起こす可能性があります。
ただ、花には毒性がなく、天ぷらなど食用にされることもあります。
アカシアの蜂蜜の元はなぜ「ニセアカシア」なのか、「アカシア」は何なのか疑問です。
「アカシア」と「ニセアカシア」は、どちらもマメ科の植物ですが、実は全く異なる属に分類される別種の植物です。
日本でアカシアと呼ばれて親しまれているもののほとんどは実はニセアカシアで、植物学的には北米原産のハリエンジュ属の植物で別名「ハリエンジュ」とも呼ばれます。
一方、本来のアカシアはオーストラリア原産のアカシア属で「ミモザ」や「ハナアカシア」と呼ばれます。
ニセアカシアは日本に輸入された当初アカシアと呼ばれていて、その後、本来のアカシアが輸入され区別するためにニセアカシアと呼ばれるようになった! というややこしい理由があったようです。
※羽状複葉(うじょうふくよう):植物の葉の形態の一つで、葉軸(ようじく)の左右に小葉が鳥の羽のように並んでいるものを指します。葉軸の先端に小葉があるものを奇数羽状複葉、先端に小葉がないものを偶数羽状複葉と呼びます。
※托葉(たくよう):葉柄の付け根や茎の節の部分にできる葉状の付属物
学名:Robinia pseudoacacia L.
分類:マメ科ハリエンジュ属
開花時期:5月下旬~6月