近年テラリウムブームで一躍スターダムに伸し上がった山野草が存在しています、その名はユキノシタというユキノシタ科ユキノシタ属の小さな山野草です、昔から山野草ファンの間で密かに育てられていましたが湿気にも強く丈夫なのでテラリウムの下草としてよく用いられるようになりました。
上手く育てるとランナーを伸ばして増えていきます、近年では自生する地域による個体差が認められ園芸種も誕生しています、斑入りや色の違いなどテラリウムファンによってコレクション&繁殖されるようにもなっています可憐な花も咲かせますので益々ファンが増えていくかもしれません。
ユキノシタは雪が積もっても葉の表面に生えている細かな毛によって葉が直接雪に包まれることなく雪の下でも生存できるような構造をしています、そういった事から名が付けられたのでしょう。
昨年購入した地方都市にある家の庭で小さなユキノシタを見つけました
種が飛んできてここに芽生えたのでしょうか
天然のユキノシタは葉脈が綺麗に出ています
天然物は本当に綺麗です
<2024年11月>

4か月後に見た時にはかなり大きく成長してランナーを伸ばしていました
ランナーの先に子株を付けて繁殖します
<2025年4月>

初夏に可憐な花を付けました
この場所に完全に定着したようです
<2025年5月>

テラリウムショップで購入した極小サイズのユキノシタ
葉脈が薄くどことなく弱弱しい印象がありますが成長は早く1年で倍ほどの大きさになります
ソイルは山の自然の土に近い醗酵ピートモスを使っています
テラリウム用に加湿に強く環境適合していますので屋外に出すと枯れてしまいます

庭木や鉢に入れての室内育成で人気のジンチョウゲは漢字で沈丁花と書きます、その意味ですが香木の沈香と香りが似ていて花の形が「丁」の字のようなラッパ型の小さな花が集まったアジサイのように咲くところから名づけられました、ちなみにジンチョウゲはクチナシとキンモクセイ共に日本三大香木の一角です。
庭木で育てた場合には最大で5mほどになることがありますが定期的に剪定すれば2mほどに落ち着かせることが出来きます、また最近では斑入り(葉に模様が入る)の観葉植物として楽しめる園芸品種もでており庭木として人気があります。
ガーデニングでは洋風にも和風にもアクセント的に使えますので重宝します、また常緑なので冬の季節にも緑を愉しめるところも嬉しい低木です。
人気の斑入りジンチョウゲ

コケの魅力にはまって以来新しいコケを見つけると買ってしまい、いつの間にかラックいっぱいにコケ標本が貯まってしまいました。
最近では水生ゴケや水生シダも育てています、それぞれ非常に特徴的な生態を見せるので妙味は更に増すばかりです。
これらのコケはテラリウムの素材として使ったり、単純に成長や繁殖の生態を見るために育てています、容器いっぱいになると株分けして大きなプラケースに移して繁殖させています、上手く育てると1年で数倍の量になりますので思い切ってテラリウムで使えます。
コケのコレクション

コケの栽培ケージ

ブルーの綺麗なグラタン皿を使用してコケ盆景を造りました、盆景は乾燥しやすいので乾燥に強いホソウリゴケを使い石庭のように小石をレイアウトしてみました。
砂は洗わなくてもすぐ使えるアクアリウムで有名なGEXの洗浄消毒済み珪砂を使用しています、袋から出してそのまますぐ使えるので昔からよく使います、川砂などを採取して使ってもよいのですが洗浄をしっかりしてから天日で乾燥させ殺菌しないとカビが発生しますので注意が必要です。

☆創作ノート
・コケ ホソウリゴケ
・装飾素材 小石(青色泥岩石)
・ソイル 洗浄消毒済みアクアリウム用珪砂(GEX)
・盆 グラタン皿
東京に出てきてから50年経ちますが雪を見ない年は1度もありませんでした、今月初旬まで今年は初めて雪を見ない冬になりそうだと思っていた矢先に初夏のような気温から一気に下がり数日間真冬に戻ってしまいました、積もるほどではありませんでしたが雨交じりのみぞれが降り例外なく東京で雪を見ることができました。
こういう時に気を付けなくてはいけないのが大事に育てている植物の風邪引きです、植物も寒暖の差が激しいと動物が風邪を引くように植物も風邪を引いてしまいます、葉の色が一気に黄ばみ元気がなくなります、でもこういうときに焦って植え替えとか肥料をやってはいけません。
植物は元気がない時には芽も出さないし根も張りません、勿論水の吸いが悪くなるので肥料をあげても意味がありません、植物が元気を無くしたら動物の場合と同様にそっとしておいてあげるのが一番です。
風邪を引いて葉が黄ばんでしまった糸魚川真柏(イトイガワシンパク)

芽が吹き始めた後の降雪は要注意

もう一つ注意する点は四季を通して屋外で育てていた植物は寒くなるからと室内に取り込まないことです、これは私の長い植物育成経験上において逆効果の場合が多いです、一時的にはいいのですが室内から屋外に戻した時に調子を崩してしまいます。
植物も動物同様で環境適応性を獲得して成長していきます、環境を変えるのが最もよくない結果をもたらします、そういう意味でいうと引っ越しで元気だった植物が一斉に枯れてしまうということもあります、やはりどんな生き物もストレスが一番よくないということです。