テラリウムや盆栽などで使うコケのうちハイゴケやシノブゴケなどの一部のコケで完全乾燥されたものが売られています、購入時は薄っぺらいタタミイワシや板海苔のようにペチャンコの状態です。
これをそのまま使うことはできませんので水に浸して戻し数ヶ月間養生してから使います、半日陰の場所で凡そ半年間寝かせるとほぼ自然界で見られるような状態に再生します。
乾燥ゴケは生ゴケの半額くらいです、ただし大量に使う場合ですぐ使うのでなければ価格的なメリットは高いのですが養生中に腐らせてしまうリスクもあるのでコケビギナーの方にはお薦めしません。
購入直後に水に浸して1時間もすると膨らんできますが枯れたような黄色をしています

半年後には自然の色に戻り見事に再生します

アクアリウムファンにはお馴染みの水草であるミクロソリウムは実は水生のシダ類です、アジアやオセアニアの熱帯地方に生息しています、近年では日本の環境に適合するように改良されアクアリウムショップで販売されています。
小石や砂に埋めてあげれば水道水だけで液体肥料も添加することなくほぼ放置状態でどんどん成長していきます、アクアリウムをやっていた頃を思い出して懐かしさのあまり3種を衝動買いしてしまいました、部屋のアクセント的に明るい窓辺にガラスケースに入れて飾っています。
ミクロソリウム・ナローリーフ

ミクロソリウム・トライデント

ミクロソリウム・スモールリーフ

近年テラリウムブームで一躍スターダムに伸し上がった山野草が存在しています、その名はユキノシタというユキノシタ科ユキノシタ属の小さな山野草です、昔から山野草ファンの間で密かに育てられていましたが湿気にも強く丈夫なのでテラリウムの下草としてよく用いられるようになりました。
上手く育てるとランナーを伸ばして増えていきます、近年では自生する地域による個体差が認められ園芸種も誕生しています、斑入りや色の違いなどテラリウムファンによってコレクション&繁殖されるようにもなっています可憐な花も咲かせますので益々ファンが増えていくかもしれません。
ユキノシタは雪が積もっても葉の表面に生えている細かな毛によって葉が直接雪に包まれることなく雪の下でも生存できるような構造をしています、そういった事から名が付けられたのでしょう。
昨年購入した地方都市にある家の庭で小さなユキノシタを見つけました
種が飛んできてここに芽生えたのでしょうか
天然のユキノシタは葉脈が綺麗に出ています
天然物は本当に綺麗です
<2024年11月>

4か月後に見た時にはかなり大きく成長してランナーを伸ばしていました
ランナーの先に子株を付けて繁殖します
<2025年4月>

初夏に可憐な花を付けました
この場所に完全に定着したようです
<2025年5月>

テラリウムショップで購入した極小サイズのユキノシタ
葉脈が薄くどことなく弱弱しい印象がありますが成長は早く1年で倍ほどの大きさになります
ソイルは山の自然の土に近い醗酵ピートモスを使っています
テラリウム用に加湿に強く環境適合していますので屋外に出すと枯れてしまいます

庭木や鉢に入れての室内育成で人気のジンチョウゲは漢字で沈丁花と書きます、その意味ですが香木の沈香と香りが似ていて花の形が「丁」の字のようなラッパ型の小さな花が集まったアジサイのように咲くところから名づけられました、ちなみにジンチョウゲはクチナシとキンモクセイ共に日本三大香木の一角です。
庭木で育てた場合には最大で5mほどになることがありますが定期的に剪定すれば2mほどに落ち着かせることが出来きます、また最近では斑入り(葉に模様が入る)の観葉植物として楽しめる園芸品種もでており庭木として人気があります。
ガーデニングでは洋風にも和風にもアクセント的に使えますので重宝します、また常緑なので冬の季節にも緑を愉しめるところも嬉しい低木です。
人気の斑入りジンチョウゲ

コケの魅力にはまって以来新しいコケを見つけると買ってしまい、いつの間にかラックいっぱいにコケ標本が貯まってしまいました。
最近では水生ゴケや水生シダも育てています、それぞれ非常に特徴的な生態を見せるので妙味は更に増すばかりです。
これらのコケはテラリウムの素材として使ったり、単純に成長や繁殖の生態を見るために育てています、容器いっぱいになると株分けして大きなプラケースに移して繁殖させています、上手く育てると1年で数倍の量になりますので思い切ってテラリウムで使えます。
コケのコレクション

コケの栽培ケージ
