バブル経済期の頃に流行った「ぶりっ子」という言葉ですが最近ではすっかり聞かれなくなりました、この「ぶりっ子」というのは初心(うぶ)で清楚な振りをしたり何も知らない少女の振りをする20歳を過ぎた女性に対して命名された言葉ですが今更ながら男女問わずに「フリ」をする人は後を絶ちません。
例えば「お金持ちのフリ」は何時の時代にも解りやすいものがあります、無理してブランドものを身にまといヘアスタイルもパターン化したような今風のヘアスタイルでまるでマニュアルでも在るかのような同じ振る舞いをします。
また「成功者のフリ」では外見は普通でも高級車に乗り年中海外旅行に行き普通の人ではお金がかかってできない事をやってはSNSなどで周囲に見せびらかします、「仕事ができるフリ」や「賢いフリ」では上から目線の話し方や用語の使い方で辟易するほどすぐに解ってしまいます。
ズバリ「フリ」をしているうちは決してそのカテゴリの本物にはなれません、そもそも本物じゃないから「フリ」をするのですから言わずもがです、本物は決して「フリ」をする必要もないし意味がありません、むしろ逆に「お金がないフリ」や「馬鹿なフリ」をするものです、それが自身の身を守るということを知っているからです。
先の「お金持ちのフリ」をしている人がドバイに行けば自分の愚かさにすぐ気が付くでしょう、空港についたとたんに身に着けているものを全部捨てたくなるような気持ちになると思います、ジーンズにTシャツの野暮ったい姿の若者がポケットからプレミアムカードを出しては普通に大きな買い物をしています、そして高級ホテルでのんびり食事を楽しんでいます。
「フリ」をしていると周囲にはそれに憧れるような「フリ」予備軍の人しか集まりません、本物は「フリ」している人には拒絶感を抱き近寄ることもないでしょう、だから「フリ」をしているとそのカテゴリの本物の人とは無縁となり何時まで経ってもお金が無くビジネスも上手くいかないのです、成功したいのなら「フリ」とそれをSNSで誇示することを今すぐにも止めるべきです、その行為が有益な人脈が得られないことに気付くことです。
世界的にプライドが高いと定評のある某国の人がこんなことを話してくれました、「この国では自分が一番と言う人が多いのは成長余力があるという自負があるからです」と、確かに発展途上の国の人たちはビジネスマンに限っての話ですが非常にプライドが高い人が多いのも確かです、話し方も自分のことばかりを一方的に大きな声で話し一切こちらの質問も受け付けません。
こういう時は「ちょっとお手洗い」と言って席を外し戻ってきてからこちらの質問をして早々に切り上げます、こちらが提携するメリットよりも相手のメリットの方が高いのですから、誰をそして何を優先すべきか、またこの席のイニシアティブは誰が握っているのかさえ解らない人であれば提携どころかビジネスそのものを一緒に行う相手ではありません。
こちらは余裕があるのですから、またビジネスの相手は幾らでもいるのですから無理して合わせる気持ちも生まれません、そういう相手の状況を察知することができないのは未熟だと言わざるを得ません。
このように余裕ある人はプライドなどという自己満足的な感情などをビジネスに出すことは一切ありません、つまり自信が無く余裕がない未熟な人ほどプライドとか譲れない拘りなどという感情を出してきます、自分を高く評価されたい、低く評価されるのが嫌だ、という個人的な感情などはビジネスにはまったく意味もなく関係もありません、個人的な感情を覗かせている間は成功することはないでしょう。
私の昔からの信条に「ビジネスに必要なものには惜しまずにお金を使う」というものがあります、ただで手に入るような物も勿論中にはあります、例えばサンプルや資料や書籍などの贈り物です、そういった場合には、いただいた物がその後のビジネスに繋がると思えばそれを齎してもらった人にお礼の意味を込めてその人が必要であろうものを後日プレゼントします。
これには私なりの過去の経験則からの法則があるのです、それは「身銭を切ってお金を払ったものでないと結果的に身につかない」というものです、取引先の行為で参加させてもらった無料のセミナーや講座に頂いた書籍、やっぱり身につくことはないのです。
それがヒントとなって利益を生む事業が構築できたことなど皆無です、身銭を切ってお金を払っての行為は何か得ようと真剣になりますし資料にもしっかり目を通すようになります、結局お金はお金を生むのです、そしてなるべくお金を使わないように生きている人は一生涯お金には縁のない人生を送るようです、お金も居心地を求めているのです。
事業アイデアや特許に必要な根幹思考は「どうしたら良いものが作れるか?」ではありません、重要なのは「何故、今の状況が好ましくないのか?」なのです、もっと言えば「何故、儲からないのか?」、「何故、買ってくれないのか?」なのです、冒頭の「どうしたら良いものが作れるか?」という思考こそが思い込みに繋がる危ない思考なのです。
ズバリ言いますが思い込みで行動する人に成功はありません、何故なら世間の状況や他者の気持ちなどがまるで見えていないからです、そしてその思考視野の狭さから生まれるものはプロダクトアウト型の独りよがりのものばかりとなります、これでは世間には見向きもされません。
プロダクトアウト型のアイデア商品で爆発的なヒットを飛ばすこともあります、しかしそれは既に知名度がある会社だけの話しであって一般の人がこれをやったところで100均に並ぶ商品にも劣るものとなるでしょう、事業アイデアや特許などの基本思考は全体を見て全てを把握した上での詳細な部分を見れる思考視野の広さと思考の余裕が不可欠です。
また更に思考視野が狭いと他者(他社)を正確に評価する事ができません、他者(他社)の良さを正確に評価して素直に褒めることができる人が思考視野が広い人なのです、思考視野が狭いと何を見ても何を聞いても自分の方が優れていると思い込んでしまうナルシスト傾向があります、だから他者(他社)を褒めることができないのです。
そして逆にちょっとでも自分を褒められると天にも舞い上がるほど嬉しくなるのです、これもまた思考視野の狭い人のナルシスト的傾向の人の特徴です、常に自分の事ばかりを優先し他者がどんな気持ちで褒めているのかさえも解っていないのです。
見たもの聞いたものだけが本質ではありません、何事にも広い視野で心の目と耳で感じることです、他者の言葉をそのままに受け取る人もまた思考視野が狭い人です、大人の感覚を持った人は常に正直に話ししているわけではありません、謙虚・謙譲・気遣いといろいろな状況と相手によって言い方を変るのですから。
社会人に必須な意識の一つに「イニシアティブ」というものがあります、これは「主導権」を意味し解りやすく言えば「この場は誰が優先されるべきか」ということです、起業したての人に多いのが「同じ社長同士だから対等」という大きな勘違いがあります、これがそもそもも人間関係での失敗を連発させ何時まで経っても成果を出せない最大の原因でもあるのです。
何故ならビジネスで重要なのは経験豊富な人のアドバイスであり人脈や仕事の紹介も含めたサポートだからです、私もそういう多くの恩恵があって今が存在します、ビジネスでは「立場の対等」と「人間関係での対等」を混同してはいけません、立場は同じ経営者でも年齢・経験・実績・ノウハウは決して同じではありません。
自身のスキルや実績よりも上の人ならビジネス上のイニシアティブは当然相手にあります、また年齢が自分より上なら尚のことです、ビジネスで上手くいかない人は何故他者の欠点は鋭く指摘できるのに自分自身に大いなる疑問を持たないのしょうか、選択する人や方法、そしてコミュニケーション方法などにおいて何かが間違っているから経験豊富な人から敬遠され上手くいかないわけです、であれば何が間違っているのかを熟考すればいいと思うのです。
不思議とこういった人ほどコンサルティングとかブランディングとかプロモーションとか他者を教える立場に就きたがります、これは何故でしょう、明確な理由は解りませんがただ一つ言える事は説得力は皆無ということです、利益もそこそこで自分磨きができない人にどうして他者を磨きあげて成功に導く事ができるのでしょうか?
少なくても知識や過去の栄光ではなくて今の生業の実績だけを根拠にビジネス手法を立て直す必要があると思うのです、ビジネスの成功に過去の栄光もプライドも一切不要です、成功したいなら全部捨てて欲しいと思うばかりです。