長年の経営経験の中ではっきり確信できることがいろいろあります、その一つに「顔力(かおぢから)」があります、「顔力」とは引き締まった顔での威圧感のようなものです、これは男性の場合は40過ぎたら特に重要かと思います、やはり顔に力のある人は何をやっても上手くいきます、人もついてきます、顧客も安心して契約します。
ところで顔力ってどこからくるのでしょうか、身体特徴に関わらず顔はキュッと締まっていて話すときには相手の目を見てそらさず話します、この説得力はどんな話しの上手さにも敵わないでしょう、逆に妙に顔は浮腫んで顔色が悪い人もいます、話すときの表情はどよんと澱んでいます、例え笑顔を浮かべて会話しても相手も真剣に話しを聞いてはくれないでしょう。
そういえば昔はロック歌手でしたが50歳超えて俳優に転身した人が昔とまるで別人のような顔つきになって驚きます、整形かと思ってネットで画像検索したら歳と共に顔に力が出てきて締まってきているのです、対して若い頃は人気を欲しいままにしたスーパーアイドルは今では全然男性としての魅力もない顔になっている人もいます。
いったい顔は人生の何を現しているのでしょうか、いずれにしても顔力は男性の場合は特にビジネスの結果に影響してくることは間違いありません、逆に言えばビジネスが常に上手くいっている人に自然と顔力がついてくるのかもしれません。
そして顔の重要性でいうともう一つあります、それは他者を意識しているときと無意識のときの顔つきの差です、これは私はもっとも注意深く観察します、心に嘘の無い人はどちらの場合も同じ顔、誤魔化し続けて生きている人はまったく別の顔をしているのです。
証券業界には「提灯」という言葉があります、この提灯とは個人投資家が参加する状況や一般投資家そのものを指しており株の場合では「その株のトレンドは既に終わっている(儲からない)」ことを指しています。
株投資のプロは株価が低位状況にあり将来業績が上がると予測ができる企業の株を買えるだけ買っておきます、これを青田買いといいます、株価とは業績が上がるという予測が的中した際には一気に高騰します、この状況でようやく個人投資家が買いを入れてきます、これを「提灯が点いた」と称します、つまり祭りの前夜ということでしょう、そしてその状況を見計らい個人投資家の買いにぶつけて売り逃げするのが最も儲かる株投資の定石なのです。
この「提灯が点く」という現象はあらゆるカテゴリで例外なく存在しています、例えばビジネス手法やマーケティング手法、これも最初の僅かな先駆者だけが上手く儲けることができます、充分に儲かった後の利益が下落してきた瞬間に儲かる方法として書籍化したりネットで手法を披露します、ここでようやく多くの人がこの手法に気付きます、しかし株の場合と同じで提灯が点いた時点で既にその手法は儲からないのです。
何故なら皆が同じ手法を行うのですからパイの奪い合いとなるだけでなくターゲットも各種情報を得てその手法に乗らないようにしてくるからです、書籍やネット上に踊っている手法、これに乗るのは推進者ではなくて先駆者へ更に利益をもたらす一般消費者であり提灯に過ぎないのです、そして自分は他者の先を行くカリスマだと勘違いして書籍を参考にビジネスネタにSNSや動画サイトで表示するわけです。
しかし結果的に落ち込み始めている先駆者を盛り上げる提灯を灯す役に過ぎず、お金を得るどころか無料の広報者で終わるのです、成功したいと真に考えているなら世間に知られた手法には絶対に乗らないことです、皆がやっている事は絶対にやらないという選択肢ができる人が次の先駆者利徳を得る人なのです。
皆がやっている事を後追いでやるような人はビジネス原則やビジネスそのものをまったく理解していないビジネス情弱者です、だから何時まで経っても成功することもなく時代が変わり世の中が変わっても常にどこかの先駆者の提灯という存在から脱することができないのです。
「あと一歩で成功者になれたのに・・・」、他者のこんな心のつぶやきを何度聞いてきたことでしょうか、私は過去には多くの社員、そして経営塾で門下生を指導してきて本当に不思議なのですが大人の人間としてどうしてもある一線を越えることができない人が多々いるのです、成功するかしないかを決めるのは超えなくてはいけない自身の心の中に在るボーダーラインを越えられるか否かしかないと思うのです。
このボーダーラインを超えるにはもの凄い精神力を必要とし更には自身と素直に向き合い自分に失望するほどに正確に自分という個性を理解しなければならないのです、人は生まれてすぐに「業」に目覚めます、いわゆる生きていくために必要な食欲・睡眠欲・排泄欲の三大欲以外の自己保身や自己都合に合わせた人間だけに与えられた醜い欲です。
その欲の中でも成功者になる邪魔をするのが自尊心・自己愛・虚栄心・羞恥心・青い正義感・自己都合による拘りなどです、本当にこれらはビジネスにはどうでもよいほどにつまらない存在はありません、そんなどうでもよい欲を捨てて心に素直になったとき本当に自身が欲する目的や目標の前に立ちはだかるボーダーラインをスーっと超えることができるのです。
超えた瞬間は自分でもびっくりするほど気持ちが楽にそして穏やかになります、それまで気が狂うほど不安のどん底に居た自分が嘘のように思えます、ボーダーラインを眼前にして気が狂いそうになっていた不安な事実などボーダーラインを越えた瞬間に自分が描いた醜い幻想だったことを思い知るのです。
「一度でも私を信じてくれたのならどんな事が起きようが最後まで信じきること」、私は指導する前に必ずこれを相手に告げます、相手のもっとも捨てるべきものを知った瞬間、あえてそれを強烈に意識するように指導しているのですから一歩間違えれば嫌われるのを超えて恨まれるかもしれません、私にとってもギリギリの戦いなのです。
でも「受け入れたからには自身の責任において指導する、指導通りに変化することが出来たら全てを保証する」、これが私の流儀なのです、超えるべきボーダーラインを越えた人は生まれ変わったかのように大きく変貌します、まさにシン・ゴジラのように不要な部分が消え有益な部分だけが極まります、そして老若男女問わずに一緒に目標に向かえる人になるのです。
超えるべきボーダーラインを超えること、超えてはならないボーダーラインは超えないこと、成功者とはこの2つのボーダーラインの狭間で生きている人なのです、時のベンチャー企業の武勇伝を細かく調べてみてください、共通してトップは腹心とも呼べる幹部を嗅覚で選択し阿吽の呼吸で進められるように完全なまでに指導していきます。
その幹部は苦労の末に見違えるほどに成長しトップと共に大きな達成感とお金と名声を手にするのです、自身の中に在るつまらない感情や欲に邪魔されては超えるべきボーダーラインをあと一歩で越えられずに成功の瞬間を目前にして去っていく人が後を絶ちません。
「曜日に縛られているうちは成功はあり得ない」、これは私が経営者デビューからずっと意識していることです、会社員でも曜日に縛られずに土日も祝日も会社に出て仕事して自分のペースで代休を取る人もいます、実は知財技術やIT開発を行ってきた私もそうでした。
納期や期限は待ってくれないのです、結果が全てがプロの世界です、やるときにやらなければできたとしても期限切れで意味が無いのです、曜日だけではなく時間もそうです、ビジネスの優先事項に合わせて早朝から仕事をして昼には退社しても何らおかしくないわけです。
月曜日に将来を決めるような大事な商談があるとしたらぎりぎりの月曜日の朝まで資料の整理から商談のシミュレーションをするのが当たり前なのです、そして当日は一発で決めること、これが成功する人の極普通の感覚というものです、ましては経営者やベンチャー企業の社員であれば曜日ではなくて重要なのはいつ優先すべき事項のXデーがあるかということです。
どんな状況であれ曜日に縛られ曜日単位で業務を組み立てているようでは頑張っても会社員の年収と変わらないでしょう、曜日も時間も関係なく結果を追求するようでなければ他者と差別化を図ることは極めて難しいと思います、そして成功している人は世間が休んでいるときに一気に仕事をして世間が仕事しているときに悠々と人の居ない観光地でのんびりしているものです、世間と同じことをしないこと、これが成功者になるための鉄則なのです。
ブランドコンサルティング企業であるインターブランド社は毎年10月頃に前年度の世界ブランドランキングを発表しています、世界ブランドランキングは企業の市場における知名度や影響力を世界レベルで調査し更に財務状況を加味してランキングされたものです。
数年間のランキング推移をみると今のそして未来の勢力マップが見えてきます、更に重要なのは今後どのような業界が潤っていくのか、その中で自身のビジネスはどのようなところに活路を見出していけるのかという未来予測を行うことです、最低でも5年先を読んで事業投資した企業が繁栄する、これは過去から変わらない勝者の法則です。
ちなみにここ最近の世界ブランドランキングの上位の多くはIT企業です、その中でトヨタなど日本を代表する企業が検討していることは嬉しい限りです、自動車ではトヨタが世界トップブランドです、しかも毎年ベスト10入りしているのはすばらしいことです。
ただベスト10の8社はIT企業です、すこし前までは自動車や家電が上位を占めていました、それがあっという間にIT系企業が上位を占めるようになったのです、如何に今の世の中はインターネットと連動したビジネスが巨大な市場を形成し経済マップを占有しているかが解ります、そして買い物も生活そのものもリアルから世界規模でのネット時代が到来していることが解ります、日本の都会に住んでいると解らないかもしれませんが好きな物をいつでもリアルで買うことができない人の割合が世界全体で85%も占めます。
ちなみに日本企業のIT以外の業種ではホンダ・キャノン・日産自動車・ソニー・パナソニックなどが毎年ベスト100入りしています、日本が世界に誇ったカメラなどの精密光学機器類ですが今ではデジタルカメラが全盛でさらにはスマートフォンに取って代られた構図が浮き彫りです、そしてクレジットや支払いもスマートフォン決済の時代へと移行していくのでしょう。
時代の流れとは技術の発展と新分化の誕生により常にドライでクールです、便利になる一方で極めて非情な側面を持っているのです、誰かが繁栄すれば誰かが淘汰される、何時の時代も地球規模では経済の総量は全体的に底上げされているだけで、競争原理の構造自体は何も変わっていないのです、成功したければどうしたらよいか、先ずは次代に繁栄するトレンド業種に乗ることです、こんな明確で簡単な理論は他にありません。