私は社会に出てから一度もアルバイトをしたことがありません、どんなに生活が苦しくともです、それだけを信条にしてやってきました、多くの人が生活に困窮すると会社員であろうが会社経営者であろうがその場凌ぎのアルバイトを安易に行ってしまいます、家族を養うための手段として行わざるを得ない事情もあると思います、それに関しては個人の自由ですから何も言いません、その人にしか解らない事情があると思いますから。
でも私はどんなに生活に困窮しても絶対にアルバイトだけはしないでここまでやってきたのです、これは私の門下生にも最初に指導していることです、生活するに相当の苦労していることも解ったうえでアルバイトだけはやらせなかったのです、「本当に生活に困ったらお金を貸すから絶対にアルバイトはするな」と強烈に指導し、それに3年間反しない精神力を持った人だけを愛弟子として認めてきたのです。
起業家としての志とは何なのか、起業して経営者となったのであればどんなに苦しい時にも本分を忘れず苦しさから逃げずに未来の成功に繋がる事だけを貫徹しなければ起業家として成功するわけがありません、これこそが捨ててはならない起業家としての誇りであり見栄や自己擁護の為のつまらないプライドを捨てられるのです。
コンビニ店員や肉体労働と日当でその日は空腹を満たされるかもしれません、でも一度でもその場凌ぎのお金を得ることを知ってしまったら人というものは絶対にいざとなれば本業よりもその場しのぎのお金を得ることを優先し手軽にお金になる道に入ってしまうのです、私は弟子入りした人がそうなるのを最も嫌います、そして今でも信条としてその場凌ぎに逃げる人は結局どこかで疑ってしまい本心から信頼することはできないのです。
成功者になりたくて起業したのであればどんなに困窮しても「成功する為に安易なことをやらない」という決断と信念を持ってもらいたいのです、ボロボロな服を着て食うに食えない苦労を重ねている人はその場しのぎのお金を得ては着飾っている人よりも男女関係なく余程立派で凛々しいと思います。
人間の真の美しさは外見ではなく心です、それが解らない人は私は関わり合いたくもないし私が認める愛弟子はこうあって欲しいと思うのです、外見や生活環境を笑う人には笑わせておけばいいのです、そんな些細なことなどたったの数年で立場が大逆転しますから。
その場しのぎのお金を得る事に逃げるようであれば起業家としての成功など潔く諦めて解散登記してほしいと思います、それが教える側の本気で学ぶ愛弟子への配慮でもあるのです、配慮を理解できない人もまた成功を収めることは絶対にありません。
志だ夢だと自身の理想や未来ビジョンを語るなら手軽な手段に逃げない強さと「成功の為にやってはならない事は絶対にやらない」という強い精神力を身につけてからにすべきだと思います、これが成功する人の最低限の覚悟というものです、覚悟が決まってない中途半端な人に成功を保証できるはずもないし教えられる事も皆無です。
多くの人が「空間」という存在に無関心なのには驚かされます、時々社員などに聞いてみるのが「空間を意識したことはあるか?」です、これは私と同じような人がいるかという確認なのかもしれません。
私は子供の頃から「空間」という存在を過敏に意識してしまうのです、自分の部屋・職場・レストラン・喫茶店・デパートなど「空間」を強く意識してしまいます、不思議な感覚になるのは大自然で何も囲まれていないのに自分の居る周囲数十メートルの「空間」を強烈に意識してしまうこともあります。
この「空間」を意識して何を感じているかというとその「空間」はパブリック(大衆)な「空間」なのか、それともプライベート(個人)な「空間」なのかということです、パブリックな「空間」を意識した時には決して自分を出さない、そしてプライベートな空間を意識した時には素の自分を出し、またその空間に入っている人もプライベートな関係という意識で見るようにしています。
そんなこと考えている人は他にいるのでしょうか、でも私はこの「空間」意識によって素の自分を出すか出さないかを無意識に決定できるのですごく便利に使っているのです、パーティーなども他者の主催ではパブリックなので陰に隠れるようにしているし自身の主催はプライベートとして気楽に振る舞います、飲み会でも初めての人が一人でもいればパブリックなので大人しくして自ら話すこともしませんし、身内だけならプライベートとして自由に話しまくります。
空間意識によってこれを極自然に自動的に行なえるのです、私にとってこれは一つの精神的ストレスを解消できる陰陽バランスだと思うのです、これによって私は昔から人間関係上のトラブルを極めて少なくしている気がします、是非「空間」を強く意識してほしいと思います、少なくてもプラスになってもマイナスにはならないでしょう。
現在の日本における法的に登記している企業数は約450万社です、このうちペーパーカンパニーやトンネル会社を除く事業を継続して営むアクティブな会社は400万社と言われています、就労人口6500万人と対比させると単純計算上16人に1人は経営者という数に上ります、複数の企業の代表を務める人も少なくないのでもう少し比率は減ると思いますがいずれにしても日本は小規模企業が98%にも上り小規模企業によって経済が支えられていると言われる所以です。
起業して3年以上正常に継続できる企業数は40%、さらに10年以上ともなると24%と激減してしまいます、この10年間に設立当初の事業のまま継続しているのはそのうち約12%、つまり起業数からみると10年以上正常に経営でき事業内容も変化なしに継続できる企業は約3%という数になってしまうのです。
2008年の会社法改正以来起業する人が急増しました、しかし起業後すぐに資金は底をつき取り合えずの生活を優先して自分の興した本業は他所にアルバイトなどに移行する人が後を絶ちません、夢の実現とか理想郷の実現とは極めて簡単な事ではないということです、それでも私は自分の生活だけは自分の力で維持して自身の可能性にチャレンジし続け果敢に夢の実現に向けて頑張る人が大好きです。
このような本物の経営者マインドを持つ人には損得無しに積極的に支援したいと思います、対して自分の生活費すら稼ごうともせずに誰かが助けてくれるのを待っているような経営者はどうも好きにはなれません、個人事業主であろうが会社経営者であろうが関係ありません、重要なのは他者を頼らずに自分の努力で生きて行こうという姿勢です、そんな人は周囲からも暖かく支援されているのも事実です。
誰でもそうです、他者を頼るだけで自身で何も努力しない人を助けようとは思いません、生活や家族が優先と言うなら当面の間会社は休眠状態にしてまずは生活基盤を早期に築くべきです、何事も中途半端では成るものも成らないのです。
帝国データバンクのデイリー情報を読んでいると倒産にもトレンドが有ることに気付きます、10数年前は数百億円以上の建築や不動産業界を中心とした大型倒産トレンド、その後に負債額数十億円規模の中堅製造業者の倒産トレンドが有りました、そして今は飲食業界の倒産がトレンドになっています、このトレンドは数年間で何れの場合もあっという間に落ち着きます。
こういった統計を分析していると一定のリズムで倒産規模や倒産業種などが明確化されていることが見えてくるのです、つまりこれらの一定のリズムを把握していると数年先を予測することもできるようになります、統計とは過去のデータでしかありません、しかし恐ろしくその通りになることが多々あります、
何事も正確なデータに基づいて自身の嗅覚を磨くこと、これによって現状ばかりか未来も予見することができるようになります、それに合わせて自身のビジネスを確立する、これが成功するための最大の秘訣です。
成功者は日々ぼうっとしているわけではありません、必死にあらゆる情報を探りトレンドを研究し先を読み計画しています、成功するには正確な情報収集の努力と先を読む力、そしてそれなりの法則に合わせたテクニックが必須なのです、これらが解らない人は成功している人にしっかりついていく、これも一つの成功法則です。
最後に景気のトレンドで面白い統計が有ります、それは好景気が始まる直前には必ず絶望的な不景気に見舞われるということです、例えば前回のいざなみ景気(いざなぎ景気ではない)が2002年から2007年の5年間、そしてその後急転直下のリーマンショックで世界的に経済が崩壊しました、その絶望的な不景気は5年で脱しました、そしてその後の5年間の緩やかな平穏状況というか低位安定状態があり今に至っています。
さて今後はどのようになるのでしょうか、人間も会社も世の中も全てが一定の好不調のリズムで動いています、つまりそのリズムを予め解っていれば長期展望で予測して先取り行動が行えるのです。
ちなみに戦後の景気のリズムはほぼ5年と20年単位でテーマを変化させながら好不調が反転し繰り返しています、戦後の日本の景気動向を詳しく追ってみると実に面白いことが解ってきます、果たして過去の統計は生きているのでしょうか、私の見解は「統計は確実に生きている」なのです、先読み行動して次の景気の波に乗るか様子見して景気の波に乗るチャンスを逃すかは自分次第です。
次の景気の節目はまさに現在の2024年ごろです、またトレンドから言えることはIT産業が猛威を奮ってきます、AIやIoTなどIT産業が3度目の経済爆発を起こしています、今後どんな景気トレンドになりどのときに何をするのか、それぞれの思考と行動次第ということかもしれません、その前に感性とビジネス嗅覚が重要です、何時の時代にも感性と嗅覚が壊れている人は次代の主流に乗れることはありません。
「10年ひと昔」とはよく言ったもので時代とは本当に面白いように移り変わっていきます、今日の栄華は明日の没落、今日の大失敗が明日には大成功の糧、そんな事は珍しいことではありません。
起業ブームの終焉もまた時代の変化を敏感に感じ取っています、若者と女性の起業数は激減の一途で起業支援を行っていた時のパートナーだった司法書士は2017年頃から起業相談が激減したと嘆いています、総務省統計によると東京と東海地区では2015年度には既に6年連続で増加し続けた法人設立数が前年度を下回り急速な下落傾向に移行しています、おそらく2017年頃から法人設立数は全国一斉に下降傾向に突入したとみています。
私が起業支援を撤退したのが2015年秋です、この時期は1ヶ月の支援数を更新していたまさにサービスのピークを迎えていました、そのサービスのピークでの撤退は時代の終焉を確実に予測できていたということです、起業支援サービスだけではありません、経営コンサルティングも撤退時は過去最高益を達していた状況です、しかしこのピークで躊躇いも無く撤退するのが私流なのです。
何故なら下降トレンドに入ってからの撤退は後ろ向きな撤退になるからに他なりません、だからどんなことでも退くのはピークの時なのです、サービス停止のもう一つの大きな理由は起業家の質の問題が大きかったことは否めません。
起業ブーム終焉の理由は実に簡単です、起業したい人が資本金の壁で我慢していたところへ2008年のリーマンショック後の景気奮起策で誰もが簡単に起業できる法案可決です、現状に不満を持つ人が我先にと起業しました、そしてこれが一巡して起業したい人がほぼ起業してしまったということです。
この起業ブームの瞬間風速が強かっただけにしばらく起業ブームの風は吹くことはなさそうです、そして次に来るのがこの起業ブームで起業した法人の倒産劇です、これも統計は既にこの傾向を示しています、それはこの10年の起業数と廃業数に見て取れます、資本金100万円未満の法人は3年以内に80%以上の会社が倒産もしくは決算も行わないという事実上の廃業となっているのです。
こういったデータが出始めるととたんに起業ブームにブレーキがかかるのは必至です、トレンドとは参加者のマインドが大きく影響してきます、更に法人経営という厳しい現実を目の当たりにして失意の中で起業する前の世界に戻っていく人も後を絶ちません。
ここで考えなくてはいけない人たちがいます、それは起業ブームの波に乗って右も左も解らないような人を対象にして稼いできた人たちです、スキル向上のセミナーや塾、各種の交流会にコミュニティ、まさにビジネスとは何かを解らない孤独な起業家をターゲットにこぞって参入してきました。
こういった一過性の時代の孤独な起業家をターゲットにしたB2Cビジネスは間違いなく時代と共に急速に終焉を迎え世の中から消えていきます、これは珍しい事ではなく特需の時代にも見られる極普通の社会現象です、一つの時代が終わると消費者の価値観もニーズも大きく変わります、その先にあるものを正確に読んだ者が次代を制するのです、これは常に変化の時代に起こる常識なのです。
起業ブームで起業した起業家にとってはバブル崩壊後のように過酷な淘汰という時代が急速に押し寄せています、既に金融機関は資本金100万円以下もしくは年商1000万円以下の企業は相手にしなくなっていますし仕事を出す企業側も社内コンプライアンスを名分にして取引先を限定し始めています。
そして淘汰される者と成長を遂げる者の二極分化が極まります、これも一つの時代の大きな変化期に現れる特徴的な現象の一つです、淘汰か成長かを問われる起業家にとってはバブル崩壊後の氷河期のような長期間の経済混迷時代がやってきます、起業ブームの起業家たちは地獄絵のような生きるにも過酷を極めたバブル崩壊時代を経験していません。
バブル崩壊後の流行語である「勝ち組か、負け組か」、再びそんな時代がやってくることは否めません、勝ち組はどんどん業績を伸ばし我が世の春を満喫し負け組は何をしようが食うに食えない極寒の時代となるのは必至です。
時代が大きく変わったことを真摯に受け入れ自身の生きる道を軌道修正した者だけが次の時代を謳歌できる人となります、本来は時代が変わる前に先を読んで変わるべきですが経験が浅いとなかなか実行は難しいものです。
であれば経験豊富な変化を読める人の動きに合わせることが重要かと思います、それも一つの成功法則なのです、こんな時代に孤軍奮闘しても結果は期待できません、孤軍奮闘では益々哀れな結果を残します、時代が大きく変わったことを真摯に認める事が自身を生かす道だと思います。