新規事業を考えるとき経営者は何を最初に考えるべきでしょうか、多くの場合にリソース(人・物・金)の有効活用ではないでしょうか、普通は効率よく使える活用法ということを思考します、なぜなら今有るものを有効に活用しようと考えるのが常識だからです。
しかし私はあえて提案しますが、事業に「もったいない」思想は邪魔になるだけで決してメリットを生みません、リソースと什器や備品などを混同すると結果は最悪になることがあります、事業でいうリソースとは環境保護やリサイクルではありません、リソースというのはあくまでも生きものです、人材だけでなく物やお金であっても同じことです。
新規事業などでもっとも考えなくてはいけないのは「何をするか」が先決です、「どうするか」はその後のことです、それが決まっているならリソースはその時点の最低限のニーズを満たす内容にしなければなりません、考えるのはその事業推進に不可欠なリソースを得ることです、必要な人材が社内に居なければ社外に求める、物やお金が無いなら調達手段を真剣に考え何をおいてもその調達を優先実行する、新規事業はゼロからのスタートで思考すべきなのです。
新事業推進には有資源思考から無資源思考へチェンジして今有るものを有効活用するという発想を捨てることが肝要です、これがリソースの再構築、つまりリストラクチャという手法です、極限まで断捨離し必要なものだけを得ることこそ新事業は上手く滑り出すのです。
ビジネストラブルの際に相手との話し合いで絶対言ってはならない事があります、相手の支払い遅延などで「これ以上の遅延は当社も待ったなしの状況ですので遅延した日数の利子もしくは遅延損害金を頂くことになります」というような発言は控える方がよいでしょう。
また何らかの原因による納品遅延で「これ以上の納品遅延はキャンセルさせていただきこの間の損害は賠償金を頂きます」、というような発言も同様です、これらは契約書に記載されている事項であれば法的に見ても誰が見ても疑う余地もなく確かな正論です、しかしビジネス上のトラブルというのは起こるべくして起こる人間関係や相手企業の周辺取引先に起因する事項が多いのです。
それを契約事項を叩きつけても何の解決にもなりません、第三者的に考えると解りますが上記の発言は内容は正論てもその実は強要です、これでは解決どころが更に状況は厳しくなるばかりです、人間関係に起因するというのは認識や情報のすれ違いなどが最も多く、これは双方の責任であり一方的に支払い遅延などを責めても逆効果となるばかりです。
また相手企業の取引先の経済的問題では相手企業も被害者なのです、それを理解してあげなければなりません、それを勘案せずに一方的な要求は支払いも得られないまま取引停止となってしまう可能性もあります、それよりも相手が何故支払いや納品出来ないのかを正確に把握し、それを是正して解決法を探るほうが早期にしかも損失も無く解決します。
確かに正論は正論なのですがビジネスに重要なのは正論ではなく「選択した行動が正解か」という結果がどうであったかが最も重要な事項となるのです、結果が伴えば正解、伴わなくては例え正論であっても不正解なのです、ただしその相手との縁が切れても構わない、という状況のときは怯むことなく要求すべき事項を要求することが肝要です。
縁を切るのか切らないのかを自然の成り行きの中で相手に選択させる、これが最も奇麗な縁の切り方であり憂いを残しません、これは成功戦略の重要な一つです、相手に選択や決定させる、こちらは相手がどの選択や決定であっても損失しない策を事前に練っておけば慌てることもありません。
契約や販売において「最後の詰め」を「クロージング」と呼んでいます、ビジネスに限らずプライベートでも事を成す時に最も重要なのがこの「クロージング」です、例えば商談、長い期間と多くのミーティングを重ね何でも話ができるまでに信頼関係を築いて99%まで上手く運んでいたとしても、最後の最後の詰めといえる経営トップによる契約締結に至るには1%の要素で全てが決まってしまいます。
私は多くの事例を見てきていますが、この最後の1%の行動で全てが泡となる人とそれまでは難局を繰り返していても最後に一発で決められる人がいます、この違いは何でしょう、その良い例としてあげるなら「野球は9回裏の2アウトから」、「マラソンは最後のトラック勝負」などという言葉です。
最後に決められない人は99%の時点で既に「契約決定」と思い込んでしまって浮足立ってしまっているのではないかと思います、しかし最後に一発で決める人はそれまでの経過は準備運動くらいにしか思ってなく勝負所を解っているのです、そして最後の1%に全力を出し切るのです。
本当に不思議なことですが世の中には契約直前まではノーミスで綺麗にまとめあげていくのですが、その後のクロージングで決めることができない人がいるのです、プロとはあくまでも結果なのです、過程がどれほど完璧であろうがトラブル続きであろうが関係ないのです、決めるときに決めて結果を残すことが最もプロとして重要なことなのです。
クロージングができない人の多くは「形に拘る人」が多いのも不思議です、そして世間で言う真面目な人が多いのです、真面目がダメと言うことではありません、真面目に過程を作っても最後にクロージングできなければプロとしては評価に値しないということです。
逆に見かけは実にいい加減に見える人が周囲の心配を他所にいとも簡単に冗談交じりにもクロージングしてしまいます、おそらくその人なりの勘や表面では解らない何か底しれないバックボーンが有るのだろうと思います、結果を示されればそれが何であろうが評価すべきなのです。
現在では永久封印しましたが過去構築したオンリーワンブランディングサービスは個性を活かして他者にできない事業、もしくはオリジナルな事業を構築し悠々とブルーオーシャンを泳いでもらうことを旗印としてセミナーやコンサルティングを行っていました。
オンリーワンブランディングサービスと並行して告知や集客に繋がる情報発信の重要性も伝えてきました、ブランディングに並行して必須と思えるオンリーワン情報発信ですが実際にブランディングをコンサルティングしてきたことにより多岐に渡るノウハウを数多く収集できました。
そして行きついた答えはこれからの時代のトレンドから「売らない、集めない、宣伝しない」を根幹とした記事型コンテンツの発信という考えに辿り着いたのです、今の時代に押しつけメルマガにステップメールやアトラクティブメールなどのプッシュ型情報は誰も読みませんし信じません、ましては「買って買ってプロダクツローンチ」は論外です。
自分自身の手による自社商品や自社サービスをどのように記事型コンテンツにまとめ上げ有効に発信していくのか、現在の小規模事業主においては最優先課題といえるものだと思います、この「オンリーワン情報発信術」とも言える手法に関して実際に事業を通して生きたデータの収集とカット&トライを繰り返して確立していきたいと考えています。
継続すればたかがブログも長期間に渡り一貫した活動を行っていたという根拠となり意味を持つようになります、したがってできるだけブログはSNSのような口語調でなく文語調で書いてもらいたいと思います、口語調では幾ら継続させても読む人に余計な感情を持たれ正しく情報を伝えることができないからです。
ビジネスでの人間関係は本当に怖いです、理由も解らないまま取引停止に発展することもあるのですから、事業を行ううえでパートナーに業務を依頼するケースは結構多いと思いますが注意しなければならない事が多々あります。
まずA社との取引を開始したとします、しかし事業の成長と共に危機管理などの目的においてA社以外の同業者との取引も徐々に開始しなくてはならないこともあります、例えば最初に取引開始したA社以外にも良いパートナーが見つかったり得意分野ごとに分けたり、部品などであれば1社に集中し有事のときに部品供給が止まるのを防ぐ目的で数社に分けて発注などを行うようになります。
これらの行為は企業であればリスク分散や危機管理などの意味においては至極当然の事です、しかしA社は全く違う見方をすることがあります、「あんなに最初は至れり尽くせりで協力してあげたのに突然他社に仕事を回すとはけしからん」、となるのです、A社としてはこれからもっと協力しようと考えていた頃に上記の事実を聞かされたら心情は穏やかではないと思います。
以前より取引高が2倍になっていたとしても自分の会社以外の同業他社に依頼したという事実が気に入らないのです、たとえ危機管理などをA社が理解していたとしてもです、ここがビジネス関係とはいえそれを行う人間であるための人間関係の難しさや厳しさなのです。
この回避方法としては他社に依頼する前にA社にしっかりと今後の方針を説明したうえでA社に対して同業他社を紹介するという形を取るのが良いかもしれません、例えば一緒に食事をしながらA社を立てて他社をA社の管理下で業務遂行するようなスキームを説明するとか、A社を中心に協力体制を作り上げるようにお願いすると上手くいくと思います。
A社も同業他社もその後は良きパートナーとして双方が協力的に動いてくれると思います、どんなビジネスを行うもやるのは常に人間同士なのです、そこには大切な人間関係があることを決して忘れてはいけません。