15年来公私共にお付き合いのある中堅商社の社長さんは自らも言うようにゴルフや接待が彼のメイン業務です、独立前の彼は大手商社の社員でした、営業成績は最下位に近かったと言います。
独立起業したのも継続的な成績不振にいたたまれずの脱サラだっと言います、そして彼には特別な能力が有るわけでもありません、話しも上手いわけでもありません、また会社員時代は「どうやったら楽して儲けられるか?」を毎日考えていたと言います。
そんな彼が起業を境に不安とは裏腹に描いていた夢が実現してしまったのです、自分には営業能力が無いからと同期の敏腕営業と経理を自分よりもはるかに高額の報酬で引き抜きました、そして売れるものなら何でも仕入れて売りまくりました、業績に伴って社員も急増しその結果あっという間に超優良企業に成長したのです。
経営者に必要な能力って何でしょうか、少なくても社員時代に求められる能力とは全く次元の違うところに在ることは確かです、彼は起業当時から本当に仕入先や卸先との接待以外は何もしていないのだと言います、会社が上手くいっている安定期は社長は本当に暇なのです、これは私も何度も経験してきています、社長が忙しく動いているときは何か大きな変化を必要としている変革期しかありません。
この10年ほどの起業目的が私の頃とは大きく異なってきています、私の起業は今から40年ほど前になります、この時代は株式会社では資本金1000万円を集めて社員もそれなりにそろえての起業が基本であり誰でも手軽に起業できる時代ではありません、また誰もが「起業するなら上場」を夢見た時代でもあり社員数も競うように増加させては成長路線を築いていったものです。
その後法改正を繰り返し今では資本金もほとんど用意しなくてもよく誰でも気軽に起業できるようになりました、そして当時と一番の違いは起業目的かもしれません、私の頃の時代は先のように「起業したら上場」を夢見たように企業を大きくしてビッグビジネスを行う事を目的とした起業でした。
今では「自分のスタイルでビジネスしたい」というのが目的であり企業を大きくする事には拘りません、むしろ一人か多くても数名程度の規模で気軽に楽しくビジネスするということが基本にあるように思えます。
目的は異なっても変わってはいけないという事があります、その企業のビジネスにおいて最も大事なことですが自分目線ではなくて顧客目線で事業スキームを考えられているかということです、少なくても重要なのは顧客に対して何を提供していけるかではありません、それを利用することによってその顧客がどのようになるかです。
ビジネスの基本は結果的にどんな利益と最終状況を顧客に提供できるかにあります、つまり入り口の方法は何でもよく出口戦略が最も肝要なのです。
最近の起業家の夢や事業計画を見て聞いて伝わってくるのが自分が何をやって利益をどう上げていきたいかということだけに留まっているのが実態です、ではその売り上げはどこから齎されるのでしょうか、自分の給与は誰が払ってくれるのでしょうか?
夢を語るも事業計画や提案書を作るも顧客目線で一度考えてみると良いでしょう、今まで考えていたものとまるで違うものになってくるはずです、顧客が望んでいるのはあなたの夢の実現でも事業の成功でも何でもありません、自分の満足度と利益(メリット)にどう繋がるかどうかということだけです。
自身の夢や事業計画を語るのであれば実現した場合に社会にどう貢献できるのか、それを利用する顧客がどうなるのか、ということを語ることが何よりも重要なことではないでしょうか、この頃の起業家の意識は何かが間違っています、少なくても顧客目線で全てを考えられる人がビジネス成功者となれるのです。
思考領域の余裕はビジネス然りで何事を行うにも重要不可欠な事項です、思考領域に余裕が無いと本当に身動きが取れなくなったりパニックを起こしてしまいます、ところで思考領域の余裕とはどこから来るものでしょうか、それは脳内の思考領域の残量と言っても過言ではありません。
簡単に例えるとパソコンのメモリ領域が少なくなるとCPUは空き領域を探そうとフル稼働します、そのうち固まってしまうか暴走してしまいます、思考領域の余裕が無いとこれとまったく同様の現象が起きるのです。
何が起きようが常に冷静で居られる人の理由として一つは他の人よりも思考領域が広いということ、もう一つは常に思考領域に空きを作っているということがあげられます、思考領域に空きを作るとは考えなくてはならない事を保留しないということです、今やるべき事を明日に延ばさず今やることが重要です。
嫌な事や都合の悪い事であれば尚更のこと積極的に問題や障害をクリアして思考領域を空けておく必要があります、空きの無い思考領域の脳が導き出す結論はたった一つです、それは「現実逃避」という行動です。
嫌な事を忘れることで空き領域を広げようと脳が頑張ります、でも実際はその現実逃避行動によって更に新しい情報が入り問題を発生させ空き領域をどんどん食いつぶしていきます、最も厄介なのは問題や障害は自然に消えることはないどころか現実逃避している間に更に事態は悪化してくるということです。
カウンセリングなどで思考をチェンジするという手もありますが、これは問題や障害が自分の思考にある場合は得策ですが他者の絡む問題や障害は自身の思考を変えても決して解決することはあり得ません。
重要なのは自身が嫌な事を意識しないようにする逃避行動ではなく、どうやって目の前の問題や障害を取り除いていくかという積極的且つ具体的なソリューション手法なのです、自分の思考領域の広さを知って領域を空ける方法を知っている人は何をさせてもそれに集中できます、だから何をさせても上手くいくのです、これが成功者脳と言われる所以です。
やれば解決する問題や障害を先延ばしする人は常に思考が空回りします、これでは自分で自分の首を絞めているのと同じです、逃げていては解決する事も解決しません、まずは現実と真摯に向き合うことです。
枝葉、伸び始めた頃は緑を提供し清々しい。
しかし伸びすぎた枝は何れ切り落とされ捨てられる。
コメント:
事業も人も謙虚が肝要、孔子の論語にこうある「謙虚にして失敗することは無い」とはこういうことである。
儲かるビジネスの基本なら牛丼屋に学べ。
早い、安い、美味い!
コメント:
どんなビジネスも顧客第一義と言うのであれば牛丼屋に学ぶことです。
待たせない、リーズナブルな料金、そして出来栄えは顧客が満足するもの、これなら上手くいかないわけがない。