
スピーカーの基本構造について学んだ内容を整理してみます。 スピーカーは電気信号を物理的な振動に変えて音として出力する装置です。 その中核を成すのは電気と磁気の相互作用です。 アンプから音声信号(交流電流)がボイスコイルに流れると、マグネットによって作られた強い磁界の中でコイルを動かそうとする力が発生します。 これがフレミングの左手の法則でおなじみの「ローレンツ力」です。 磁界の向きと電流の向きによって力の方向が決まるため、音声信号の波に合わせてボイスコイルが前後に激しく動きます。 この動きがコイルに固定された振動板(コーン紙など)に伝わり、空気を押し引きすることで「音」となります。

ボイスコイル
マグネットの力に反応して動き、電気エネルギーを振動のエネルギーに変える中心部品です。
コーン紙
音を放射する振動板です。コーン、ドーム、ホーンなどの形状があり、紙(パルプ)のほか、木(ウッド)や金属(アルミ・チタン)などが使用されています。
マグネット
ボイスコイルを効率よく動かすために必要な強い磁界を作り出す源です。
エッジ
振動板の縁をフレームに固定するパーツです。 振動板のストロークを支える要であり経年劣化による補修が最も多い箇所でもあります。
ダンパー
ボイスコイルに近い部分で振動板を支えるパーツです。 強力な磁石の狭い隙間の中心にボイスコイルを保ち、激しい動きの中でもコイルが磁石に接触しないよう精密に中心保持を制御しています。
エンクロージャー
図に記載はありませんが、これらのユニットを収める筐体(箱)のことです。
これらの要素が組み合わさることでスピーカーは機能しています。 音の出力は素材の物性や空間の制約による物理的限界が必ず存在します。 しかし振動板が押し出す空気の流れやエンクロージャー内部の容積、ボイスコイルの挙動をあえてどう制御するかといった緻密な設計によってスピーカーは作られています。

スピーカーはいろいろな種類があり、サイズから用途まで様々な製品が存在しています。 以前の私は単純に大きければ大きいほど質が高いと捉えてしまっていたのですが、実際には全くそんなことはなく奥深い世界が広がっていました。
現在、私の手元には代表からお借りした3種類のスピーカーがあります。 1台目はONKYO ST-V20XM、2台目はONKYO D-SX9A、3台目はDIATONE DS-103Vです。
それぞれの外形サイズは以下の通りです。
1.ONKYO ST-V20XM:幅101x高さ169x奥行136mm
2.ONKYO D-SX9A:幅167x高さ275x奥行244mm
3.DIATONE DS-103V:幅280x高さ150x奥行160mm
ST-V20XMが一番小さくD-SX9AとDS-103Vは容積としては近いものがありますが縦長と横長で随分と形が違います。 調べてみると、ST-V20XMはデジタルホームシアターシステムのメインスピーカー、D-SX9Aはミニコンポのスピーカーとして販売されていたもののようです。 そしてDIATONE DS-103Vは店舗の天井などに設置して使われる、いわゆるPA用のスピーカーです。
これらはそれぞれ用途が違い、最適な距離があることを代表に教えていただきました。 1台目のST-V20XMは50cmから1mほどの至近距離で聴くために設計されたものです。 デスクにおいて最適な音が聞こえるように設計されています。 2台目のD-SX9Aは少し離れた2m以上の距離、リビングなどで聞くのに最適な設計がされています。 3台目のDS-103Vは広い空間で3m以上離れて聞くのが正解のようです。 このようにスピーカーにはそれぞれ最適な距離があり、それはサイズだけでは決まりません。
最適な距離を外してしまうと音をきれいに聞き取れません。 例えばヘッドホンなどは耳元で聞くように設計されているので、耳から少し離してしまうと低音が聞こえなくなったりします。 これと同じようにスピーカーも設計された距離で聞かないと、本来の音質が味わえないことになります。 これを知らずに使っていると間違った評価をしてしまうかもしれません。
まずは手元にあるこれらのスピーカーで適正距離の違いを実際に試してみたいと思います。