私の生来の生業であるIT事業を本格的に再興させて早5年が経ちました、この間にそれまでの10年間に頭の中でロジカルシンキングしてきた事項を一気に爆発させ極めて短期間で高収益化させることができました。
話は変わって世の中には「世を忍ぶ仮の姿」という言葉があります、私の生来の生業を封印してきた10年間はまさにその言葉通りの人生でした、生来の生業を封印するのには相応の意味も理由も在るのですが、上場企業からMBO(マネージメントバイアウト)によって再興するにあたり束縛が在ったということだけで詳しい話はここでは控えておきましょう。
そんなわけで再興後はそれまでの25年間の経営で資金調達や事業構築に始まり上場準備など多くの経営経験を通して蓄積されたノウハウを活かし経営と再生コンサルティングをメイン事業に変革しました、加えてサイドラインサービスとして起業や経営実務支援などを合わせて総合経営コンサルティングを事業化し経営コンサルタントとして世を忍んできたわけです。
そんな「世を忍ぶ仮の姿」時代にはそれまでの人生では出会うこともないような人たちと多数出会いました、ほとんどの人は過去の実績を知る由もなく未来に復興する計画を持っていることなど当然のこと予想すらできません。
ただただ漠然と目前にいる厳しいことを言うだけの変なオジサンだと思って接していたのでしょう、だから自身の思惑どおりに進まなければ簡単に縁を切っていきました、そんな人の中でしっかり過去の実績を調査しどんな人達と何をしてきたのかを分析していた人がいました、また極めて鋭い嗅覚を持って今はただ「世を忍ぶ仮の姿」だということを見抜いていた人もいます。
そんな人が現在大きく育ったメイン事業(IT事業)の表や裏で人生を大いに謳歌しています、そしてそれまでに思ってもみなかった上場企業相手に億規模のビッグビジネスを何度も経験し、会いたくても会えないような上場企業の代表や役員の人たちと会食するまでの付き合いをして老後のための資産をしっかりと構築しているのです。
昔から「信じる者は救われる」といいます、ただこの言葉の真意は信じる対象は他者ではなく自分自身です、自分自身の嗅覚や持っている能力に自信のある人は同じ匂いのする人を疑いも無く信じられるのです、だから何が起きても冷静に対応し離れることをしないのです。
こういう人は他者に教えられなくても成功するためのショートカット法を自然に身につけており絶好のチャンスをキャッチしたら即実行に移しそれを継続します、そして「信じる者は救われる」を見事に実践してしまうのです。
最後に自分を信じられる人は同類の他者を真に信じられるのです、逆に他者を信じられない人は自分を信じていないからに他なりません、そう他者も自分と同じように他者に対して思考していると考えているからです。
何事も決定や行動を司るのは思考です、その思考は生まれてからこれまでの経験によって形成されています、つまり今の自分は自身で過去に作り上げてきた造形物と言っても過言ではありません、人生を変えたければ目標を定めてそれに相応しい経験をしていくしかないのです。
世の中には確実に「自分は選ばれた特別な存在」だと思い込んでしまっている人がいます、この人は全てが自分の思い通りになると思って生きています。
したがってそうならない状況が起きれば何よりも認めたくない事実であり、それに関する全てを消去するような行動に出てしまいます。
芸能界やスポーツ界、更には政治の世界などではマスコミでも話題になるので多くの人はそういう人達の存在を知っています。
「御意見番」や「大御所」などと呼ばれ、その業界で活動するためには無視できない存在であり、その人に逆らおうものなら一瞬で職を失うことになります。
その業界で実績や存在感のある人であれば本物なので周囲も認めますが、意識だけは「自分は特別な存在」だと思い込んでいる人が身近なところにも普通に存在しているので厄介なのです。
困った振りすれば助けてくれる、相談すれば何でもしてくれる、ドタキャンも直前アポも全て許される、「だって私は特別な存在なのだから」という振舞いです。
このような意識の人は最初のうちは低姿勢でいろいろな手を使っては人定めをします、そしてこの人は自分が自由に操れると確信した途端に豹変するのです。
一方では自分の手法が一切通じない人は遠ざけようとします、そう自身の立場を堅持する目的において自分の周囲にはいてはならない存在だからです、時々耳にする言葉の「王様・女王様症候群」、まさにこの言葉がぴったりくるような人達なのです。
「狂いの構造」(扶桑社新書)の中ではこのような症状を「バルンガ病」だとしています、承認されている病名かどうかは解りませんが極めて興味深い内容が述べられています。
常に認められたい承認欲求、褒められることが最大の喜び、自分に否定的な人や嫌なことは避けて通る、自己主張するが異常なほど他者依存心が強い、この症状もまた「es」が自我に働き自我が異常に肥大した結果なのかもしれません。
どんなに実力が有っても運が無ければ勝てない。
どんなに運が無くても負けないのが真の実力。
ということは何事も実力100%で運100%。
決して中途半端な50%ずつではないということだ。
自らの実力も運も無くても心配無用。
それを補完してくれるのが有益な人脈である。
どんな有益な人を身内にできるかで勝敗が決まる。
有益な人を身内にできるのも真の実力と運。
※耳順(じじゅん)とは、孔子論語の「六十にして人の話しを素直に聞けるようになった」という節を起源とする60歳代の呼び名である。
「ロジカルシンキングはその人の思考視野でロジカルシンキングの空間規模が決定する」、実はロジカルシンキングに関してこんな仮説を立てているのです。
というのは頭の中だけでリアルシミュレーションを行うのですから、必然にその人の思考視野がロジカルシンキング空間の大きさということになります。
自分や家族のことしか優先できない視野の狭い人がいます、その人の発想は当然に極めて独善的でマーケットイン思考に必要な社会性を大きく欠いたものとなります。
これは想像ではなく検証によって得られた統計です、私は多数の人をサンプリングしてきてやっとこれを理解することができたのです。
実績も根拠も無いのに一人よがりの独善的な発想と行動ばかりをして、しかも誰に対しても相手の状況や気持ちを理解できずに上から目線で話をする、こういう人の特徴がこの仮説によってようやく理解できるようになったのです。
プロダクトアウト思考とマーケットイン思考とは180度違う世界観となります、売れる商品やサービスを生みだすには世界観が広いマーケットイン思考が不可欠です。
世界観が広ければ全ての物事を大局的に捉えることが可能であり、逆にこれができないと誰もが即座にできるような小手先の小さな事しか思いつかなくなります、そしてどんな事でも自分の利益が優先してしまうので共存共栄が必要な成功とは無縁の孤独な人生を送ることになります。
「家族がいるから自分は孤独ではない」、いいえ物理的な人間関係よりも心理的な人間関係のほうがビジネスにはどれほど重要かを解っていない人がそう思い込むのです。
では何故家族と同じ時を過ごしていて孤独感が芽生えるのでしょうか、こういう人はこの疑問に正確に答えられないと思います。
世の中のルールや仕組みそのものを常に自分目線でしか見えていない人は世界初とかワールドワイドな大事業など興せるはずもありません、何故なら他者の気持ちや世の中の人の価値感が解らないからです。
結果自身のスキルや経済能力を超えた視野で考えることができないのですから、何事も極めて局所的な狭い範囲の世界観となります。
夢や計画の大きさとロジカルシンキング空間の広さが不一致ならば、それはロジカルシンキングではなく夢想や思い込みというものです、夢を持つのであれば思考視野を広げる訓練から始めることが重要だと思います。
見栄とかプライドとか羞恥心からくる相手にどう思われるかとか、自身の意志の表示や誇示といった思考や行動そのものが思考視野の狭さの証明です。
逆に大局で物事を捉える人には自身や周囲の人のことなどまったく意識していません、見えているのは地球規模での市場動向と価値観だけです、ビジネスにプライベートな範囲での思考はご法度です、それはビジネス空間ではなくプライベート空間というものです。
どんなカテゴリのビジネスを思考しても、自分と数人の知人範囲でしか考えられない人はこういった思考視野の狭さがビジネスを上手く構築できないという根本原因があります。
また思考視野の狭い人を見分けられるのは思考視野が広い人だけです、思考視野が狭い人には思考視野の広い人の心の中を見通し理解できるはずもありません。
思考視野の拡大は成功させるための必須事項です、そして思考視野の狭い人は思考視野の広い人と共存共栄しなければ自分のやりたい事でビジネスを興すことすら難しいこととなるでしょう。
捨て台詞を言う口が物悲しい。
言われる者より言った本人に深い心の傷が残る。
去る時には笑顔で無言のうちに去るのが美しい。
縁があればどこかでまた再会するのだから。
※長いビジネス人生、多くの人と出会い、多くの善悪を学びました。