
代表のオフィスに昭和な感じの形で1本、本丸の庭にあまり剪定されずに2本植樹されています。
ご存知のように日本の海岸線に多く自生する常緑針葉高木で、その名の通り黒っぽい樹皮が特徴でアカマツ(赤松)に比べて葉が固く潮風に強いことから雄松(オマツ)や男松(オトコマツ)とも呼ばれます。
赤松は雌松(メマツ)。

樹高は20〜35m程度ですが40mに達することもあり樹冠は若木では円錐形ですが、老木になると枝が太く水平に広がり傘状を呈します。
日当たりと水はけの良い場所を好み根は深く伸びる性質があり、幼木から育てられたものは深く根が伸びるため耐風性が強くなります。
根には酸素を好む共生菌がいるため空気を含む土壌が必要です。
幹径は3mになることもあり樹皮は幼樹では薄い灰色がかった黒色から老樹になると灰黒色を呈し、厚く亀甲状に深く裂け目が生じるのが最大の特徴です。
葉は2本ずつ束生(そくせい:束のように見える付き方)する二葉で断面は半円状、長さ10〜15cmの針形(松葉)で赤松より太く硬く先端が尖っていて触ると痛いです。

花は紫紅色の小さな松かさ形でほぼ球形をし、雌雄同株(一つの株に雄花と雌花がつく)の雌雄異花(雄花と雌花が別々につく)で、雄花(雄球花:ゆうきゅうか)は新しい枝の根元の方に多数群がって付き雌花(雌球花:めしきゅうか)は当年の枝の先端に2〜4個付きます。
実(球果)は長さ4〜6cm、径3〜3.5cmの卵形で一般的に言われる松かさのことで雌花が成熟したもので開花した翌年の秋に熟します。
球果が熟すのに1年半かかるので一つの枝に「雌花」「1年目の球果」「種子を散逸した後の松かさ(2年目の球果)」の3世代を確認できることがあります。
種子は翼があり風に乗って散布されます。
学名:Pinus thunbergii Parl.
分類:マツ科マツ属
開花時期:4〜5月

ミョウガは「花蕾(つぼみ)」を食べ、茎のように見える部分は「葉」の集合体という、非常にユニークな構造を持った植物であり、さらに名前の由来に仏教にまつわる有名な物忘れの逸話があります。
お釈迦様の弟子に「周利槃特(しゅりはんどく)」という人物がいました。
彼は自分の名前すら忘れてしまうほど物忘れが激しく、お釈迦様が哀れに思い自分の名前「周利槃特」を大きく書いた旗(のぼり)を背負わせましたが、彼はそれをかけたことさえ忘れてしまうほど物覚えが悪いまま死んでしまいました。
その後、彼のお墓から見慣れない草が生えてきたので「名前を荷っていた」彼にちなんで、その草は「茗荷(みょうが)」と名付けられました。
このことから「茗荷を食べると物忘れがひどくなる」という俗説が生まれたわけです。
しかし、周利槃特はお釈迦様の教えに従い「塵を払わん、垢を除かん」という聖語を繰り返し唱えながらひたすら掃除を続け、最終的に悟りを開いた阿羅漢(あらかん)となった非常に有名な高弟の一人でもあります。
※阿羅漢とは仏教の修行の最高段階に達した聖者のことで「煩悩を断ち切り、悟りを得た人」を意味します。

↑ 収穫の一部
「ミョウガを食べると物忘れがひどくなる」という俗説にもちろん科学的根拠はなく、むしろ香り成分には集中力を高める効果があると言われています。
このほかにも音の変化説による名前の由来があります。
日本には古くから香りの強い植物としてショウガとミョウガがあり、
香りの強い方を「兄香(せのか)」→ショウガ
香りの弱い方を「妹香(めのか)」→ミョウガ
これが転じて現在の呼び名になったという説もあります。
そういえば、丸ノ内線に「茗荷谷駅」がありますが、その名の通り江戸時代初期にこの近くの地域でミョウガが多く栽培されていたことから茗荷谷町(みょうがだにちょう)と付けられた町がありました。
現在ではこの地域でミョウガの本格的な栽培は行われておりませんが、拓殖大学文京キャンパスの脇の小さな畑で栽培されているそうです。
構造も歴史的にも魅力的な植物です。

庭木や生垣として非常に馴染み深い常緑針葉樹で代表の本丸の敷地入口から建物までのアプローチを演出しています。
樹高は5~15mで大きいものでは20mほどの高木になり、剪定をせずに自然に育てると、枝が斜め上にねじれながら巻き上がるように伸びるのが最大の特徴で「炎」や「ソフトクリーム」のような独特の樹形(旋回性)になります。
幹は直立し深い溝ができてねじれたように見え樹皮は赤褐色で粗く縦にはがれ、枝は密に分枝しらせん状に巻き上がる特徴的な伸び方をします。

↑ まさに炎のよう
葉は小さく柔らかい鱗のように重なり鮮やかな緑色で光沢がある鱗状葉(りんじょうよう)とトゲ状の針のような葉の針状葉(しんじょうよう)の二型性(にけいせい:2種類の形)を示します。
花は雌雄異株で雄花・雌花ともに目立たず地味ですが、雄花は枝先に黄色みを帯びた白く小さな花を、雌花は黄緑色から青色の小さな花を咲かせます。
実は雌花が咲いた翌年の秋に直径約1cmほどの球果(松ぼっくりのような裸子植物の果実)ができ、成熟し熟すと黒紫色になり完熟すると表面に白い粉を吹きます。
乾燥、潮風(塩害)、大気汚染に非常に強く、刈り込みにも耐えるため、公園樹、生垣、道路の分離帯などに広く植栽されていますが、梨の栽培地では赤星病の中間宿主となることが知られており、条例で植栽が禁止されている地域があります。
名前の由来は大阪府貝塚市で作出されたとする説や枝が巻貝のように見えることからという説などがあります。
学名:Juniperus chinensis 'Kaizuka'
分類:ヒノキ科ビャクシン属
開花時期:4月

代表の本丸やオフィスの日陰のあちこちに自生?している多年草です。
代表は子供のころから慣れ親しんだ薬味で珍しくもなく淡々としておりますが、薬味好きの女子社員たちは大喜びで帰って何を作ろうかなんて会話しているので、こちらもその気になってミョウガ林に頭を突っ込んでサクサク収穫に励んでいます。
日本人の食生活に古くから根付いている香味野菜ですが、植物としての構造は少し特殊的です。
草丈は40cm〜100cm程度で直立して群生し、夏場には大人の腰の高さほどまで成長します。
根は地下に地下茎(ちかけい)と呼ばれる茎を横に這わせ、これが根のように見えますが実際には茎の一種です。
この地下茎からひげ根を出しさらに新しい芽を出して繁殖していき、一度植えると地下茎が伸びて広範囲に広がっていく強い生命力をもっています。
また、地上に見えている緑色の茎のような部分は植物学的には「茎」ではなく偽茎(ぎけい)といい、葉鞘(ようしょう:葉の付け根)が幾重にも重なり合って筒状になったものです。
葉は長さ20〜30cm程度の細長い楕円形(披針形)をしていて偽茎から互生(互い違い)に出ており緑色が濃く表面は滑らかで葉自体にも特有の芳香があります。
草刈りをしていてミョウガを刈るとすぐにわかります。
ショウガの葉とよく似ていますがミョウガの方が葉の幅がやや広く葉の裏に毛がないなどの違いがあります。
花ですが、普段「ミョウガ」として食べている赤い部分は実は「花穂(かすい)」と呼ばれる花のつぼみの集まりで地下茎から葉とは別に地上に顔を出します
この花穂の鱗片の間から淡いクリーム色(または白)の繊細な花が咲きますが一日花(いちにちばな)であり咲くとすぐにしぼんでしまい、市場に出回るものは開花前のつぼみの状態がほとんどです。
実をつけることは非常に稀で、受粉に成功すると秋頃に白い果肉の中に黒い種子が入った実ができ熟すと赤く裂け独特の見た目になりますがほとんど見かけることはありません。
一般的には地下茎で増えるため種子を作る必要性が低い植物です。
なお、ミョウガタケは春から初夏にかけて日光を当てずに軟白栽培した若い偽茎の部分を食用にします。
学名:Zingibermioga
分類:ショウガ科ショウガ属
収穫時期:夏ミョウガ 6〜8月 やや小ぶり
秋ミョウガ 8〜10月 夏ミョウガより大きく、色も鮮やかで香りが良い
続く・・・

代表の本丸の数ヶ所ですくすくと育つ、いわゆるドングリの木です。
樹高10m〜20mほどに成長する高木で成長速度が速く、耐性暑さ、寒さ、日陰、大気汚染に強く非常に丈夫で、萌芽力(切ってもまた芽が出る力)も非常に強いため、庭木や生垣として高さを抑えて管理されます。
根は直根性で太く地中深くへ垂直に伸び細い根が少ないため、大木になってからの移植は難しい樹種です。
幹の色は黒灰色や暗い灰褐色で表面は比較的滑らかで少しざらつく程度で、枝がよく分かれ鬱蒼(うっそう)と茂り若枝は紫褐色を帯びることがあり無毛です。

葉は互生(ごせい)し長さ6〜11cm程度の細長い披針形(ひしんけい)をしていて革質で厚みがあり表面には光沢があります。
葉の縁には鋸歯(ギザギザ)がありますが、葉の上半分から3分の2程度にのみ見られ基部(付け根の方)には鋸歯はありません。
新芽の頃は鮮やかな赤紫色を帯びることがあり非常に美しいコントラストを見せます。
花は雌雄同株(しゆうどうしゅ)で、雄花は新しい枝の下部から5〜10cmの黄緑色のひも状の花穂(かすい)が垂れ下がります。
雌花は新しい枝の上部の葉の脇にひっそりと小さく直立してつくので目立ちません。
実は1.5〜2cm程度の卵形や楕円形をしていて、最大の特徴である殻斗(かくと:実の一部または全部を覆うお椀わん状のもの)に横縞の模様が入ります。
樹皮は黒っぽい色をしていますが、「シラカシ(白樫)」の名前は材(木材部分)が白く美しいことに由来し、対照的な名前の「アカガシ(赤樫)」は材が赤みを帯びていることに由来します。
枝葉が密に茂り刈り込みに強いため目隠しや防風林に最適で、関東地方では「カシグネ」と呼ばれ屋敷林として有名です。
非常に硬くて重厚なためカンナ台、金槌の柄、木刀、楽器(三味線の棹など)の材料として重宝されます。
学名:Quercusmyrsinifolia
分類:ブナ科コナラ属(アカガシ亜属)
開花時期:4〜5月