伊東久雄

笑顔が怖いときがある。

感情表現には笑う・泣く・怒る・悲しむなどが在る。

全て限られた感情のときに自然に出るもの。

ところが笑顔だけは、

照れ隠しや相手を小馬鹿にしたとき、

そして怒りや悔しいときにも出てくる。

笑顔は如何なる感情のときでも、

自由に作ることができる表情なのである。

笑顔は素敵だが逆に怖いと思うこともある。

兵法三十六計「笑裏蔵刀」。

笑顔で接近してくる裏に策略有り。

状況把握能力。

重要な情報を正確にキャッチできる能力。

この能力が高い人は、

全方位の情報アンテナと分析装置を持っている。

自分の周りに何が起きているのか、

何が起こりえるかを瞬時に見極めることができる。

この能力の差は大きな差となって突然表面化する。

どんな関係の人に対しても、

不変で強固な関係だと胡坐をかいてないか？

今の状況に甘えてないか？

どんな状況も未来永劫続くことなど有り得ない。

状況把握ができない人は確実に残念な結果を残す。

上手くいっている人は思考が極めて柔軟である。

個性をそのまま活かしても微塵も根幹がぶれない。

自分流を確立しマイペースに事を進める。

対して、上手くいってない人には共通事項がある。

正直に自身を曝け出さずに、

背伸びしたり見栄を張っては良く見せようとする。

稚拙なテクニックを駆使しては、

他者を巻き込み踏み台にして自己利益に始終する。

人間関係には信用と信頼が一番。

自分を曝け出せない人にどうして本心を見せられようか。

思慮の足りない人は実に罪深い。

思慮とは「心を働かせた深い考え」を指し、

気遣いではなく思いやる心で思考することである。

人間関係悪化の原因の多くは、

その場の思い付きによる稚拙な行動や言動にある。

感情や思惑による状況を作りだしておき、

後から省みたとしても周囲は納得しない。

正常なる人間関係を築くことは、

いかなる事項での成功する最大の秘訣である。

全ての行動と言動に思慮深く。

決して自己利益や思惑による目論みで、

言葉を発し行動を起こしてはならない。

因果応報、行為は大きく育って自身に降りかかってくる。

販売業務の場合は、

契約締結や受注をクロージングと呼んでも問題ない。

しかし、開発やコンサルティングの場合は、

契約締結や受注はクロージングではない。

それはスターティングである。

有益な成果物やサービスを提供して、

初めてクロージングとなるからだ。

販売とサービス、この意識の差は極めて大きい。

販売業務からサービス業務にシフトした人に、

最も多い意識のギャップがこれだ。

トラブルやクレームの最大要因は、

実はこういったビジネス感覚のズレにある。