「インバウンド」という言葉をこの頃はよく耳にします、この「インバウンド」という言葉は「インバウンドビジネス」を指し対語として「アウトバウンドビジネス」があります、外国人観光客へのビジネスを指して「インバウンドビジネス」という言葉が独り歩きしてしまっていますが今回は本質的なビジネス手法での話しをいたしましょう。
「インバウンドビジネス」とは外部から内部へ情報や人の流れを作り込むことで商いを確立したビジネスを指し、逆に「アウトバウンド」は内部から外部へ情報や人の流れを作ることで商いを確立したビジネスを指します。
例をあげると情報では一方的な情報配信を行うホームページやメルマガなどは「アウトバウンド」であり、対して顧客や同業者からの情報を集められるSNSなどは「インバウンド」と言えます。
ブログやサイトだけの活用では「アウトバウンド」としか機能しません、やはりSNSとの連動でブログも「インバウンド」としてのきっかけを作る重要な役割を果たすようになります、今後は景気や特需など世の流れを読むとこれからの時代は「インバウンドビジネス」に軍配が上がります。
自己アピール性が強く自身のビジネスには一切意味の無い一方的な情報には世の中全体が疲弊しています、したがってこれからは数の理論から質の理論へと世の中の思考が確実に切り替わってきます。
その意味ではSNSの活用も意味の無い情報スプレーから限られた人向けへの質の高いコアな情報配信へのシフトが望まれます、そしてそれに伴う意見収集という活用に変えていかなくてはなりません、時代に乗り遅れた人は何時の時代も栄華を誇ることは皆無です、世の流れに従いいち早く「インバウンドビジネス」を取り込むことに成功の二文字が見えるのです。
また、ビジネススタイルでいえば自ら全国を動き回る「アウトバウンドビジネス」から、どっしりと構え自らは動かずに待ちに徹した「インバウンドビジネス」を確立した者が次代の覇者となれるのです。
簡単に言えばカブトムシを捕まえに林の中へ行くのが「アウトバウンドビジネス」であり、仕掛けを作って寄ってきたカブトムシを労せず捕まえるのが「インバウンドビジネス」ということです、次代に乗れない者は何時までも自ら動き回り「インバウンドビジネスの」を展開する成功者のターゲットにされるだけで決して主役になることは有り得ません。
日曜午前のNHK将棋講座とNHK杯トーナメントを視ること、これは中学1年の頃から継続している私の楽しみの一つです、高校時代も大学時代もそして社会人になってからの徹夜続きの状況でさえも毎週必ずこれだけは忘れずに視ています、出張の際は勿論録画を忘れません、この1手で勝敗が決まるというような緊張の場面でプロの棋士の打った手と私の予想が当たったときの喜びは最高に気分が良いものです。
ところで私が将棋を覚えたきっかけは小学校時代に近所に将棋道場があったからで祖父と一緒に通っているうちに完全に将棋の魅力に取りつかれてしまいました、あっという間に父そして祖父を抜き中学の頃は将棋部の友人とやっても負け知らずで、ちょうどそのころにテレビでも視るようになったのです。
将棋の魅力は何か、ゲームの面白さも勿論ですが相手との心理戦が最も面白いのです、どこまで先を読めるかとかテクニック的なものも重要ですが相手の心理を如何に読むかは同じ実力であれば確実に心理を突いた人の方が勝ちます、これを将棋の世界では大局観といい盤上を通して見える生き物のような息使いを感じ取れるのです。
7大タイトルを総なめしたことで有名な羽生棋士は若手の頃から「羽生にらみ」と言われ、盤上を見るのではなく相手の顔や仕草を睨みつけるように観る仕草は確実に大局観を意識しているのでしょう。
さて子供の頃から将棋によっていろいろな思考を学びましたがビジネスにどう生かされているのかは正直自身ではよく解りません、ただ重要な商談や交渉事の時期には結論が出るまでの間は相手と話しているときも会社や家で何をしていても将棋を指しているときと同じ思考領域が働くのは奇妙でなりません。
ところで今でも時々スタッフとオセロや将棋を楽しんでいます、オセロは極めて単純なゲームなのですが不思議とゲーム中は大局観を感じ取れるのです、ビジネスは相手あってのこと、是非ともオセロや将棋などを楽しみながら大局観という感覚を磨いてもらいたいと思います。
私はソウルへは250回を超えるほど行っています、上海も40回以上で台湾・香港・パリ・モスクワなども10回以上とかなりの渡航数になります、そんな海外に何度も行っている私が最近意識するのが「グローカル」(グローバルとローカルの合成語)ビジネス、つまり自国の良いところを再認識して海外に展開しようというものです。
日本人が考えている以上に海外では日本の文化や日本食が受けています、日本には世界に誇れる本当に素晴らしい観光名所や地方独自の産物・産業・文化、そして知恵や教えが多数有ることを再認識しませんか、日本人は何かと外に目を向ける傾向があります、もっと自国を愛して自国の中に確固たる経済基盤を築いてほしいと思います、それを行ってから海外に目を向けても遅くはありません。
これからの海外ビジネスは「グローカル」です、海外から文化や物を入れるのではなくて日本から海外に向け文化や物を提供していくところに大きなビジネスチャンスが生まれます、時代の流れは大きく自分軸であり自分発のビジネスの海外展開です、今日本人が考える海外ビジネスの成功のヒントはこれに尽きます。
ちなみに2015年10月にTPP協定が合意されました、これによって今後は日本からの輸出に関して協定国へは実質的に関税がゼロとなります、こんな追い風を黙って見ていますか、成功者は世の流れに素直に従い上げ潮に乗れる人です、つまりは労せずに利益を得られる人ということになります。
「思考視野」という言葉を初めて用いたのですが、何を言わんとしているのかと言うと物事を思考する際にどの範囲まで思考を巡らせるかということを示しています、最も解りやすいのが自分の事しか考えていない人、つまり自身の行動を他者がどう考え自身に影響してくるかを一切検討せずに物事を決めてしまう人、これは何をやっても上手くはいかない人で説明の必要もないでしょう。
このような人が起業して自身のビジネスを始めたら結果は考えるまでもありません、ビジネスは他者との取引によって生まれるものというビジネス原点すらそこには見出すことはできません、自身の作り上げた商品やサービスを他者に買ってもらうことがそもそものビジネスの根幹です、つまり独りよがりな商品やサービスは自己満足は補えても経済基盤を作ることなど皆無なのです。
起業して自身のビジネスを行うのであれば少なくても自身のビジネスに関連してくる顧客候補(ターゲット)は最低限意識していただきたいと思います、更に上手く回すにはその顧客の周辺が極めて重要であり、ここまで視野を広げないとビジネスの広がりもなく成長も見込めません。
私が最も効率良く確実な集客方法と考えるのは「口コミ」であり長年の経営経験と多くの成功事例を見ても確信する集客方法です、更にこの方法はトラブルが極めて少なく一度回転しだすと自身のビジネスを粛々とこなしていればよく、待っているだけで新規顧客を取りこんでいけるのです。
しかし思考視野が狭いとこの方式を構築することはできません、更にはあっという間に孤立してしまう可能性さえも否定できません、ビジネスで成功するには顧客以外の自身のビジネスへの協力者という思考が肝要であり多くの人は顧客はお金になるが協力者にはお金が出て行くという利害関係だけで考えてしまいがちです。
実はそうではありません、協力者はお金はかかりますがそれ以上のお金をもたらせる存在なのです、そうでなければそもそも論で言っても協力者とは言えません、他者に雇用されている期間があまりにも長いとお金は他者から貰うものであり自身が渡すものではないという固定概念が形成されてしまいます、どうも最近の起業家にはこの傾向が強いように思います。
ビジネスとは極論を言えば「お金を使ってお金を稼ぐこと」であり、お金を使わなくて良いようにと全てを自身で行うのであれば起業などをすべきではありません、自身の労働を簡単にお金に換えられるのは雇用されるしか方法はないのです、そのような人は資金を使って事業を興し雇用を生んで経済を回すなどという大それた思考が必要な事業家を目指すべきではないというのが私の持論です。
ビジネスに重要なのははっきり言って資金です、その事業を行うために必要な特許使用料・サイト構築費用・各種認定料・商品仕入れなどの資金です、更に自ら行えない場合は技術指導料に各種コンサルティング料、そして事業を行うに必要な事務所家賃に人件費、これらは全て自身のビジネスを行うに必要不可欠な資金であり一つの投資です。
ここで最も早くビジネスを立ち上げて利益を得ることを考えてみましょう、多くの経営者が躊躇することは資金の問題です、資金が無ければ資金をかけずに行う方法に固執してしまいます、例えば他者の力を借りればあっという間に構築できるサイトを自身で勉強しながらコツコツと多くの時間を使って作り上げます。
しかしプロでは当たり前のSEO対策を行っておらず単にネット上に存在するデジタルコンテンツでしかない場合もあり得ます、結果的に誰にも読まれることもなく有効に機能することはありません、そこに有益性など一切存在せず経営者がやってはいけない行動の一つです。
経営者がやってはいけない事とは自身の時間というコストを無視することです、経営者の時間は無料ではありません、その時間を有益なことに割くことで利益を生み出すこともできるのです。
有益な時間を割いた上に意味の無い物を作り上げては「安く済んだ」と満足するでしょうが気が付けば世の中は既に先へ進んでおり最も経営者が悲観すべきチャンスロスを味わうことになります、経営者はどうすれば最も早く利益体質を作り上げるかを考えなくてはいけません、有効な投資とは「時間を買う」という意識なのです。