2026年1月23日 10:00
A級アンプの特性はその回路構造と電流の制御方法にあります。 下記の回路図はA級アンプの出力段の基本的な回路です。 上側に信号を制御するトランジスタQ1、下側に常に一定の電流を引き込む定電流源を配置したシンプルな構成です。
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この回路の動作は下側の定電流源Iccが常に一定量の電流(Icc)をグラウンドへ引き込み続けている点がポイントです。 増幅動作はこの一定の引き込み量に対して、上側のトランジスタがどれだけの電流(Ie)を供給するかというバランスの変化によって行われます。
図の左側のように入力信号がプラスの場合、トランジスタは定電流源が求める以上の電流を流します。 そのあふれ出た余剰分がスピーカーへと押し出されます。 一方、図の右側のように信号がマイナスの場合、トランジスタは流量を絞ることになります。 すると定電流源への供給が不足するため、その不足分を補う形でスピーカー側から電流が引き戻されます。
つまりアンプとは、プレイヤーから届く微弱な音の波形(Vin)を司令塔とし、電源(Vcc)からの大きな電気エネルギーをその通りにコントロールして、スピーカーを駆動する流れを作っているのです。
ここでスピーカーから電流を引き戻すマイナスの局面であっても、上側のトランジスタは完全に閉じず、常に電流を流し続けているという点が特徴です。 いかなる瞬間も素子がOFFにならないため信号のつなぎ目が存在せず、原理的にスイッチング歪みが発生しません。 この「常時導通」がA級アンプの定義となっています。