ホームシアターを道楽にしている人なら今回の話しはすごく納得するはずです、それはリモコンが命という話しです。
近年のAVアンプやプレーヤー類には必ずモコンが付いてきます、そして多くの機能がリモコンが無いと操作できないのです。
リモコンが無くてもエアコンのように電源オンオフと基本的な操作は行えますが、各種のモード設定や音質効果の設定などは行う事ができません。
ミニサイズのエントリークラスですと、サラウンドの命であるサラウンドモードの変更さえもできないものが多数存在しています。
つまり「リモコンが無ければただの箱」、これが近年のホームシアター製品なのです。
これを裏付ける事実が有ります、オーディオショップにずらりと並んだ中古品、同じ製品で同じ状態でもリモコン有りと無しでは価格が倍以上異なるのです。
更には、中古ネットショップにはこれらのリモコンが1万円以上の価格で取引されているものもあるのです。
つまりこういうことです、下取りに出す際は10万円のホームシアター製品でも1万円以下です。
それならばと、リモコンだけネットオークションにかけて売ってしまい、リモコン無しのものは下取りに出す、こうするとトータルでは倍近い価格で売れることになるのです。
かくしてオーディオショップの店頭には、リモコン無しの役に立たない中古品が山と積まれているのです。
でも、これらはまったく役に立たないわけでもないのです、電気回路に詳しい人ならしっかりと使い物にしてしまうわけです。
AVアンプとはいえ、そのシステムのベースはオーディオアンプです。
リモコン無しでも使える基本部分は多数存在しており、設定を全てリセットしてパワー部だけを上手に組み合わせれば激安のシステムが構築出来てしまうからです。
知恵者はどんな世界でも得をするようです。
オーディオ道楽の仲間は昔から数多くいますが、みなさん本当に与え合いの精神の持ち主なのです。
オーディオ道楽の多くは日々の音質を極める活動と並行してコレクションを行っている人が殆どです、高級なハイエンド製品を買うお金があればミドルクラスやエントリークラスの製品を数多く揃えたいというのがオーディオマニアの思考なのです。
それぞれの製品の異なる音色をコレクションし、その違いを確認したり組み合わせを自分なりに工夫することがオーディオ道楽の一つの喜びでもあります。
それでもどんな人にも経済的な限界というものがあります、そこで与え合いの精神が重要になってくるのです。
例えば同じメーカーのシリーズでの音質の違いを同じ環境で確認するには一度に5台のアンプやスピーカーを買わなくてはいけなくなります、そういった場合にはそれぞれが持っているアイテムを持ち寄って合同で音質確認したりします。
こういった持ち寄り試聴会は友人同士は勿論ですがオープンな形でも昔から各所で行われており、私も80年代にはタクシーでアンプやスピーカーを運んでは参加していました。
こういった活動を通して生きた情報を得ては次に買うべき製品を互いに確認し合ったりするのです、この試聴会は全員で音体験を共有できそれぞれが体験した貴重な情報を共有できるので80年代には毎回満員御礼の状況でした。
場所は喫茶店やレストランを経営している人が休みの日に無償で提供します、またコレクションの交換会や即売会なども同時に開催されるのが常です。
こういった交換会や即売会の製品はみな美品の完動品を出すのが暗黙のルールで与え合いの精神からきています、大事にコレクションしている製品を出品しますから本当にどれも新品同様に綺麗なものばかりです。
試聴会後の飲み会ではそれぞれの意見や感想を好き放題言い合うのですが、互いの感性を尊重し合い喧嘩になることは皆無です、オーディオ道楽を行っている人は心の広い人が多いのかもしれません。
こういった道楽を通した人間関係は、ビジネスの人間関係とは次元が異なるももので利害や損得勘定などが入り込みません。
むしろ譲り合いや与え合う理想の人間関係なのです、こういったところからもビジネスでの人間関係の在り方を多いに学ぶのです。
職業もバラバラでビジネスに発展するケースもありました、オーディオメーカーの技術者とも仲良くなり手持ちのアンプのメンテナンスを安価でお願いできたりしたので道楽にも弾みが付きます。
オーディオ道楽復活で、こういった忘れかけていた古き善き思い出も蘇ってきました、古き良き時代を今に望むのは酷というものでしょうか。
パイオニアと言えば日本発のスピーカーメーカーです、今回Stereo誌とのコラボで特別ユニットOMP-600を製造しました。
その意味では、この6CmフルレンジユニットOMP-600は貴重な一品だと思います。
その貴重な特性ユニットの性能を100%引き出すエンクロージャーキットを組みたてましたので、今回ユニットを取り付けての試聴を行いました。
パイオニアOMP-600をDIYキットの専用エンクロージャーに取り付けた
OMP-600を試聴中
リファレンスはダイヤトーンDS-200ZA
音出しの瞬間、これ本当に6Cmフルレンジの音だろうかと疑うほど低域が出てきます、流石専用に設計されたエンクロージャーの性能は確かです。
また、中高域はOMP-600の性能そのものが出ますが、シャープさには欠けるものの切れの良さは申し分ありません。
豊かな音色とは言えないまでもかなり聴き込める音色です。
メインでは厳しいもののサブシステムとしてジャズやポップスを充分に愉しめるスピーカーシステムだと思います。
また、バックバスレフ型ですのでデスクトップで壁から5Cmほど離して設置するとかなりの低音域が期待できると思います。
何れにしても、キットとはいえ8,000円でこの音が手に入るのであれば安いと思います。
何よりも自分の手で作ったたというのがDIYの最大の喜びなのです。
10年ほど前からだろうかネットには「オーディオ都市伝説」的な情報が数多く氾濫していますが、その多くは音質向上には何の根拠も無い情報ばかりです。
例えば「CDを凍らせると音質が良くなる」というもの、これは昔「レコードを凍らせると音質が良くなる」というマニアの常識をCDに置き換えただけのもので、技術に詳しい人であれば何の意味も無いことはすぐ解ります。
確かにレコードであれば音情報を削った溝をレコード針で直接拾う訳ですから、材質が冷えて硬化すれば若干なりともメリハリの良さは期待できます、それでも耳で聞いて解るか解らないかという程度のものです。
CDの記録はレーザーによるデジタル記録でありピックアップするのもレーザーです、材質が変わろうが「0・1」のデジタル情報が変化しなければ音質が変わることはありません。
デジタル情報が変化するということは音質ばかりか音楽にならないわけです、こんなデジタルの常識も解らずにレコードを凍らせる真似をCDでやったところで、音質向上を期待できないばかりかCDの結露によってCDプレーヤー内に湿気を齎し壊してしまいます。
同様にCDのタイトル面を黒く塗りつぶすとかCDのエッジを削るなども同様です、レーザーピックアップに余計な反射光が入らなくなり音質が向上するということらしいのですが、前出の理論通りで音質の変化などは有り得ません。
またオーディオ評論家が書籍で「音質向上のテクニック」と称してCDの2度がけで音質向上し、3度がけすると音質劣化する」などということを平気で書いているのです。
その根拠に「情報がメモリされ2度がけするとスムースに情報を読み込める」などという屁理屈を書籍で堂々と書いてしまっているのです、これは相当ヤバイです。
IT音痴もここまでくると幸せだなと思ってしまいます、CDプレーヤーが最初に読み込んで記憶するのは音情報では無くてメタデーターだけです、つまりCDには何曲入っていてそれぞれの曲の頭出しのトラックは何処から始まるかという情報だけです。
SACDでは他にもテキストデータとしてCDタイトルやそれぞれの曲名が入っていて、それを最初に読み込んでいるだけです。
音情報はこのメタデータを基に読み込みながら次々とDACで変換されて出力されているのです、原理からして2度がけで音質が変化する筈は無いのです。
こういった数多くのオーディオ都市伝説ですが、読む分には楽しいかもしれませんが実際にやってみる価値も根拠も無い戯言に過ぎません。
戯言を信じて大切なCDを傷つけたりCDプレーヤーを壊したりしないように願います、そして原理や理論を無視して将来のオーディオ経済を背負う大切なオーディオ初心者を惑わすような記事を書いているオーディオ評論家諸氏に一言もの申します。
「プロというならオーディオの最低限の原理や理論をしっかり学んで下さい!」、読んでいて極めて不快です。
ネット上に多数流れる「誰か教えて」書き込み、ホームシアターの悩みで多いのがテレビを最新のものに変えたら今までのAVアンプやDVDレコーダーが繋がらないというものです。
私も4K60インチの液晶テレビを購入した際には、旧機種との接続にけっこう頭を使いました。
というのも最近の液晶テレビには、外部AV機器との接続にはHDMIとUSB、そして音声出力は光デジタルしか付いてないのです。
2010年頃までは必ずRCAなどのアナログインターフェースが付いており、これで殆どのAV機器と接続できたわけです。
運が悪い人はほんの数年使用しただけで繋がらなくなったAV機器とどうやって繋ぐのか頭を悩ませているのでしょう、そこで大挙して発売されたのが各種のコンバーター類です。
映像系ではRCA-HDMI変換、音声系では光デジタル-アナログ変換(RCA)など安い物から超高級品までオーディオショップに並びました。
私の場合は、ブルーレイが使えるユニバーサルプレーヤーを最新のものに買い代えることで全てを一気にクリアにさせました。
旧式のユニバーサルプレーヤーが在ったのですが、各種のコンバーターを購入する費用と配線の煩雑さの方を避けたのです。
オーディオ用とAV用のコンバーターを購入する価格で、下手すると新しいユニバーサルプレーヤーが購入できてしまいます。
どうしても今まで使っていたAV機器を使いたい場合のヒントは、映像と音声を一緒に考えずに別の信号と考えて接続方法をそれぞれ別々に検討すると意外と簡単な解決法が見つかると思います。
まずはお金を使わず知恵を絞ってトライしてみましょう。