
昔からオーディオマニアの間で論議される話題に、「季節によって音が変わる」というのがあります。
私もどちらかというと「確かに変わる」と思う派で、同じソースでも夏は低音域がもったりし冬は低音域の切れが良くなる気がします、この現象はあくまでも私の推論ですが湿気に影響すると考えています。
スピーカーのコーンは非常に軽い紙や布などで出来ており、これが湿度が高いと湿気で重くなり湿度が低いと乾いて軽くなるのではないかと考えています。
昔これを古くなったスピーカーを使って実験したことがあります、その実験方法とは同じスピーカーの片側だけのスピーカーに1g程度に切った消しゴムをくっつけて聞き比べるというものです。
ソースはモノラルに切り替え、左右同じ音を出すようにしてバランスで左右を切り替え音の違いを確認しました。
1g程度ではほとんど変わることはありません、ところが3g位になるとかなり音質に差が出てきました、低音域が誰が聞いても違う音色になります。
重くした方は低音域がかなり増すのですが後を引くようにどよんとします、元々のソースに入っている音の余韻とは異なりエコーがかかったようにもたつきます。
ただ薄いコーンが湿気だけで数グラムも重さが増えるのかという疑問は残るのですが、コーンが重くなると低音域が大きく変わるという事実は実証できました。
同じ空間に湿度の違う環境を作ることは不可能なので、自然な形での立証はかなり難しいと思います。
また湿度によって空気振動そのものが変化するのかもしれません、これもまた仮説の段階です。
更に温度や湿度による人間の持つ感覚のせいかもしれません、もっと言えば「勘違い」なのかもしれません、何れにしても季節によって「音が変わる」ように感じることは確かなのです。

先日はホームシアターとハイファイオーディオを一つのシステムで共有化する方法をお伝えしましたが、今回はこれを更に発展させてDVDやブルーレイでのホームシアターとCDやレコードでのハイファイオーディオを完全に共有でき、それぞれの音質を損なわない方法をお伝えします。
先日もお伝えしたように、フロントスピーカーはホームシアターとハイファイオーディオで唯一共有するスピーカーですのでハイファイオーディオに耐えうるスピーカーを用意します。
このスピーカーにAVアンプのフロントチャンネルのスピーカー出力とハイファイオーディオ用のプリメインアンプのスピーカー出力を繋げば良いわけですが、2つのアンプをパラレル接続するのは電気特性上アウトです。
スピーカーセレクターを投入して切り替える方法もありますが、都度切り替えるのも面倒ですしスマートに行いたいものです。
そこで私が実践している方法をお教えします、まずDVD/ブルーレイプレーヤーはAVアンプに繋ぎます、またCDプレーヤーはプリメインアンプに繋ぎます。
そしてAVアンプのフロントプリアウトをプリメインアンプの入力コネクタのAUXに接続します、フロントスピーカーはプリメインアンプのスピーカー端子に繋ぎます。
こうするとCDを聴く時には、CDプレーヤーとプリメインアンプだけをオンにして通常通りにCDに入力セレクタを合わせて聴けばステレオ再生でのハイファイ音質でCD鑑賞できます。
また映画をホームシアターで愉しむ時は、DVD/ブルーレイプレーヤー・AVアンプ・プリメインアンプをオンにして、プリメインアンプの入力をAUXにして音量調節すれば高音質でホームシアターが愉しめるのです。
こういった方法を考え出す際に、重要なポイントはスピーカーをどこに接続するかという出口から辿っていくと解り易いす、逆にソースの入力側から辿っていくとスピーカー出力側で頭が混乱します。
この接続法はあくまでも私の中でのベストな方法です、無駄な電力消費をせずに音質を高める方法だと思います。
消費電力を気にせず費用も幾らかかっても良いというのであれば手っ取り早くハイエンドのAVプリアンプを購入し、フロントチャンネルにハイファイオーディオ用のパワーアンプを繋ぎ、その他のチャンネルはマルチアンプのAVパワーアンプを接続すれば最も簡単に実現できます。
ちなみにこの方法は私の方法に比べて消費電力は3倍以上で、予算的にも最低でも5倍ほどかかることを覚悟してください。
AVプリアンプとAVパワーアンプだけで100万円以上します、こんな高額なシステムで映画の鑑賞だけならまったく意味の成さないシステムになります。
むしろSF映画などでは大人しい音色となり迫力不足にがっかりするかもしれません、高級なAVセパレートアンプはクラシックのオーケストラなどのコンサート等のブルーレイディスクで本領発揮できるシステムなのです。

この数年来は週一程度でスタッフとオーディオラボで家飲みしています、この家飲みですが皆さんじっと落ち着いて飲まないのです。
その理由は、今まで聴いたことのない音質に驚いてスピーカーの近くに寄って聴いたり離れてみたりと何やら興味津々で落ち着かない様子です。
そしてサックスやドラムのソロパートになると、その場で演奏してるかのようなリアルな音に反応して「はっ」とした顔をします、その表情を見ては私も愉しく飲んでいます。
先日ボーカルのリファレンスソースで使っている尾崎豊のアルバムを聴かせてあげたら、「尾崎の声ってこんなにも高かくて澄んでいたんですね」と聴き入っていました。
ボーカルの余韻やエコー領域は14Khz以上の高音域が綺麗に出ていないと澄んだボイスになりません、またウッドベースの余韻は逆に60Hz以下の低音域が綺麗に出ていないと響きません。
まあ、こういった反応をする人は確実に将来オーディオマニアになって行きます、イタリアンレストランのスタッフは昨年私の秘贓品をお店にセットアップしてから完全にオーディオの虜になってしまって、店をオープンする前と閉めた後で一人でジャズを聴いては愉しんでいるといいます。
そんなスタッフ全員にマイオーディオを選定してあげてそれぞれがマイオーディオで愉しんでいます、それぞれの趣向や生活環境を考えて組み合わせを選定する、これもまたオーディオ道楽の愉しみです。
エントリークラスとはいえ、将来スピーカーをグレードアップするだけで音質が何段階も上がるような組み合わせをそれぞれに考えました、少なくても5年は愉しんでもらえるでしょう。

オーディオブランドとして今ではあまり語られることはないブランドにテクニクスがあります、70年代後半から80年代のテクニクスは本当に世界に圧倒的な強さを見せつけるオーディオ製品を数多く輩出していました。
70年代後半の未来感覚の薄型シリーズは世界中のファンを虜にしました、そしてデザインもユニークでニューヨークにある世界芸術博物館にもレコードプレーヤーとスピーカーが日本のオーディオ製品で唯一展示されるほどです。
特にロボットというべきオートマチックのレコードプレーヤーにハイエンドアンプと、何故こんなにも薄くできるのかというくらいに薄くても頑丈な作りです。
加えて音質も最上級、まるで別世界の製品のようにも思えたことを思い出します。
今、改めて当時のテクニクスのアンプの音質を確認するとCDとの音質の相性が抜群です、特に空冷のためのスリットの一つも無い小型軽量のアルミダイキャスト製ケースに収められたセパレートアンプSE-C01とSU-C01などは45年経った今でも斬新な工業デザイン性と音質の良さに脱帽ものです。
当時のレコードでは今のCDのようなワイドレンジな音情報は無く、そのアンプの持つ本当の凄さを伝えきれていなかった可能性があります、そして重厚な音質のサンスイなどが支持されたのかもしれません。
テクニクスは1989年からはパナソニックに移行します、アンプはリーズナブルな価格で重量も軽量ですが音質は驚くほど低音域が骨太で中高音域がシャープです。
更には世界で初めてのアナログパワーICを独自開発して投入し、安価でありながらも全周波数帯域で安定した高音質を実現しました。
改めて70年代から80年代初期の頃のテクニクスのアンプを聴いていると、「こんな良い音だったっけ?」と思わず呟いてしまいます。
もしも現在こういった音質のアンプが売り出されれば飛ぶように売れると思います、まさに愉音そのものなのです。
そして音色が極めて元気で明るいのでスピーカーを選びません、ある程度のグレードのスピーカーならどんなジャンルでも愉音を発してくれます。
この発見は大きかったです、CDでジャズを愉しむなら絶対サンスイよりもテクニクスです。
こういう音色を奏でるアンプ、最新のアンプで探すのはきっと大変な時間と労力を要すると思います。
往年のテクニクスの音を再現させるアンプ、個人的にではありますが強く熱望します。

ホームシアターのソースはDVDやブルーレイだけではなく、VOD(ビデオ・オン・デマンド)やPC動画、またテレビ放送そのものとバリエーションが数多く存在しています。
映画のDVDやブルーレイの多くはサラウンドに対応した音作りがされていますが、ドラマやVODの多くはステレオもしくは昔のものはモノラルというのも存在しています。
ソースそのものがサラウンドに対応していない場合にAVアンプを使う意味があるのかというと疑問が起きます、サラウンド以外のソースを入力した場合のAVアンプの音質は同クラスのプリメインアンプに比べて荒くて無意味に派手になりナチュラルではありません。
そこで音質向上だけを考えるのであれば、AVアンプよりもハイファイオーディオ用のプリメインアンプを並行して使うという手があります。
つまりソースによってAVアンプを経由して音声を出力するのか、プリメインアンプを経由して音声を出力するのかを振り分けるのです。
一見すると複雑な配線が必要なように思えますが、実際にやって見るとそうでもありません。
HDMIインターフェースでDVD/ブルーレイプレーヤーを接続している場合は全ての映像と音声は一旦テレビに収束されていますのでテレビから音声だけを光デジタルなどで取り出してプリメインアンプ経由で音声出力すれば後者の方法を実現できます。
プリメインアンプに光デジタル入力が無ければ外付けのDACを繋ぐ事で解決します、この場合はDVD/ブルーレイプレーヤーやHDDレコーダーの音声だけは両アンプに振り分けられても映像はテレビに集約されるように配線方法を考える必要があります。
私は映像と音声の信号経路を分けて考えることで簡単な配線を導き出していますが、手持ちの機種に合わせた方法を取る必要がありますので、それぞれが手持ちのAVアンプやプレーヤー類の入出力コネクタを見比べて思考する必要があります。
とにかく目的達成にはいろいろやってみて工夫すれば何とかなるものです、接続方法の独自のアイデア出し、これもホームシアターの愉しみの一つでもあるのです。