10年ほど前からだろうかネットには「オーディオ都市伝説」的な情報が数多く氾濫していますが、その多くは音質向上には何の根拠も無い情報ばかりです。
例えば「CDを凍らせると音質が良くなる」というもの、これは昔「レコードを凍らせると音質が良くなる」というマニアの常識をCDに置き換えただけのもので、技術に詳しい人であれば何の意味も無いことはすぐ解ります。
確かにレコードであれば音情報を削った溝をレコード針で直接拾う訳ですから、材質が冷えて硬化すれば若干なりともメリハリの良さは期待できます、それでも耳で聞いて解るか解らないかという程度のものです。
CDの記録はレーザーによるデジタル記録でありピックアップするのもレーザーです、材質が変わろうが「0・1」のデジタル情報が変化しなければ音質が変わることはありません。
デジタル情報が変化するということは音質ばかりか音楽にならないわけです、こんなデジタルの常識も解らずにレコードを凍らせる真似をCDでやったところで、音質向上を期待できないばかりかCDの結露によってCDプレーヤー内に湿気を齎し壊してしまいます。
同様にCDのタイトル面を黒く塗りつぶすとかCDのエッジを削るなども同様です、レーザーピックアップに余計な反射光が入らなくなり音質が向上するということらしいのですが、前出の理論通りで音質の変化などは有り得ません。
またオーディオ評論家が書籍で「音質向上のテクニック」と称してCDの2度がけで音質向上し、3度がけすると音質劣化する」などということを平気で書いているのです。
その根拠に「情報がメモリされ2度がけするとスムースに情報を読み込める」などという屁理屈を書籍で堂々と書いてしまっているのです、これは相当ヤバイです。
IT音痴もここまでくると幸せだなと思ってしまいます、CDプレーヤーが最初に読み込んで記憶するのは音情報では無くてメタデーターだけです、つまりCDには何曲入っていてそれぞれの曲の頭出しのトラックは何処から始まるかという情報だけです。
SACDでは他にもテキストデータとしてCDタイトルやそれぞれの曲名が入っていて、それを最初に読み込んでいるだけです。
音情報はこのメタデータを基に読み込みながら次々とDACで変換されて出力されているのです、原理からして2度がけで音質が変化する筈は無いのです。
こういった数多くのオーディオ都市伝説ですが、読む分には楽しいかもしれませんが実際にやってみる価値も根拠も無い戯言に過ぎません。
戯言を信じて大切なCDを傷つけたりCDプレーヤーを壊したりしないように願います、そして原理や理論を無視して将来のオーディオ経済を背負う大切なオーディオ初心者を惑わすような記事を書いているオーディオ評論家諸氏に一言もの申します。
「プロというならオーディオの最低限の原理や理論をしっかり学んで下さい!」、読んでいて極めて不快です。
ネット上に多数流れる「誰か教えて」書き込み、ホームシアターの悩みで多いのがテレビを最新のものに変えたら今までのAVアンプやDVDレコーダーが繋がらないというものです。
私も4K60インチの液晶テレビを購入した際には、旧機種との接続にけっこう頭を使いました。
というのも最近の液晶テレビには、外部AV機器との接続にはHDMIとUSB、そして音声出力は光デジタルしか付いてないのです。
2010年頃までは必ずRCAなどのアナログインターフェースが付いており、これで殆どのAV機器と接続できたわけです。
運が悪い人はほんの数年使用しただけで繋がらなくなったAV機器とどうやって繋ぐのか頭を悩ませているのでしょう、そこで大挙して発売されたのが各種のコンバーター類です。
映像系ではRCA-HDMI変換、音声系では光デジタル-アナログ変換(RCA)など安い物から超高級品までオーディオショップに並びました。
私の場合は、ブルーレイが使えるユニバーサルプレーヤーを最新のものに買い代えることで全てを一気にクリアにさせました。
旧式のユニバーサルプレーヤーが在ったのですが、各種のコンバーターを購入する費用と配線の煩雑さの方を避けたのです。
オーディオ用とAV用のコンバーターを購入する価格で、下手すると新しいユニバーサルプレーヤーが購入できてしまいます。
どうしても今まで使っていたAV機器を使いたい場合のヒントは、映像と音声を一緒に考えずに別の信号と考えて接続方法をそれぞれ別々に検討すると意外と簡単な解決法が見つかると思います。
まずはお金を使わず知恵を絞ってトライしてみましょう。
オーディオ道楽で最も憤りを覚えること、それは「初期不良」という謂われ無き(いわれなき)イジメにも似た事件です。
新規購入した製品を首を長くして待ち続け、届いたら即箱から出して苦労の末に設置してワクワクしながら音出ししたら故障していた、こんな事実は絶対に認めたくありません。
そして苦情の電話をしたところで、対応してもらえるのは設置した時と同じように再度苦労して設置から外して箱にまた戻して送り返すだけです。
時間を奪われ、無駄な労力をした挙句に数週間待たせて代替え品があればラッキーですが最悪の場合は届くのは修理品です。
つまり使う前から既に修理した中古品なわけです、そして安くなるわけでもありません、これって民主主義国家の正常な商行為なのでしょうか?
こういったトラブルは過去に数回ありますが、なんとそのうち2回はオーディオ道楽復活後のこの2年半の間です、そんな事もあってか是非記事にして記録に残したいと思ったのです。
確立を計算したら、この2年半の初期不良率は今現在で3%以上にもなります、今後しばらく起きなければ確率は低くなりますが充分に高い確率です。
オーディオ道楽封印前は約40年間でおそらく1%にも満たなかったと思います、つまり最近のオーディオ製品は初期不良率が極めて高いのではないかと思うのです、しかも安価なものではなくそれなりの価格がする製品でも起こるのです。
90年代まではどのメーカーもほぼ国内工場で生産しエージング試験もしっかりとやって出荷していました、昨今では多くが海外で製造され製造後は試験で合格しても日本に届いてから試験もせずに出荷されるのでしょう。
この間に船積み、トラック輸送と多くの振動や熱の変化にさらされます、こういったことが要因で故障してしまうようですが根本原因が基板の製造方法にあります。
昔はハイドメイドですが、現在ではディップと呼ばれる装置で基板を半田のプールに浸して一度に半田付けする方法で製造されます。
この方法では安価で高速に製造できますが、時々空気の泡などにより「テンプラ」と呼ばれる見た目は付いているが剥がれやすい状態で製造されてしまうことが起こります。
工場出荷時では検査で引っ掛からなくても、これが輸送途中の振動で剥がれて初期不良を起こす最大の原因となります。
調べてみるとネットでも近年の初期不良率の高さの苦情が多く上がっています、オーディオマニアの愉しみを一気にぶち壊す初期不良、どうにかならないものでしょうか、今後のオーディオメーカーの誠意ある対応を期待するばかりです。
DIYスピーカーユニットのWP-FL80を専用エンクロージャーに取り付けましたので、早々に音質を確認しました。
ワンダーピュアWP-FL80+専用エンクロージャー
ワンダーピュアWP-FL80はネットで賛否両論の情報が飛び交っていたので、新規参入のメーカーということもあり試しに買ってみました。
ワンダーピュアというブランドは電子工作キットを販売している会社です、そのワンダーピュアが本格的なオーディオDIY製品として発売したのがWP-FL80というオリジナルユニットです。
電子工作キットの老舗メーカーでエレキットがありますが、そのエレキットも近年に真空管アンプキットなどを手掛けていますので時代の流れなのかもしれません。
音質は、まあ8Cmユニットなので中高音域のメリハリを期待していたのですがイマイチです!
フォステクスの8Cmの同価格帯のユニットと比べて、元気がないというかマイルドというか大人しめの音質です。
DIYで1.3万円という価格であれば、もう少し作り手を喜ばせるような音質を追求してほしいと願うばかりです。
ちなみに8Cmのフォステクスのカンスピセットだと8,000円程度ですから、音質から見るとフォステクスのコストパフォーマンスの良さが逆に光ってしまいます。
スピーカーDIYオーディオでブランドの確立を目指すなら、確実にフォステクスよりもコストパフォーマンスが高くなければならないのです。
電子工作キット販売のワンダーピュアがオーディオ製品で勝負をかけるなら、戦略的な価格と話題性のある音質を追求しないと難しいと思います。
新しいメーカーには頑張ってほしいと思うのですが、オーディオマニアの耳を唸らせるには本当に厳しいのです。
また、ユニットではなくエンクロージャーの特性だと思うのですが、100Hz前後の低域でポンポン跳ねるような響きがあります。
気になる人はかなり気になる共鳴音です、ちなみにバスレフ穴をスポンジで塞ぐとこの妙な響きは収まりますが、同時に低音域はまったく聴こえなくなります。
原因はエンクロージャーに在ることは確かですが、外装やコネクタに凝るのではなく音に拘るエンクロージャーを本気で設計して欲しいです。
なにか見せかけだけのやっつけ感が本当にビジネスに情熱を燃やす者としてイラッときます。
PCオーディオでのスピーカーと考えれば、周波数レンジ的にもサイズも音質的にもまあまあ使えると思いますが、ハイファイオーディオとしてのスピーカーということを謳うのであれば論外です。
50年代のスローテンポなモダンジャズやハイテンポなハードバップジャズ(クールジャズ)を家に居る時は常に流している私ですが、30歳代からずっと休日は昼過ぎからビールを飲みながら何故かフュージョンやフリージャズを聴くようになったのです。
フュージョンやフリージャズはノイズだと言う人もいるのですが、私にとっては聞き流せるというかブログを書きながらでも調べものでネットサーフィンしていても何故か邪魔にならないのです。
不思議なことにロジカルシンキングにも最適なのです、チック・コリアやハービー・ハンコックなどは最高です、また60年以降のロックとの融合のような音楽性を目指したウェイン・ショーターも実に爽快です。
こういったフュージョンを聴く際には必ずサブシステムを使うのです、聴き込む音質と聞き流せる音質は私の場合は180度異なります。
ここで「聴き込む」と「聞き流す」という漢字の違いとニュアンスを理解して欲しいのです、聞き流す音質はどちらかというとナローレンジなマイルド系の音が良いです、例えればまるで昔のコンポでFMラジオを聞いているような感じです。
低音域も高音域もそこそこ出ていて、でも耳につくような刺激的な音ではなく遠くで鳴っているような自然に耳に入ってくる音色が好きです。
その意味では、コーヒーショップのように天井近くに小型スピーカーを設置して、部屋全体を使った音のシャワーを浴びるような空間ハーモニックスで聞くのが良いかもしれません。
こういう時には中音域が綺麗な業務用の小型スピーカーが最適なのです、もしくは小型フルレンジユニットを使用したDIYスピーカーですね。
アンプは癖が無く適度に角が取れたマイルドな音色のものがよいです、例えばオンキョーやデノンのミニCDレシーバーは小型軽量で扱いやすいし音色的にも最適です。
求める音色によって機種を考える、これも一つのオーディオの愉しみなのです。