皆さんもご存じのワインのビンテージチャート、これを覚えておくと美味しいワインを選べるようになります。
ビンテージチャートとは、世界のワイナリーやソムリエなどによって作成された年代別の評価表です。
ワインはその年の気候によって収穫地のブドウそのもののやワインにした際の味が大きく変動します、これを誰でもが解りやすく産地と年代別に評価をランキングしたものがビンテージチャートという代物です。
ここ最近では世界的に「2016年」が当たり年です、またワインだけではなくシャンパンも当たり年ですので、ワインやシャンパンを購入するときには「2016年」と覚えておくとよいでしょう。
ただ、同じ銘柄でも2016年ものは既に多くの業者が買いだめしているので希少性がでており高額になっている可能性が高いのと、もしかしたら入手困難になっている可能性も否定できません。
フランスワインなら2015年・2016年・2017年と3年連続の当たり年ですので、まだ2017年物は入手しやすいかもしれません。
ちなみにイタリアワインは2016年の前の当たり年は2012年・2010年・2008年であり、現在では幾ら払っても良いのであれば別にしてほぼ入手困難だと思います。
買える時に買えるだけ買っておく、何故なら買いたい時には買えなくなっているかもしれないからです、これもオーディオとワインは私にとって同類の対象なのかもしれません。
何故ワインのビンテージチャートの話しをしたかというと、これと同じようにあくまでも私見ですがオーディオ製品にも当たり年があるのです。
これはオーディオ界の歴史的背景や技術の推移、更にはその年にオーディオ業界に何が起きたかなどを知っている人ならだいたい予想が付きます。
私が実際に年代ごとのアンプの音質や音色を確認し、また製品そのものの歴史的価値などを総合して評価するとアンプやスピーカーでは以下のような当たり年が存在しています。
・1986年~1989年の4年間
・1992年~1996年の5年間
・2008年~2009年の2年間
まず1986年~1989年にはアンプ798戦争とスピーカー598戦争が同時に勃発し各社は高性能な部品をこれでもかというくらいに物量投入して低価格を打ち出しての全面戦争が起きています。
この4年間に発売されたアンプやスピーカーは極めてコストパフォーマンスが高くて、どのメーカーの製品も外れが見当たりません、ただしアンプのメーカーはソニー・サンスイ・オンキョーで定価が8万円~12万円のミドルクラスのアンプに限ります。
1992年~1996年は逆にオーディオ氷河期で中途半端なミドルクラスのアンプがまったく売れなかった時代です。
各社は80年代後半の技術を再利用&ブラッシュアップしての高性能なアンプを低価格で発売します、したがってここでもコストパフォーマンスが高く品質の良いアンプが多いのです。
尚、アンプに関してのメーカーはサンスイ・デノン・マランツで定価が7~10万円が最もコストパフォーマンスが高い製品群と言えます。
ただし、この2つの時代のどのメーカーのアンプも結構人気が高く、オーバーホールされた傷の無い美品ものなら当時の定価以上の価格が付いているものも多数存在しており、中古価格は高止まりしています。
上記2つの年代の音色がどうしても欲しいというニーズが無ければ、性能やメンテナンス性が高い最も新しい当たり年の2008年~2009年のデノン・オンキョー・ティアックのアンプがお薦めです。
特にティアックはハイエンドデジタルオーディオブランドのエソテリックを2004年に立ち上げ、そのバックグラウンド技術を惜しみなく用いたデジタル製品をリーズナブルな価格で出していますのでダークホース的な傑作アンプが多いです。
この2年程はリーマンショックで、やはり中途半端な価格帯のアンプがさっぱり売れなかった時代であり、上記2つの年代同様にコストパフォーマンスが極めて高い高性能なアンプが多数誕生しています。