
オーディオ道楽の仲間は昔から数多くいますが、みなさん本当に与え合いの精神の持ち主なのです。
オーディオ道楽の多くは日々の音質を極める活動と並行してコレクションを行っている人が殆どです、高級なハイエンド製品を買うお金があればミドルクラスやエントリークラスの製品を数多く揃えたいというのがオーディオマニアの思考なのです。
それぞれの製品の異なる音色をコレクションし、その違いを確認したり組み合わせを自分なりに工夫することがオーディオ道楽の一つの喜びでもあります。
それでもどんな人にも経済的な限界というものがあります、そこで与え合いの精神が重要になってくるのです。
例えば同じメーカーのシリーズでの音質の違いを同じ環境で確認するには一度に5台のアンプやスピーカーを買わなくてはいけなくなります、そういった場合にはそれぞれが持っているアイテムを持ち寄って合同で音質確認したりします。
こういった持ち寄り試聴会は友人同士は勿論ですがオープンな形でも昔から各所で行われており、私も80年代にはタクシーでアンプやスピーカーを運んでは参加していました。
こういった活動を通して生きた情報を得ては次に買うべき製品を互いに確認し合ったりするのです、この試聴会は全員で音体験を共有できそれぞれが体験した貴重な情報を共有できるので80年代には毎回満員御礼の状況でした。
場所は喫茶店やレストランを経営している人が休みの日に無償で提供します、またコレクションの交換会や即売会なども同時に開催されるのが常です。
こういった交換会や即売会の製品はみな美品の完動品を出すのが暗黙のルールで与え合いの精神からきています、大事にコレクションしている製品を出品しますから本当にどれも新品同様に綺麗なものばかりです。
試聴会後の飲み会ではそれぞれの意見や感想を好き放題言い合うのですが、互いの感性を尊重し合い喧嘩になることは皆無です、オーディオ道楽を行っている人は心の広い人が多いのかもしれません。
こういった道楽を通した人間関係は、ビジネスの人間関係とは次元が異なるももので利害や損得勘定などが入り込みません。
むしろ譲り合いや与え合う理想の人間関係なのです、こういったところからもビジネスでの人間関係の在り方を多いに学ぶのです。
職業もバラバラでビジネスに発展するケースもありました、オーディオメーカーの技術者とも仲良くなり手持ちのアンプのメンテナンスを安価でお願いできたりしたので道楽にも弾みが付きます。
オーディオ道楽復活で、こういった忘れかけていた古き善き思い出も蘇ってきました、古き良き時代を今に望むのは酷というものでしょうか。
パイオニアと言えば日本発のスピーカーメーカーです、今回Stereo誌とのコラボで特別ユニットOMP-600を製造しました。
その意味では、この6CmフルレンジユニットOMP-600は貴重な一品だと思います。
その貴重な特性ユニットの性能を100%引き出すエンクロージャーキットを組みたてましたので、今回ユニットを取り付けての試聴を行いました。
パイオニアOMP-600をDIYキットの専用エンクロージャーに取り付けた

OMP-600を試聴中
リファレンスはダイヤトーンDS-200ZA

音出しの瞬間、これ本当に6Cmフルレンジの音だろうかと疑うほど低域が出てきます、流石専用に設計されたエンクロージャーの性能は確かです。
また、中高域はOMP-600の性能そのものが出ますが、シャープさには欠けるものの切れの良さは申し分ありません。
豊かな音色とは言えないまでもかなり聴き込める音色です。
メインでは厳しいもののサブシステムとしてジャズやポップスを充分に愉しめるスピーカーシステムだと思います。
また、バックバスレフ型ですのでデスクトップで壁から5Cmほど離して設置するとかなりの低音域が期待できると思います。
何れにしても、キットとはいえ8,000円でこの音が手に入るのであれば安いと思います。
何よりも自分の手で作ったたというのがDIYの最大の喜びなのです。

10年ほど前からだろうかネットには「オーディオ都市伝説」的な情報が数多く氾濫していますが、その多くは音質向上には何の根拠も無い情報ばかりです。
例えば「CDを凍らせると音質が良くなる」というもの、これは昔「レコードを凍らせると音質が良くなる」というマニアの常識をCDに置き換えただけのもので、技術に詳しい人であれば何の意味も無いことはすぐ解ります。
確かにレコードであれば音情報を削った溝をレコード針で直接拾う訳ですから、材質が冷えて硬化すれば若干なりともメリハリの良さは期待できます、それでも耳で聞いて解るか解らないかという程度のものです。
CDの記録はレーザーによるデジタル記録でありピックアップするのもレーザーです、材質が変わろうが「0・1」のデジタル情報が変化しなければ音質が変わることはありません。
デジタル情報が変化するということは音質ばかりか音楽にならないわけです、こんなデジタルの常識も解らずにレコードを凍らせる真似をCDでやったところで、音質向上を期待できないばかりかCDの結露によってCDプレーヤー内に湿気を齎し壊してしまいます。
同様にCDのタイトル面を黒く塗りつぶすとかCDのエッジを削るなども同様です、レーザーピックアップに余計な反射光が入らなくなり音質が向上するということらしいのですが、前出の理論通りで音質の変化などは有り得ません。
またオーディオ評論家が書籍で「音質向上のテクニック」と称してCDの2度がけで音質向上し、3度がけすると音質劣化する」などということを平気で書いているのです。
その根拠に「情報がメモリされ2度がけするとスムースに情報を読み込める」などという屁理屈を書籍で堂々と書いてしまっているのです、これは相当ヤバイです。
IT音痴もここまでくると幸せだなと思ってしまいます、CDプレーヤーが最初に読み込んで記憶するのは音情報では無くてメタデーターだけです、つまりCDには何曲入っていてそれぞれの曲の頭出しのトラックは何処から始まるかという情報だけです。
SACDでは他にもテキストデータとしてCDタイトルやそれぞれの曲名が入っていて、それを最初に読み込んでいるだけです。
音情報はこのメタデータを基に読み込みながら次々とDACで変換されて出力されているのです、原理からして2度がけで音質が変化する筈は無いのです。
こういった数多くのオーディオ都市伝説ですが、読む分には楽しいかもしれませんが実際にやってみる価値も根拠も無い戯言に過ぎません。
戯言を信じて大切なCDを傷つけたりCDプレーヤーを壊したりしないように願います、そして原理や理論を無視して将来のオーディオ経済を背負う大切なオーディオ初心者を惑わすような記事を書いているオーディオ評論家諸氏に一言もの申します。
「プロというならオーディオの最低限の原理や理論をしっかり学んで下さい!」、読んでいて極めて不快です。

オーディオ道楽で最も憤りを覚えること、それは「初期不良」という謂われ無き(いわれなき)イジメにも似た事件です。
新規購入した製品を首を長くして待ち続け、届いたら即箱から出して苦労の末に設置してワクワクしながら音出ししたら故障していた、こんな事実は絶対に認めたくありません。
そして苦情の電話をしたところで、対応してもらえるのは設置した時と同じように再度苦労して設置から外して箱にまた戻して送り返すだけです。
時間を奪われ、無駄な労力をした挙句に数週間待たせて代替え品があればラッキーですが最悪の場合は届くのは修理品です。
つまり使う前から既に修理した中古品なわけです、そして安くなるわけでもありません、これって民主主義国家の正常な商行為なのでしょうか?
こういったトラブルは過去に数回ありますが、なんとそのうち2回はオーディオ道楽復活後のこの2年半の間です、そんな事もあってか是非記事にして記録に残したいと思ったのです。
確立を計算したら、この2年半の初期不良率は今現在で3%以上にもなります、今後しばらく起きなければ確率は低くなりますが充分に高い確率です。
オーディオ道楽封印前は約40年間でおそらく1%にも満たなかったと思います、つまり最近のオーディオ製品は初期不良率が極めて高いのではないかと思うのです、しかも安価なものではなくそれなりの価格がする製品でも起こるのです。
90年代まではどのメーカーもほぼ国内工場で生産しエージング試験もしっかりとやって出荷していました、昨今では多くが海外で製造され製造後は試験で合格しても日本に届いてから試験もせずに出荷されるのでしょう。
この間に船積み、トラック輸送と多くの振動や熱の変化にさらされます、こういったことが要因で故障してしまうようですが根本原因が基板の製造方法にあります。
昔はハイドメイドですが、現在ではディップと呼ばれる装置で基板を半田のプールに浸して一度に半田付けする方法で製造されます。
この方法では安価で高速に製造できますが、時々空気の泡などにより「テンプラ」と呼ばれる見た目は付いているが剥がれやすい状態で製造されてしまうことが起こります。
工場出荷時では検査で引っ掛からなくても、これが輸送途中の振動で剥がれて初期不良を起こす最大の原因となります。
調べてみるとネットでも近年の初期不良率の高さの苦情が多く上がっています、オーディオマニアの愉しみを一気にぶち壊す初期不良、どうにかならないものでしょうか、今後のオーディオメーカーの誠意ある対応を期待するばかりです。
DIYスピーカーユニットのWP-FL80を専用エンクロージャーに取り付けましたので、早々に音質を確認しました。
ワンダーピュアWP-FL80+専用エンクロージャー

ワンダーピュアWP-FL80はネットで賛否両論の情報が飛び交っていたので、新規参入のメーカーということもあり試しに買ってみました。
ワンダーピュアというブランドは電子工作キットを販売している会社です、そのワンダーピュアが本格的なオーディオDIY製品として発売したのがWP-FL80というオリジナルユニットです。
電子工作キットの老舗メーカーでエレキットがありますが、そのエレキットも近年に真空管アンプキットなどを手掛けていますので時代の流れなのかもしれません。
音質は、まあ8Cmユニットなので中高音域のメリハリを期待していたのですがイマイチです!
フォステクスの8Cmの同価格帯のユニットと比べて、元気がないというかマイルドというか大人しめの音質です。
DIYで1.3万円という価格であれば、もう少し作り手を喜ばせるような音質を追求してほしいと願うばかりです。
ちなみに8Cmのフォステクスのカンスピセットだと8,000円程度ですから、音質から見るとフォステクスのコストパフォーマンスの良さが逆に光ってしまいます。
スピーカーDIYオーディオでブランドの確立を目指すなら、確実にフォステクスよりもコストパフォーマンスが高くなければならないのです。
電子工作キット販売のワンダーピュアがオーディオ製品で勝負をかけるなら、戦略的な価格と話題性のある音質を追求しないと難しいと思います。
新しいメーカーには頑張ってほしいと思うのですが、オーディオマニアの耳を唸らせるには本当に厳しいのです。
また、ユニットではなくエンクロージャーの特性だと思うのですが、100Hz前後の低域でポンポン跳ねるような響きがあります。
気になる人はかなり気になる共鳴音です、ちなみにバスレフ穴をスポンジで塞ぐとこの妙な響きは収まりますが、同時に低音域はまったく聴こえなくなります。
原因はエンクロージャーに在ることは確かですが、外装やコネクタに凝るのではなく音に拘るエンクロージャーを本気で設計して欲しいです。
なにか見せかけだけのやっつけ感が本当にビジネスに情熱を燃やす者としてイラッときます。
PCオーディオでのスピーカーと考えれば、周波数レンジ的にもサイズも音質的にもまあまあ使えると思いますが、ハイファイオーディオとしてのスピーカーということを謳うのであれば論外です。