
2000年頃から、USBヘッドフォンアンプが各社から続々と発売されるようになりました。
ヘッドフォンアンプという存在は昔から在りますが、多くはミュージシャンや録音スタジオなどで使われるプロ用機器でした。
ホームオーディオではアンプの音質調整用やソースの音質確認等に使用され、価格もミドルクラスのアンプほどで高価なものでした。
しかし、現在は各社が次々と多種多様な新製品を出しており、この状況を理解するには時間がかかりました。
というのも、最初は音漏れを気にして大きな音で聴けない人達が多数いるのだろうと思っていたのですが、どうもそれだけではなさそうです。
勿論、そういった利用法も昔に比べたら多いのでしょう、その根拠にヘッドフォンや高級なイヤホンも多種多様なものが売られています。
さて、このUSBヘッドフォンアンプの本来の使い方以外でのニーズが存在していることに気が付いたのは、最新のデジタルヘッドフォンアンプを購入しようとスペックを調べるようになってからです。
何と、アナログ入力が無く光デジタルとUSBソケットしか付いていないものが多数存在しているのです、時代が変わればオーディオも大きく変わるのです。
さて、そして気付きとは、つまりデジタルとアナログの変換アダプターとしての利用法でした。
USBヘッドフォンアンプは、USBデジタル入力をアナログ出力に変換するのに最も安価で購入できる最適なアダプター、つまり外付けDACだったのです。
ヘッドフォン出力端子はアナログですから、変換ケーブルでフォンジャック-RCAにしてアンプのアナログ入力に問題なく繋げます。
またアッテネーターが必ず付いていますので、パワーアンプと直接繋いでUSBプリアンプとしても使用可能なのです。
勿論、プリメインアンプのAUXにも接続でき、この場合はバッファーアンプやラインアンプといったプリ・プリアンプとして機能します。
これなら、PCやスマートフォンからUSBで音源を入力し音質がお気に入りのアナログアンプで再生できます。
なるほど、世の中には本来の目的以外に使える物って沢山あるのですね。
そう考えると、現代は欲しい物は必ず製品化されているのです、出来ないと考えるのは存在と活用方法を知らないだけなのかもしれません。
やはり知恵(ノウハウ)は、どんなビジネスでも道楽でも多く持っていた者が得をするようになっているのです。

ホームシアターでのサラウンド方式ですがドルビーアトモス誕生以来チャンネル数は伸びる一方です、現存する最大チャンネル数は13.1Chとこれ以上無いというところまで行き着いています。
13Chと言えばAVアンプのパワーアンプ数も6つのステレオアンプに加えて1つのモノラルアンプとなり、スピーカーの端子だけでAVアンプのバックパネルが埋め尽くされ、配線するにも指が入る隙間が無いので横一列とするなど各種の工夫がなされています。
さて、チャンネル数は伸びる一方ですがチャンネル数が増えるとどんな効果が期待できるのでしょうか?
私は、効果以上に部屋を埋め尽くすスピーカーの数が気になってしまいます。
床にサブウーハー入れて9個、テレビの下に1個、天井に4つのスピーカーが設置される部屋は、広ければよいのですが一般的な都内のマンションでのリビングルームは広くても14畳程度だと思います。
この広さだと、部屋の壁や天井に反射した音によって意味のなさないチャンネルが生まれてきます。
つまり他のスピーカーの反射によって、本来のスピーカーから出てくる音が空間ハーモニック(音の合成)によってかき消されてしまうのです。
14畳程度であれば、7.1Chで充分に壁や天井の反射で3次元サラウンドが楽しめます。
10畳以下なら5.1Chでもフロントにトールボーイ型スピーカーを使い、サラウンドスピーカーを床と天井の真ん中よりも上に設置すれば充分に壁や天井反射によって3次元サラウンドと同じような効果が実現します。
広い部屋が用意できるならチャンネル数を増やす方がより3次元サラウンド効果を得やすいのですが、そうでない場合はむしろチャンネル数を増やすよりも反射音による効果を期待した方が良い場合が多いです。
ホームシアターを楽しむ場合、チャンネル数を追うのではなく部屋の広さに合わせてチャンネル数を決めるようにしたいものです。
また、狭い部屋に所狭しと置かれたスピーカーはビジュアル的にどうなのだろうかと思うのです。

少しオーバーな言い方ですが、最初に買ったオーディオ製品がオーディオマニアになるか、それともオーディオ製品を家電意識で終わらせてしまうかを決めてしまうような気がします。
普通の人は高校生時代に初めて自分のオーディオ製品を持つと思います、多くの場合はコンポではなく近年ではポータブルCD付きラジオとかイヤホンで聴いたりブルートゥースで繋げるポータブルオーディオだと思います。
そして徐々に特定の音楽が好きになり大きな良い音で聴きたくなります、そこで大学時代にアルバイトなどで貯めたお金や社会人になってからの給与で初の自分の本格的なオーディオコンポを買う訳です、全員とい言うことではありませんが男性には多いかと思います。
ここで手頃なCDレシーバーを買うか、倍以上のお金を払ってフルサイズのコンポを買うかでオーディオに対する耳が変わってしまいます。
CDレシーバーを買った人はその後にフルサイズコンポのどんなエントリー製品を聴いても全てが良い音に聞こえてしまいます、つまり良い音の判定基準が正確に身につかなくなってしまいます。
対してフルサイズのある程度の価格(イマイマで言えばセットで10万円以上)のコンポを買った人は耳が肥え、次に買い換えるときにはセットで30万円以上のミドルクラスのコンポでないと物足りなくなっていきます。
そして良い音に対する追求が始まりスピーカーを変えたりアンプを変えたりするようになります、これが多くのオーディオマニアの誕生夜話なのです。
どちらが幸せなのかは解りません、少なくもオーディオから多くを学べた私はオーディオ道楽にハマってしまったことを後悔したことは1度もありません。

近年のハイエンドオーディオ製品の多くは、スピーカーにしてもアンプにしても極めてシンプルです。
スピーカーではミドルレンジやハイレンジのアッテネーターは付いておらず、バイワイヤリングやマルチアンプに対応したコネクタが付いているだけです。
アンプは電源スイッチと入力セレクタ、そしてボリュームしか付いていません、トーンコントロールもバランス調整もフィルター類や録音機能も何も付いていません。
最もシンプルな高級ハイエンドアンプでは入力セレクタすら付いておらず、アナログ入力1つ分しかコネクタが付いていないという究極のプリアンプもあります、つまりレコードを聴くのであれば外付けでフォノイコライザーを別に付けることを前提にしているのです。
この意図としては忠実にソースの音を再現することにあり、必要最小限の回路のみとしてノイズの元になるスイッチなどによる分岐や余計な回路(部品)を全て排除するという究極の選択による結果なのです。
確かに高級なハイエンドオーディオ製品で聴く際は、トーンコントロールなどを全てジャンプするソースダイレクトスイッチをオンにした状態で聴きます。
スピーカーもアッテネーターが付いていない密閉型で聴きます、したがって何も調整する必要が無いのです。
音を調整する必要があるということは、それ自体にソースの音が忠実に再現されていないという証拠なのかもしれません。
究極のハイファイオーディオの姿とは、レコードのピックアップコイルに電流増幅する概念上のケーブルでスピーカーを直結したようなイメージなのだと思います。
きっとハイエンドオーディオ技術者が求める究極のアンプの姿とは、「電流増幅だけを行わせる導線」なのだと思うのです、これを極めた結果において1台500万円を越えてしまったのです。
究極のアンプとはソース音源に対して「何も足さない、何も引かない」、きっとそういう理想に基づいているのです。
私もいつしかアンプとスピーカーで1,000万円以上というシステムを部屋に置き、静かで広い空間でゆったりと音楽を愉しみたいと思います。

ホームシアターを楽しむためには、音の浮遊感を感じるように視聴位置の前後にスピーカーを配置します。
サラウンドの基本形は5.1Chで、フロントLR(左右)・センター・サラウンドLR・サブウーハーとなります。
フロントスピーカーは設置面積を少なく済むようにトールボーイ型を用いるのが一般的ですが、ステレオ再生ではハイファイオーディオの音質を求めて大型フロントタイプのスピーカーを用いても何らの問題はなく好ましいとさえ思います。
センターチャンネルはボイス、つまりセリフなどの音情報が主になりますので中高音域が張り出してくるようなスピーカーが好ましく、スクリーンやテレビの下に置く場合を想定してトールボーイ型を横にしたような横長のスピーカーを用いるのが一般的です。
また重低音域はソースにも含まれていませんので下は100Hzまで出せれば問題なく使えます、むしろ低音域よりも高音域が綺麗に伸びている方が重要です。
ライブ映像などではセンタースピーカーはボーカルパートとなりボーカルを綺麗に再生できるスピーカーであることが望ましくなります、今のような横長のセンタースピーカーが無かった時代は小型ブックシェルフを横にしたり小型で横長の業務用スピーカーなどを用いていました。
サラウンドスピーカーはセンターと同じように中高音域しかソースに入っていませんから同様に中高音域が綺麗に伸びており張り出し感が重要になります、距離的にはフロントやセンターに対して1/3程度の距離となりますので、音圧が低くても問題ありませんが低すぎるとサラウンド効果が得られませんので注意が必要です。
サブウーハーはAVアンプをそのまま使うのであればアクティブ型(アンプが内蔵されている)スピーカーが必要です、現在では専用に作られたサブウーハーを使うのが一般的です、こういった専用のサブウーハーが無かった時代にはモノラルアンプと大口径のスピーカーにスピーカー側でのハイカットフィルターを用いて自作したりしたものです。
サブウーハーは前方向であればどこにおいても音場には影響しませんので、真ん中に置く必要はなく部屋の隅でも構いません、重低音は直接的にくるような指向性がなく周波数が低いので部屋に充満するように広がるからです。
この5.1Chの配置がホームシアターにおけるスピーカーの基本形となります。
これに、フロントの上面(フロントハイ)にサラウンドを加える方式が「7.1Ch」、更に視聴位置の横上面(サラウンドサイドハイ)を加える方式が「9.1Ch」、更に後方サラウンドの上面(サラウンドハイ)を加える方式が「11.1Ch」、そして視聴位置の真後ろ(サラウンドバック)に2つのスピーカーを距離を置かずに加える方式が「13.1Ch」で現在最もチャンネル数の多いサラウンド方式となります。
これらを実現させるには、AVアンプがこのチャンネル数分のサラウンドシステムを搭載している必要が有るということと、このチャンネル数分のスピーカーが当然不可欠となります。
あくまでもサラウンドシステムの基本は5.1Chです、先ず初めに5.1Chでサラウンドを充分にマスターしてから上位のサラウンドに移行するのが無難です。