2024年7月19日 07:00
電化製品は独特の臭いを発することで知られています、特に通電中は熱を発するので敏感な人はその周囲に行くだけで臭いを嗅ぎわけることができます。
この電化製品の独特な臭いは、通電によって温まることにより使われている部品の材料や接着剤、また加熱した際のシャーシや冷却フィンなどの金属の発する臭いが混ざり合って独特の臭いの元となります。
さてオーディオと加齢臭という話ですが、本当にアンプは年を追うごとに臭いが変わってくるのです、使っていても使っていなくても20年程すると独特の加齢臭を発するようになります。
殆どしない製品もあるのですが、メーカーによってはかなり強烈な臭いを発する製品もあります。
機械の加齢臭ですから人間のものとは異質ですが、何とも言えない臭いで私はどちらかというと苦手な臭いです。
埃が燃えたような臭いがする製品があり、最初は中に溜まった埃が発熱によって発していると思って分解してみたのですが埃は殆どなく別の原因だと解りました。
このアンプの加齢臭の原因は電源トランスに在りました、他の電化製品には大型の電源トランスはほぼ使うことはないのでこの臭いはしませんが、アンプは電源トランスが重要でどの機種にも使われています。
この電源トランスの錆止めや絶縁対策に使われている樹脂製のワックスが、経年経過と共に劣化してきて先の独特な臭いを発するようになります。
メーカーや製造国によって若干違うのですが、私の経験上アメリカ製のトランスが最も強烈な臭いで次に日本製です、ヨーロッパ製は経年経過で臭いが変わることはあまりないようです。
アメリカ製のものはアメリカの雑誌などによく使われているインクの臭いと同じように鼻にツンとくる臭いで、どちらかというと化学薬品的な臭いです。
対して日本製のものはムフッとくる腐敗した有機物の臭いに近いです、有機物っていろいろありますが枯れた木やどぶ川のような臭いです。
最後に日本のオーディオメーカーに一言、「音質を極めるだけではなく、後々の臭いのことも少しは気にしてくれると嬉しい!」。